「年収の壁」問題で助成金が準備されていますが、10/20にパンフレットやQ&Aが出ています。
月末にはコールテンターが設置されるようですが、そもそもどのようなケースで活用を検討する余地があるのか、整理してみました。
以前からの課題としてあげられていますが、労働時間が延びることで社会保険に加入すると保険料負担が発生し、結果的に手取りが減るので働く時間を短くしたいというパート・アルバイトは多いです。
そこで、社会保険に加入しても手取りが減らないような措置として考えられたのが今回の助成金です。
したがって、「社会保険に絶対に加入したくない」と考えるパート・アルバイトに対しては何もできませんので、
その点を最初に理解しておきましょう。
絶対に加入したくないという考えの背景には、配偶者の会社の家族手当の支給要件の問題もあります。
では、対象者と助成の対象の範囲を整理しましょう。
【対象者】
・10月以降新たに短時間労働者として社保の加入要件を満たす人がいる
もしくは条件次第で労働時間を延長して加入することがOKな人がいること
・対象者は6か月以上継続雇用されていて、2年以内に同じ会社で社会保険に加入していないこと
【何をすれば助成金の対象になるのか】
・「社会保険適用促進手当」という名称で、社会保険料の本人負担分相当額を支給すること
(毎月支給、もしくは賞与でまとめて支給のいずれか)
・それにより、結果的に賃金が15%以上追加支給となること
・「社会保険適用促進手当」の支給はしなくても(もちろん併用も可)
所定労働時間を延長して社保加入とすること
(延長する時間に応じて賃金増額の制限もあります)
【助成額】
助成金は会社に支給され、労働者本人に支給されるものではありません。
会社が手当支給などの取り組みを6か月継続したらその後2か月以内に助成金申請ができる、という仕組みで
助成額は手当支給で1年目が6が月ごとに10万円✕2回、労働時間延長で6か月で30万円、両方とも実施すると1年目は6ヶ月毎に10万円✕2回 が助成されます。
【注意ポイント(現時点で考えられること)】
・2年間の限定措置なので、中長期的に所定定労働時間を延ばして働く意思がある人が対象となることが前提、もしくは処遇をよくする(時給アップとか)ことが前提
・毎月の給与で社会保険適用促進手当を支給すると割増単価がアップするため、手当額以上の賃金アップにもなる
・標準報酬月額が10.4万円までの人が対象のため、結果的に大幅に給与がアップする人は対象外となる可能性がある
・会社が負担するのは、会社負担分の社会保険料、社会保険適用促進手当(一部助成されますが、同額ではない)、さらに加算する場合はその手当(時給)分となる
以上のことから、
助成金の対象者となる人だけに処遇改善をするのか、
(対象外となる人との差は説明しづらいので難しい)
助成金の終了後はどうするのか、
(パート・アルバイトの働き方をどのような位置づけにするのか)
などを検討したうえで、ご準備されることをおすすめします。
パンフレットはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/001159290.pdf
事業主向けのQ&Aはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/001159130.pdf
==================
たまに作るカレー、タンパク質をとるため、ゆで卵も一緒です。