社労士コラム

職場の安全衛生管理体制

2021.10.15.

先月より、脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されています。
詳細は〈こちら〉

この機に安全衛生管理体制を再確認してみたいと思います。

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を確保する・快適な職場環境の形成を促進する・労災を防ぐ などを目的としており、業種や労働者の人数ごとに安全衛生管理体制を整える事も定めています。

届出が必要な事項があるのは労働者50人以上の事業所ですが、実は労働者1人以上から枠組みは決まっています。

□労働者の人数規模に対する安全衛生の管理者
1人から9人 :事業者
10人から49人:(安全)衛生推進者(事業者が専任)
50人以上から :産業医、衛生管理者、業種により安全衛生管理者、など(事業者が選任)

詳細は、〈こちら〉〈こちら〉をご確認下さい。

労働者が50人以上の場合、開催すべき委員会[(安全)衛生委員会]も定められています。
委員会では、参加者や審議する事項がある程度決められており、ルール通り開催すると経営者も労災リスクや問題点を確認することができ、改善案を検討できるなど、取り組み方次第かもしれませんが、案外(?)効果を感じられるものと思います。

重篤な労災などが生じると労使双方辛く大変なものです。
今一度会社の安全衛生管理体制を見直し、必要であれば法律で定めらていない規模でも委員会を定期開催するなど、積極的にご検討いただくと安心です。

(前田)

(2022年1月1日新設)雇用保険マルチジョブホルダー制度

2021.10.08.

2022年1月1日より、雇用保険マルチジョブホルダー制度が新設されます。

これは、従来の制度では加入要件を満たさなかった労働者が、以下の要件を満たす場合に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)になれる制度です。

1.複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
2.2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して、1週間の所定労働時間が20時間以上であること
3.2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること

離職時は、一定の要件を満たすと高年齢求職者給付金を受給できます。

被保険者になる場合は、希望するご本人がハローワークへ申出します。
通常の被保険者と異なり事業主に手続き義務はありません。
ただし、事業主の証明(雇用の事実や所定労働時間等)が必要なため、ご本人から証明を求められた場合には対応が必要です。

被保険者になると、資格を取得した日から雇用保険料の納付義務が発生します。
取得日は、ハローワークからご本人及び事業主へ発行される通知で確認可能です。
給与から雇用保険料の控除を忘れないようにしましょう。
また、年度更新の計算にも含みます。年に1度のことなので抜けのないよう注意しましょう。

事業主向けリーフレット

(山田)

育児休業期間中の社会保険料免除について

2021.10.01.

育児休業期間中の健康保険料・厚生年金保険料は、
事業主経由で年金機構や健康保険組合に申し出ることにより、
被保険者・事業主分ともに免除されます。

ここでいう育児休業期間とは、
厳密にいうと「育児休業及び育児休業に関する制度に準ずる措置としての休業」
期間であり、対象となるのは、3歳未満の子を養育する場合の休業です。

具体的には次の期間です(「達する日」とは、前日のことをいいます)。
①1歳未満の子を養育するための育児休業
②保育所に入れなかった場合等特別な事情がある場合の1歳から1歳6か月に達する日までの育児休業
③保育所に入れなかった場合等特別な事情がある場合の1歳6か月から2歳に達する日までの育児休業
④1歳から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業制度に準ずる措置による休業
(②の場合は1歳6か月から、③の場合は2歳からとなります)

④により、1歳になった以降で保育園に入れない等の特別な事情がない場合
または2歳から3歳に達するまでの子を養育する場合でも、
社内規程等により育児休業を取得するときには保険料の免除ができますので、
手続き漏れには注意が必要です。

日本年金機構「従業員が育児休業を取得・延長したときの手続き」

ただし、雇用保険法で定める育児休業給付金を受給できる期間は、
あくまで①~③の育児休業期間に限られますので、
社員が3歳までの休業を予定している場合には、
2歳以降の期間は給付金の支給がないことを事前に説明しておくとよいでしょう。

※なお、令和4年10月からの保険料免除期間は下記のとおり改正されます。

(現在)育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が
    属する月の前月までの期間免除される。
(変更後)上記のほか開始日と終了日が同一の月である場合でも、
    休業期間が14日以上ある場合には当該月の保険料が免除となる
    (短期の育児休業の取得に対応)。
    賞与保険料については、連続して1ヶ月を超える育児休業の場合のみ
    免除される。

厚生労働省HP社会保障審議会資料「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」の成立について

(金子)

脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されました

2021.09.27.

令和3年9月、脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されました。
前の改正から20年が経過しており、働き方の変化や最新の医学的知見を踏まえたうえで検討された内容となっています。

具体的な変更ポイントは以下4点です。

①労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
発症前1か月におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、
1か月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合について
業務と発症との関係が強いと評価できることを示していました。
改正後は、上記の時間に至らなかった場合も、これに近い時間外労働を行った場合には、
「労働時間以外の負荷要因」の状況も十分に考慮し、業務と発症との関係が強いと評価できることを明確にしました。

②過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
これまでは、拘束時間の長い業務、出張の多い業務、作業環境(温度変化や騒音)なとの要因がありましたが
改正後は、休日のない連続業務、作業間インターバルの短い業務、等が新たに追加されました。

③短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合、
業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合、等の例が示されました。

④対象疾病に「重篤な心不全」を追加
これまで心不全症状は、対象疾病の「心停止(心臓性突然死を含む)」に含めて取り扱っていましたが
心停止と心不全は別の病態であることから、新たな項目を設けました。

こうした動きを確認しつつ
業務環境を整えて、労災の発生を未然に防いでいけるとよいですね。

参考:厚生労働省 リーフレット
   厚生労働省 脳・心臓疾患の労災認定基準を改正しました

(高村)

2021年の年末調整

2021.09.24.

昨年の年末調整では税制改正による基礎控除、給与所得控除などの見直しにより
控除申告書の様式が大幅に変更されました。
2021年の年末調整の主な変更点は以下のとおりです。

1)税務関係書類における押印義務の見直し
給与所得者の扶養控除等申告書など従業員から提出される年末調整関係書類について押印が不要となりました。

2)年末調整申告書等を電磁的方法で提供する場合の税務署長の承認廃止
これまでは、年末調整申告書等を従業員から電磁的方法で提供(電子化)する場合、
事前に税務署へ申請書(※)を提出し承認を受ける必要がありましたが、
下記の申告書に関して、2021年4月1日以降に提出する分から事前承認が不要となりました。
 ※「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」

•給与所得者の扶養控除等申告書
•従たる給与についての扶養控除等申告書
•給与所得者の配偶者控除等申告書
•給与所得者の基礎控除申告書
•給与所得者の保険料控除申告書
•給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
•所得金額調整控除申告書
•退職所得の受給に関する申告書
•公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

【国税庁:年末調整がよくわかるページ(令和3年分)】
【国税庁:源泉所得税改正のあらまし(令和3年4月)】

これまでは申請書を提出した翌々月から運用可能となるため、
早めの準備が必要等タイミングが合わず電子化への機会を逃していた会社もあるかもしれませんが、
2021年は年末調整の電子化に取り組むいい機会ではないでしょうか。
(菊沢)

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