「エキップ社会保険労務士法人」の人事に役立つ社労士コラム  

令和元年度地域別最低賃金

2019-09-13

都道府県ごとに定められている「地域別最低賃金」は
毎年10月頃改定されることとなっておりますが、
2019年(令和元年)の最低賃金の改定額が決定しました。

地域別最低賃金の全国一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
各都道府県によって発効日が異なっていますので、金額及び発効日を確認し、
発効日以降の労働日については、改定後の最低賃金を適用した賃金を支払わなければなりません。

たとえば発効日が令和元年10月1日の場合で、
賃金計算締切日が毎月20日締めの月末日払いだった場合、
原則は締日には関係なく、10月1日以降の労働分から新最低賃金を適用しなければなりません。

つまり同じ計算期間で9月21日から9月30日までが旧最低賃金、
10月1日から10月20日が新最低賃金での適用となるので、
計算期間途中での変更となり、計算が煩雑となってしまいます。

こうした不都合を避けるために、改定された最低賃金発効日の
直前の賃金計算締切日(8月21日~9月20日)までは旧最低賃金を適用し、
次の賃金計算締切日(9月21日~10月20日)からは改定された新最低賃金を適用とする
対応が考えられます。

時給者の賃金が最低賃金を下回っていないかを確認するとともに、
月給者についても1時間あたりの賃金額を算出して確認しておきましょう。

政府は2016年以降毎年3%程度ずつ(2019年は3.1%)最低賃金を引き上げ、
全国平均1,000円を目指すと表明しています。

【参考:厚生労働省 最低賃金制度の概要】
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-09.htm
(菊沢)

電子申請の義務化

2019-08-30

2020年4月から、大企業について特定の電子申請が義務化されます。

大企業の定義は資本金1億円超で、
他の法令と異なり業種や従業員数は関係ありません。

特定の電子申請、は次のとおりです。
(1)健康保険・厚生年金保険
・算定基礎届
・月額変更届
・賞与支払届

(2)労働保険
・年度更新に関する申告書

(3)雇用保険
・資格取得届
・資格喪失届
・高年齢継続給付申請
・育児休業給付申請

このうち、ほとんどが国の機関に提出する手続きで義務化前の現在でも電子申請は多く利用されていますが、
組合管掌の健康保険についてはそうではありません。
健康保険組合は電子申請に対応していることは少なく、どのように提出することになるのか、
現時点(2019年8月)でも具体的な情報はなく確認を続けなくてはいけない状況です。
(藤代)

産前産後休業期間中の保険料免除

2019-08-15

厚生年金保険、健康保険には、産前産後休業期間中の保険料免除制度があります。
産前産後休業期間とは、産前42日(多胎は98日)、産後56日のうち、
妊娠出産を理由として労務に従事しなかった期間をいいます。
また、出産日は産前休業期間に含みます。
休業期間中に、事業主が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所へ提出することで、
休業開始月~休業終了日の翌日が属する月の前月 までの保険料が、事業主分、被保険者分ともに免除されます。
(例:1月23日~4月30日まで休業した場合、
1月~4月(休業終了日の翌日5月1日が属する月の前月)分の保険料が免除)
免除された期間も被保険者資格に変更はなく、
厚生年金保険においては、保険料を納めた期間として
将来の年金額に反映されることとなります。

「産前産後休業取得者申出書」は出産前でも出産後でも提出できますが、
出産前に提出する場合、
出産予定日を基準とした休業期間を申請します。
ここでいう出産予定日とは自然分娩の場合の予定日のことで
帝王切開など計画分娩を行う予定の日ではないので、注意が必要です。
また、予定日当日に出産した場合を除き、産後「産前産後休業取得者変更届」を提出し、
実際の出産日を基準とした休業期間を届け出る必要があります。

出産後に提出する場合、
予定日と実際の出産日を両方記載するので届出が1回で済みますが
産後休業期間中に確実に提出できるよう準備が必要です。

また、申し出た休業期間より前に休業を終了した場合は、
「産前産後休業取得者終了届」を提出する必要があります。

引き続き育児休業を取得する場合は、同様に休業期間中の保険料免除制度があります。
こちらも別途、申請が必要です。

従業員から妊娠の連絡を受けた際は、
あらかじめ必要な手続きとタイミングを整理しておくのがよいでしょう。

参考:日本年金機構 産前産後休業を取得したときの手続き

(高村)

労働保険関係成立届のワンストップ届出

2019-07-29

厚生労働省から、令和元年(2019年)6月27日に開催された「第77回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」の資料が公表されました。

健康保険法施行規則等の一部を改正する省令案として
「労働保険関係成立届」について、対象事業の事業主が、
健康保険法及び厚生年金保険法上の「新規適用届」又は雇用保険法上の「適用事業所設置届」を
まとめて1ヵ所で手続できるようにするものです。

現在、これらの届出は、労働基準監督署、年金事務所、ハローワークの3ヵ所に
書類を提出することになっていますが、いずれか1ヵ所で3つの届出が行えるようになります
(一元適用の継続事業(個別)に限る)。
概算保険料申告書についても、同様に、労働基準監督署、年金事務所またはハローワークにて
届出ができるものとします。

統一様式のイメージも紹介されています。
改正省令は7月下旬以降に公布され、令和2年1月1日より施行される予定です。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<第77回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05327.html

届出契機が同一のものを統一様式を設け、ワンストップでの届出が可能とする内容です。
「資格取得届」、「資格喪失届」も順次、諮問などが行われるものと思われます。

今後は、オンライン申請もワンストップ化を推進していくようです。
オンライン申請等の窓口は、現状としては、社会保険関係がe-Gov、国税関係がe-Tax、地方税関係がeLTAXと
それぞれが独立して存在し、同じ情報を複数回にわたって提出する必要があり、
手続きの簡便化を望むところです。
(菊沢)

労災保険と健康保険

2019-07-12

労災保険の申請書類の作成は私たちの仕事のひとつですが、
申請のきっかけはいくつかあります。

多くは仕事でけがをしたので、だから労災申請、となる場合。
仕事のけが=労災、との認識があることが前提ですが。

同じくらい多いと感じるのが、病院で治療を受けようとしたところ
労災申請を促されたという場合。
症状の説明などから病院で労災と判断されたことが予想されます。

そして健康保険組合に労災申請を促された、というケースもあります。
健康保険組合が健康保険証の利用実績を確認する段になってのことですので、
治療を受けてから数か月後です。
なぜ、と意外にも思いますが、健康保険法ではその目的(第1条)に
「業務災害以外の疾病、負傷…に関して保険給付を行い」(抜粋)とあります。
健康保険証の利用実績情報から業務災害が原因と考えられる何かがあったのでしょう。
業務災害(=労災)であれば健康保険の守備範囲外です。

労災申請となると会社の対応も必要になります。
健康保険と労災保険の関係を理解していると対処しやすいでしょう。
(藤代)

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