濱田京子コラム

2011年11月

中国の社会保険

2011.11.28.

  

土曜日の新聞に、中国の社会保険料の記事がありました。
北京で働く外国人は、年末までに加入登録が義務付けられ
10月15日にさかのぼって保険料徴収するとのことです。
記事によると、1人あたりの負担額は年80万円、
対象となる北京在住の日本人は約1万人とのことですから
日本人だけ考えても、かなりの保険料徴収が見込まれることになります。

現在、中国と日本では、社会保障協定がないので
中国で駐在員として働く場合は、日本と中国の両方で社会保険料を
支払う必要があります。

社会保障協定とは、公的年金の二重加入を避けるために
5年を超えない見込みで海外派遣される場合は、相手国の法令の
適用を免除して、日本の法令のみを適用するという協定のことです。
この協定は、すべての国と締結しているわけではないので
今回の中国についても、当面は二重加入とならざるを得ません。
政府は、協定締結交渉を始めたとのことですが、発効までに2年程度は
かかるのではないかと言われていますので、それまでの期間は
二重払いとなってしまいます。

ちなみに、現在日本が社会保障協定を締結している国は
平成12年から発効されたドイツをはじめとして
イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランスなど
12か国となっています。
そのほか、発効はされていないけれど署名済みが3か国
交渉中や予備協議中が8か国にのぼります。

 

12月はなかなか予定が合わないから、という理由から、
毎年11月に企画される忘年会があります。
それは、大学時代のゼミ同期の忘年会です。
卒業して相当?!時間が経っていますが、いまでも毎年先生もお呼びして
集まる忘年会は、とても楽しい時間です。
通常は集まって飲んで食べて・・・という普通の忘年会なのですが
今年は特別企画があり、今は東工大の教授をされている先生の
研究室に集まり、特別ミニセミナーを先生にしていただくという
オマケ付きでした。

最近の大学の教室は、私が学生時代のころとは全く様子が異なり
プロジェクターが標準装備されていますので、教授陣にもITリテラシーが
求められる時代なのだと痛感しました。
私は、認知心理学のゼミでしたが、先生は今「ディジタル人文工学」という
分野の研究をされているということで、いろいろ教えていただきました。
それにしても、最近の大学の学部や専門コースの名称は、聞きなれないものが多く
文字だけでは内容がさっぱり理解できません・・・。
2時間に満たない時間だったのですが、大学構内の空気に触れて
大変新鮮でした。母校ではない大学であっても、なんとなく懐かしい気持ちになってしまいました。
そしていずれ、今の仕事に通じる分野を系統立てて学ぶ時間を確保したいと感じました。

 

  

人材育成を考える

2011.11.21.

  

 
今年、数社の人事評価制度改定のお仕事をさせていただいています。
企業の規模や業種によっても異なりますが、それぞれの企業文化によっても
大きな違いあると実感するお仕事の一つです。

評価制度と人材育成は切っても切り離せないこともあり、
かならず人材育成についても、一緒に考え直すステップを設けています。

日本の法人数は、約150万社あり、
うち、1万2000社がいわゆる大企業ですので
9割以上が中小企業ということになります。

総務省の科学技術研究調査で、日本企業の従業員規模別の研究支出割合を
調査している結果があります。
1985年から2009年の推移の調査結果を見ると、
大企業ほど、支出割合が50%前後とずっと高く、
小企業(1~299人)の割合は5%前後とずっと少なくなっています。
この事業環境の変化スピートが早くなってきたここ15年くらいも
変わっていないのです。

しかし、米国と比較をすると興味深い結果に気づくことができます。
米国では、1985年当時は大企業は60%以上あったにも関わらず、
2004年ごろからは、ずっと40%を切っています。
そして逆に小規模企業は、10%弱しかなかったものが
この15年で20%を超えるレベルまで上昇しているのです。
つまり、日本よりも米国の方が小さい規模の企業が
研究開発に対して多くの割合で投資をしているということです。
これは、研究開発という切り口ですが、ある意味人材育成と同じと考えられると思います。
 

事業環境の変化スピードが急速に高まる今、
投資すべきポイントは人材の育成だと考えます。
じつはそれが最も費用対効果が高いのではないかと考えるからです。

 

 

  

社会保険労務士試験合格発表と離職票の電子申請

2011.11.14.

  

 

 

先週の金曜日は、8月に試験があった社会保険労務士の国家試験の合格発表日でした。
今年の合格者は3,855人、合格率は7.2%でした。

単純に合格率を比較することにどの程度意味があるかは不明ですが
2007年に10.6%となった後は、2008年は7.5%、2009年は7.6%、2010年8.6%と
一桁が続いていて、今年はさらに低い合格率でした。

私は2008年合格者ですが、合格発表の日のことは今でもよく覚えています。
大学も推薦受験だった私にとっては、あれだけ集中して勉強したのは
人生初だったので、結果が出て本当に嬉しかったのだと思います。
あれから3年が経過して、実務の現場では試験勉強で学んだこと以上に
幅広い知識とマインドが求められていると実感しています。
試験勉強は苦手でしたが、実践は新たな発見も多くてやりがいがいっぱいです。

 
 

 

当事務所でも既に導入している電子申請ですが
いよいよ11月28日から離職票も電子申請が交付されることとなりました。

被保険者(退職者)の電子署名となる確認書を提出していただく必要はありますが
それ以外は、他の電子申請処理と同様の手順となるようです。

実は、東京都では、雇用保険の電子申請は各ハローワークに
担当者がそれぞれ配置されているようで、処理期間もまちまちという現状があります。
比較的処理スピードは早くなったと感じますが、
離職票が処理されるようになった時の処理スピードがどの程度になるか
少し不安も感じます。
退職日翌日に届出を確実に終わらせることを考えると
まだまだ届出で処理することがあると考えています。

 

【お知らせ】
11月22日(火)午後10時~28日(月)午前0時まで
厚労省の電子申請が停止されます。
それに伴い、当事務所では
22日(火)午前中までに受付した処理までは停止前に手続きいたします。
22日(火)午後以降~27日(日)の期間に受付した処理については、
28日(月)以降の処理となりますので、ご了承ください。

  

社会保険労務士会渋谷支部 と雇用促進税制

2011.11.07.

  

土曜日の新聞に、オリエンタルランドが2012年3月期が過去最高益になる見通し
という記事がありました。
連結純利益が28%増とのこと。
ディズニーランドは、震災で一時休業もしていたにも関わらず
過去最高益になるとは、本当にさすがステキです。

震災や天候、景気などの理由を探すのではなく
向き合うべきものは、自らの会社や自分自身だということだと感じます。

震災後は、お仕事どうですか?と時々私自身も聞かれますが
実は、震災後の4月半ば頃から夏にかけて新規のご依頼を多くいただきました。
当事務所にとっては、震災のマイナスの影響は全くなく
むしろプラスの影響が大きかったように感じます。
「できない理由」を探すことなく、いつも前向きに取り組みたいと思います。
 

先週の金曜日に渋谷支部の研修会で、少しだけですが
お話をさせていただく機会がありました。

研修会という名目ですが、内容は
毎年この時期に行われる新規入会者オリエンテーションです。
これは、今年登録した社会保険労務士の方(開業・勤務ともに)向けに
支部の活動内容などを説明するものです。

2009年6月に開業した当初の私は、ほとんど同業者の知人がおらず、そのまま
半年が経とうとしていたこの時期に開催されたこの新規入会オリエンテーションに
勇気をふりしぼり参加したことをよく覚えています。ちょうど2年前のことです。
そして、この会に参加したときに、現在の支部長である小磯先生に親切にしていただき
その後も、色々と心にかけていただいたことで今があると思っています。

今年は大変僭越ながら、開業社労士に聞くというお題の時に
開業歴が短いメンバーとしてお話させていただきました。
私を含めて4名の開業社労士が話をしたのですが、他の方たちは
開業歴が10年超や5年以上という大先輩ばかりでしたので、大変緊張しました。

渋谷支部は、役員も比較的若いメンバーが多いこともあり
また、研修会だけではなく業務情報交換会などのユニークな企画があるなど
自由でオープンな支部ではないかと思います。
活躍されている先輩たちのお話を伺える機会も、貴重な時間です。

 
最後に少しだけ業務的なお話です。

税制改正で創設された雇用促進税制ですが、
特例措置が10月末までの提出となっていました。
顧問先でも、いくつか提出したところがありましたが
厚生労働省が、8月、9月の受付状況の速報値を発表しています。
全国では2441件、東京都は475件とのこと。
10月は増えると思いますが、案外少ないという印象です。

速報値の一覧はこちら。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_03_leaf.pdf

 

 

 

 

 

  
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