濱田京子コラム

2011年09月

定年引上げの議論

2011.09.26.

  

 
現在、法律では定年は60歳となっていますが
それ以上に、定年を引き上げや定年制の撤廃のほか
65歳までの継続雇用などの措置が義務付けられています。
(平成25年3月末までは64歳)

そのような環境の中、年金の支給開始年齢が引き上げられることなどから
法定定年を65歳まで引き上げることが検討されています。
そして、厚生労働省の労働政策審議会雇用対策基本問題部会では、
高年齢者雇用安定法の改正について審議がされています。

厚生労働省が今年6月に公表した高年齢者雇用に関する研究会の
報告に従って、審議がされたようですが、結局は
定年を65歳に引き上げるのは、時期尚早となったようです。

現在、60歳定年としている企業は81%で
65歳定年としている企業は12%という状況で
多くの企業で継続雇用制度を導入し65歳までの雇用維持の措置を
とっているということです。

厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が65歳となる
2025年に向けてこの議論はされているわけですが
現時点では、65歳までの雇用を必須要件とするには
まだ時期が早いという判断のようです。

確かに高年齢者が増えていくとは言え、若年者の雇用への影響も
充分に考えられることから、経済の活性化を考えるうえでも
義務化は難しいというところでしょうか。

定年を迎える人が増えてくることを想定して、
60歳以上の社員をどのように活用していくかということについては
よくご相談事項としてもあがることのひとつです。
定年を引き上げるというのではなく、働き方の選択肢を増やすことが
柔軟に対応できる方法となるのではないかと考えます。

  

育児・介護休業法 看護休暇と介護休暇

2011.09.20.

  

日本実業出版社の企業実務という雑誌の10月号に
寄稿をする予定があり、この連休は原稿を書いていました。

テーマは、育児・介護休業法関連です。
(詳しくは、またご案内します)

 

この原稿を書くにあたり
昨年の法改正を含めて、経営者や人事担当者の方が
知りたいことは何か、といろいろ考えていました。

しかし、育児休業、介護休業については
実際に対象者が発生しないと、なかなか現実味がなく
企業側も事前準備をしていないものだと思っています。

とは言え、顧問先では最近、
育児休業を取得される方が増えていますので、
結婚・出産ブームなのかな、とも感じます。

 
子の看護休暇、介護休暇というものがあります。
対象者が1人であれば、年に5日まで
2人以上であれば、年に10日まで取得することが出来る
というものですが、この休暇は年次有給休暇とは異なり
会社側が拒否したり、時季変更はできないというものです。
突発的に起きることへの対応も可能にすることですので
当日の朝に、本人から申出あっても
それを拒否はできないという考え方のものです。
細かいことですが、案外知られていないことかもしれません。
ちなみに、看護休暇も介護休暇も給与は無給で
問題ありません。

 

====================
企業実務には今年の春にも寄稿したのですが
そのきっかけは、事務所のHPに突然、
原稿を書いてほしいという依頼のメールをいただいたというものでした。

後日、編集者の方に話をうかがったところ
私のコラムがネット検索をしていたら出てきて、
それらを読んでいて依頼しようと思って連絡しました、
ということでした。

情報発信することの大切さを感じた出来事のひとつです。

 

 

  

産後の管理職の労働時間の取扱い

2011.09.12.

  

週刊の業界新聞で、労働新聞というものがあります。
その最後のページに、Q&A形式の実務相談室という欄があります。

そこに、「産後の管理職に残業を要請できるのか?」
という質問がありました。
産後の管理職の部下たちが、残業指示だけして
帰っていく上司に対して不満が出ているという内容です。

妊産婦が請求した場合は、時間外労働、休日労働、深夜労働に
つかせることができないわけですが、
労働基準法第41条に該当する「管理監督者」であれば、
労働時間に関する適用自体がないわけですから、
深夜労働だけが対象となることになります。

要するに、
特に体調が悪いという状態でない場合の管理監督者については
深夜労働だけが会社側からの要請を拒否できる
ということになると考えられます。
 

このように、まずは法的にはどうなるのか?という説明を書きましたが、
日常のご相談の中で、実際にこのような相談を受けた場合には、
このような法的な取り扱いのみを説明することはありません。

最終的には、もちろん法的な内容を説明することになりますが
そもそも、なぜ不満の声が出ているのか?ということの方が
問題だと考えます。
 

私自身、子育てをしている女性の上司のもとで仕事をしていたことがありました。
その上司は、よく指示だけして早く帰って行っていました。
しかし、その点について不満はありませんでした。

なぜ不満がなかったかというと、
上司との人間関係が良好だったからだと思います。
上司自身も、自分の実労働時間の制限についてよくわかっていましたので
指示をして帰ってしまっても、後からフォローのメールや電話が来たり
私たち部下に、ただ「指示」だけをしていたわけでは
なかったので、不満を感じなかったのだと思います。

社内のちょっとしたトラブルは、人間関係が良好であれば
大きなトラブルには発展しないものです。
一緒に働く人たちに心遣いができなければ、お客様にも心遣いが出来ないとも
考えられるので、よい社内文化を構築できることもトラブル防止の
大きなポイントでもあると考えます。

 

 

  

最低賃金引上げとユニクロの始業時刻

2011.09.05.

  

以前にもコラムに書きましたが、最低賃金が引き上げられます。

東京  821円 → 837円
埼玉  750円 → 759円
千葉  744円 → 748円
神奈川 818円 → 836円

今年の10月1日からの変更となります。
こう見ると、やはり東京、神奈川のアップ額が
かなり大きい、と感じます。
企業経営への影響は、少なくないと感じます。

 
先週の火曜日の日経新聞に
ユニクロが9月から就業時刻を朝の7時からに引き上げ、
終業時刻を16時にするというニュースがありました。

よくよく確認すると、対象は山口市と東京の本部社員が
対象で、さらに部門によっては対象外があったり
住まいが遠い人も対象外となるとのことでした。

なぜ始業時刻を7時にするか、というと
夕方からは英語の勉強をしてほしい、という社長の想いが
あるようです。

 

私自身は、比較的朝型ですので
この制度は、いいなぁと思いますが、冬は少しツラいかもしれません。

私は朝早くから仕事を始めると、9時頃にはひと仕事終わって
少しお茶休憩をしたりします。
そこからまだ午前中が残っていて、
まるで午前中が2回あるような区分けが出来るという
この時間の使い方がお気に入りです。

  

9月は「障害者雇用支援月間」です

2011.09.01.

  

今日から9月です。
9月は、「障害者雇用支援月間」です。

 

障害者雇用関連では、今年から税制優遇制度の拡充があります。

パンフレット
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_06_handileaf.pdf
 

東京都でも、シンポジウムなどの企画があります。

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/08/20j8k700.htm

 

昨日の報道で、
オリンパス社員の配置転換が人事権濫用とされた
東京高裁の判決がありました。

報道された内容によると、
内部通報後の配置転換が人事権濫用だという内容のものでした。
現時点では詳細はわかりませんので、なんとも言えませんが
内部通報をした人を保護する法律というものがあります。

公益通報者保護法というもので、
生じているまたは生じようとしている事実発生・拡大を防止するために
労働者が労務提供先や行政機関へ通報した場合に、
通報したことを理由とした解雇や不利益な取り扱いは
禁止されるというものです。
(公益通報者保護法第3~6条)

 

  
エキップオリジナルサービス
給与計算改善コンサルティング
RECRUIT
給与計算の最強チェックリスト
濱田京子著 出版書籍
濱田京子コラム
社労士コラム

お電話でのお問い合わせ

03-5422-6550

受付時間: 平日 9:00 〜 17:00

メールでのお問い合わせ