濱田京子コラム

雇用保険料の使用用途について

2025.06.09.

労働保険料の申告の季節がやってきて、緑色の封筒に入った申告書がお手元に届いているのではないでしょうか。(申告は6/1から7/10までに行う必要があります)
この申告書ですが、来年以降は電子申請が義務付けられている事業所(*)には送付されないようになります。

*電子申請が義務づけれている事業所とは、
・資本金、出資金または銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
・相互会社(保険業法)
・投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)
・特定目的会社(資産の流動化に関する法律)

この申告書と一緒に、保険料の使用用途についての一覧表が入っていたのですが、育児休業給付の実績が多額なことに少し驚き、調べてみました。
いまは、退職後に給付されるいわゆる失業給付よりも育児休業給付のほうが多いのですが、約10年前は、育児休業給付は失業給付の半分以下だったようです。

令和5年
・一般求職者給付 6997億円
・育児休業給付 7494億円
(ネット上は令和4年のデータしか見つけられず、参考までに令和4年のデータはこちら)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001247707.pdf

平成25年はこちら https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/seido/dl/leaf20120502.pdf
・一般求職者給付 8359億円
・育児休業給付 2811億円

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先週になってしまいますが、6月から事務所は17年目に入りました。
つまり独立して丸16年が経ったということです。
最初の約3年間は自宅事務所で一人で仕事をしていましたが、2012年に初めて事務所を借りて、デスクを3つ、そして小さな打ち合わせブースを作りました。
当時の事務所家賃は今の家賃の1/5くらいの金額でしたが、売上が少なかったので毎月の家賃を払えるのか不安でならなかったことを覚えています。
その後、2016年、2021年と2回の引越をして今の事務所も今年が2回目の更新です。
事務所メンバーは私を含めて10名となり少しだけ組織らしい雰囲気になってきましたが、スタッフたちと一緒に仕事ができる環境に感謝して、これからも少しずつでも成長する組織にしていきたいと思っています。

写真は全く関係のないジャイアントコーン!
超久しぶりに食べましたが、美味しかったです~ 今後ハマらないように気をつけます!

    

賞与の給与化

2025.06.02.

大手企業の給与改定の動きの一つに「賞与の給与化」があると言われています。

最近、新卒給与を引き上げる企業が増えていますが、ソニーグループでは4.8万円、バンダイでは6.6万円など大幅な引上げをしています。
当然新卒だけを引き上げるわけにはいきませんので、入社2年目、3年目なども引きあげることになりますが、この引上げに伴い賞与を年2回から1回にして月額給与の原資にするという方法がとられています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC021CE0S5A500C2000000/?msockid=15bba137d65c6dd623c6b527d7266ca6

日本の賞与は夏と冬の2回支給される会社が多く、またその金額も基本給をベースに算定されることが多いですので、実質生活給としてあてにしている人も多いかもしれません。
顧問先企業からのご相談でも、賞与を1回に変更する話を社員にしたら「賞与があることが前提だったので困る」という意見が出て困ったという話もありました。

いずれにしても企業が急に賃金原資を増やすことは難しいわけですので、賞与ではなく給与で払う、というのは一つの選択肢だとは思います。
ただし、ある程度賞与の支給額が決まっている企業に限りますし、業績に応じた賞与を支給している企業には向かない方法ではあります。
労働者視点では、賞与という不確定な支給ではなく毎月の給与が上乗せされるわけですので、メリットは大きいように思います。

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ゴルフ場にいる鳥の姿や声が気になります。
ノンビリしている鳥の姿をみると、写真を撮ってしまいます。

    

人手不足倒産が増加

2025.05.26.

東京商工リサーチによると、人手不足倒産が2013年から2022年までの10年間の平均が5.8社であったのところ、2023年以降は、12社、25社、36社と増加していることがわかります。
賃上げをしなければならず、最低賃金の引上げられていますので、この流れはまだ継続するかもしれません。

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201361_1527.html

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先日、関西から友人たちがやってきて「東京観光を!」と言われたので、人生初「はとバス」に乗りました。
国会議事堂の内部も見学できるツアーだったのですが、初めてでしたのでとても楽しかったです。
やはり一度実際に行ったことがあるというだけで、テレビで見る国会議事堂も、よりリアルに感じます。
最近はいままで以上に「経験」に価値を感じるようになりました。

    

スポットバイト

2025.05.19.

働き方の多様化が進み、最近はスポットバイト、スポットワーク、と言われる働き方もあります。
働き手と求人事業主のマッチングアプリを提供している雇用仲介業者がデジタルプラットフォームを準備して、職業紹介、人材紹介事業を行い、それを活用して働くことをスポットワーク、スポットバイトなどと言われています。アプリ内でお互いの評価をみて雇用関係を持つという仕組みで、事前面接などはありません。大手プラットフォーマーではタイミー株式会社が有名ですが、利用者は若者層だけではなくシニア層にも広がりつつあるようです。

https://corp.timee.co.jp/

働き手にとっては面接も履歴書も不要という利便性の高さもあり利用者が増えているようですが、求人事業主側にとっても人手不足の解消につながるほか、事前に評価をみることもできることもあり、マッチした人は長期雇用や正社員へつながっていくという制度設計も可能と考えられます。もちろんデメリットもいろいろ考えれますので、利用するには慎重な判断が必要です。

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事務所の胡蝶蘭がどんどん咲いて現在ほぼ満開です。
とってもキレイです!

    

退職予定者に対して賞与を減額できるのか

2025.05.12.

賞与は月額給与とは異なり、支給額も支給要件も会社が決めているので、労働者に請求権があるという法的根拠がなく、請求が認められた裁判例もほとんどないそうです。
会社が決められるとはいえ、賞与支給日に在籍していること等の要件を定めているケースはありますが、退職予定者に対して減額すると明確に規定していることは少ないです。
しかし、過去の功績だけではなく将来への期待もあり支給額を決めたいと考える会社も多いため、減額できるのか?というご質問を受けることがあります。

ベネッセコーポレーション事件(東京地判平8.6.28労判696号17頁)は、退職予定者と非退職予定者とで異なる基準で賞与額が決定することを定めていたケースで、裁判所は退職予定の有無によって差をつけること自体には一定の合理性があると判断しています。しかし、その差が82%減額というのは裁量の範囲を超えるとして、20%程度にとどめるべきという結論を出しています。

つまり、賞与の支給は会社に裁量に委ねられるものの、その裁量が無制限ではないということ、退職予定者に賞与を支給しないなどの極端なことはできませんし、もし減額するとしてもそれほど大きな減額はできないですが、何かしら規定すること自体は不可能ではない、と考えることができると思います。

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先日、ゴルフ場の近くで出会ったかわいい鹿の写真です。車から写真を撮っていたら、このあと横の穴らしきところから何頭も鹿が出てきてびっくりしました。いや、鹿のほうが驚いていたんですよね。こちらがおじゃましました~

    
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