「エキップ社会保険労務士法人」の人事に役立つ社労士コラム  

労災保険と健康保険

2019-07-12

労災保険の申請書類の作成は私たちの仕事のひとつですが、
申請のきっかけはいくつかあります。

多くは仕事でけがをしたので、だから労災申請、となる場合。
仕事のけが=労災、との認識があることが前提ですが。

同じくらい多いと感じるのが、病院で治療を受けようとしたところ
労災申請を促されたという場合。
症状の説明などから病院で労災と判断されたことが予想されます。

そして健康保険組合に労災申請を促された、というケースもあります。
健康保険組合が健康保険証の利用実績を確認する段になってのことですので、
治療を受けてから数か月後です。
なぜ、と意外にも思いますが、健康保険法ではその目的(第1条)に
「業務災害以外の疾病、負傷…に関して保険給付を行い」(抜粋)とあります。
健康保険証の利用実績情報から業務災害が原因と考えられる何かがあったのでしょう。
業務災害(=労災)であれば健康保険の守備範囲外です。

労災申請となると会社の対応も必要になります。
健康保険と労災保険の関係を理解していると対処しやすいでしょう。
(藤代)

算定基礎届について

2019-06-27

被保険者の標準報酬月額と、実際に受ける報酬額が大きくかけ離れないよう、
年に1回、標準報酬を届け出て各被保険者の標準報酬月額を決定します。
これを、標準報酬月額の定時決定といい、その届出書を「算定基礎届」と呼びます。

届出対象となるのは7月1日に在籍している被保険者全員ですが

以下に該当する場合は、対象から外れます。

①6月1日以降に資格を取得した被保険者

②7,8,9月に月額変更届(産休・育児休業終了時月変を含む)を提出する被保険者

報酬月額の計算対象になるのは、
その年の4,5,6月に実際に支払われた報酬です。
報酬を計算する基礎となった日数(支払基礎日数)が
17日未満の月がある場合は、その月を除外します。

また、4月または5月の途中入社で、
報酬が1か月分支給されない場合は
入社月の翌月以降が対象となります。

届出は、原則7月1日~7月10日までに提出し、
決定された標準報酬月額は、その年の9月~翌8月まで適用されることとなります。

参考:【2019年度版 算定基礎届・月額変更届の手引き】

その他、細かいルール等は以下をご参照ください
【日本年金機構 算定基礎届の提出】

(高村)

未来投資会議 70歳までの就業機会確保努力義務化の方向性

2019-06-18

先日、政府の未来投資会議において「成長戦略実行計画案」で 70歳までの継続雇用についての概要が公表されました。

65歳から70歳までの希望する人に働く場を提供するため、
定年廃止や定年延長、他企業への再就職、起業支援など七つの選択肢を示しています。
どれを採り入れるかは各社の労使などで話し合い、
いずれかの方法で70歳まで雇用することを罰則のない「努力義務」とする方向性です。

また、70歳までの就業機会の確保に伴い、年金支給開始年齢の引上げは行わないと示されています。
他方、年金受給開始の時期を自分で選択できる範囲(現在は70歳まで選択可)は拡大するとしています。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<未来投資会議(第28回)/資料>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai28/index.html
※「成長戦略実行計画案」については、「資料1」参照。

継続雇用や定年の延長、年金受給開始時期の範囲の拡大で選択肢が広がり
「人手不足の解消につながる」「優秀な社員に長く勤務してもらえる」など期待されることもありますが、
その一方で人件費が高騰することも考えられます。

成長戦略実行計画は、今月(2019年6月)下旬にも閣議決定される予定です。
これに沿って、70歳までの就業機会確保についての検討も、法整備に向けて本格化することになりそうです。
動向に注目です。

【未来投資会議】 
国や地方の成長戦略を議論する会議。
首相を議長として、議員は関係閣僚や企業の代表者らが務める。
年に10回ほど開催する会議を踏まえ、毎年6月に成長戦略を取りまとめている。
(菊沢)

育児休業等終了時改定について

2019-05-31

春は育児休業からの復帰者が比較的多い時季でしたが
復帰から4ヶ月目には「育児休業等終了時改定」があります。

いわゆる月変で、標準報酬月額が改定となることは通常の月変と同じですが、
その基準には違いがあり、通常の月変よりも緩やか(月変に該当しやすい)です。

・1等級差でも改定となること
・固定賃金に変動が無くても改定となること
・支払基礎日数が17日以上の月が3か月のうちひと月あれば改定となること
などが主な違いです。

復帰後は時短や残業が少なくなることを理由に給与が低額になることが多く、
低額の給与に相応の社会保険料負担とするための仕組みと思います。

ですが、復帰後間もない期間は勤務が不安定(子の体調不良により欠勤する等)
なことも珍しくなく、支払基礎日数17日基準を満たせないこともあります。
この場合には、給与は低額になるけれど社会保険料負担は変わらないことになります。

育休関連の手続きは、個々の状況によりいろいろなケースが見られますので、
思い込みにとらわれず、時には本人へ説明をしながら、丁寧に進めていく必要が
あると感じます。
(藤代)

労働保険 派遣労働者と出向労働者について

2019-05-15

労働保険の年度更新の時期が近くなってきました。
出向労働者と派遣労働者の
労働保険の適用について説明します。

①派遣労働者について
原則、派遣元の労働者として適用になりますので
労働保険料の支払いも派遣元で行います。
労災保険は、雇用形態を問わずすべての労働者が対象です。
雇用保険では次の要件を満たしていれば被保険者となります。
1.1週間の所定労働時間は20時間以上であること
2.31日以上の雇用見込みがあること

②出向労働者について
労災保険は
出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事する場合
出向先の労働者として適用されます。
労働保険料の計算をする際は、
出向元で支払われる賃金も
出向先で支払われる賃金に含めます。

雇用保険は
賃金を支払っている事業所で適用されます。
出向元・出向先、どちらの事業所からも賃金支払いがある場合は、
賃金額が多い(生計を維持するのに必要な主たる賃金を受けている)事業所
の被保険者として、保険料を支払うこととなります。

参考:
平成30年度 労働保険年度更新
「申告書の書き方」

労働保険料を計算する際はよくご確認ください
(高村)

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