濱田京子コラム

2014年10月

マタハラ判決

2014.10.27.

  

10/23にマタハラ問題の最高裁判決が出ました。
最近は何でも「ハラスメント」という言葉がついてしまいますが
「マタニティーハラスメント」とは、妊娠や出産を理由にした
ハラスメントのことで、今回の裁判では妊娠を理由にした降格が
男女雇用機会均等法に違反するかどうかが争われていました。
今回の最高裁判決では、「本人自身の意思に基づく合意か、業務上の
必要性がついて特段の事情がある場合以外は違法で無効」という
判断がされています。

労働トラブルにおいて、同意の有無が争点になることが多いですが、
どのように同意を取ることまでが求められるのか、難しいなと思います。
実務の現場では、口頭で処理してしまうことが多く
それでは何も残らないため、書面で同意を取るようにお願いしても
実際のところ、争いとなると会社側は苦しいことが多いです。
どちらにしても、本当に会社が誠意をもって対処していれば、
トラブルにまで発展することは少ないと思います。
それは決してトラブル前後のことだけではなく、日常的に会社が社員に対して
どのように接しているか、というところがキモだと考えます。
やはり、本心は伝わってしまうもの、ということのように思います。

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本が書店に並び始めたので、書店パトロール?!をしてみました。
写真のように並んでいるのは「面陳列」というそうで、
書店の方がお勧めしたいときに用いられる置き方なんだそうです。
そう聞くと、このような置き方がされていることがとても嬉しいです。

1024

  

マイカー通勤者の通勤手当非課税枠が拡大されます

2014.10.20.

  

10月20日の今日から、マイカー通勤者の通勤手当非課税枠が拡大されます。
まだ国税庁のHPでは更新されていないようですが、官報で通知されています。

>10/24追記
10/20から拡大と書きましたが、その後4/1からという通知が出ています。
詳しくは国税庁のページをご確認ください。(こちら

通勤手当については非課税枠があります。
公共交通機関を利用している場合は一律月額10万円が上限ですが、
マイカー通勤の場合はその通勤距離によって非課税枠が設定されています。
今回の拡大で、少しずつその非課税枠が引き上げられているほか
いままでは45キロ以上が上限でしたが、55キロ以上という枠ができましたので
マイカーで長距離通勤をしている従業員がいる企業はチェックしてみてください。
また賃金規程で、通勤手当を「非課税枠」の額を支給するという規定にしていると
このような改定があると支給額自体をアップしなければならなくなりますので、
あくまでもキロ数に応じた手当額を支給するという規定にしておくことが
ポイントです。

【変更後の非課税枠(1ヶ月あたり)】
片道の通勤距離   課税されない金額
2km未満       全額課税
2km以上10km未満   4,200円
10km以上15km未満   7,100円
15km以上25km未満  12,900円
25km以上35km未満  18,700円
35km以上45km未満  24,400円
45km以上55km未満  28,000円
55km以上      31,600円

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先日、学生時代の友人が事務所に来てくれました。
彼女は某上場企業の役員ですが、労務の相談ということで
連絡をくれました。

学生時代の友人も色々なフィールドで活躍している人が多く
特に最近、いい刺激をもらっています。
その時に、
「いつもお花飾ったりして、好きなんだなと思って」
と言って、彼女がお土産でお花を持ってきてくれました。

相手を考えた贈り物がとてもステキでした。ありがとう!

1020

  

過重労働解消キャンペーン

2014.10.14.

  

11月は「過重労働解消キャンペーン」が実施されます。
以前は11月には、労働時間適正化キャンペーンが実施されていましたが
今年は過労死等防止対策推進法も成立したことや長時間労働対策の強化が
課題となっているからも、意識を高めるためのキャンペーンと考えられます。

今回のキャンペーンでは、さらに労働基準監督署の重点監督が実施されるようで
その場合に重点的に確認される事項は次の通りです。

(1)時間外・休日労働が36協定の範囲内であるかどうか
(2)賃金不払残業がないかどうか
(3)不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握しているかどうか
(4)長時間労働者については、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられているかどうか

特に(1)と(2)については是正指導がされる対象となりますので
今一度、見直しが必要です。

私自身もここのところ、労働時間関係のご相談が大変多いです。
会社としては未払い残業を課しているつもりはなくても
しっかり対策をしておかないと、全く認められなくなってしまいますので
確実な規定と運用が大切です。

厚生労働省の通知ページはこちら

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先週もご案内しましたが、最強チェックリストシリーズ第3弾が
いよいよ発売となります。

amazonでは、予約開始となりましたので
よろしければ、チェックしてください!

Amazonの予約はこちらから是非!

実務書を書くことは、独立開業したばかりの私にとっては
絶対にしたい仕事の一つでしたが、短い期間で
3冊も書くことが出来たことは、本当に嬉しいことです。
最強チェックリストのシリーズはひと段落しましたので
今後はまた、難しいことをわかりやすく解説する本を
企画していきたいと思います。

実務書執筆の仕事は、大変多くのパワーと時間が必要ですので
しばらくはお休みしたいと思っていますが、
また書きたくて仕方がなくなる時が来るのではないかと思います。
顧問先など直接お仕事をさせていただく方へ貢献するだけではなく
全国の直接は存じ上げない方にとっても役に立つものが提供できる
という執筆の仕事は、なかなか素敵なものです。
じっくり準備をして、またご案内できるように頑張ります。

1013

  

パートタイム労働者の差別取扱い禁止(裁判例)

2014.10.06.

  

今日は、来年4月に施行される改正パートタイム労働法に関連して
パートタイム労働法第8条(差別的取扱いの禁止)違反での初めての判決と言われる
ニヤクコーポレーション事件(大分地判平成25.12.10)について書いてみたいと思います。

この事件は2007年に制定されたパートタイム労働法の「差別的取扱いの禁止」を対象とした
事案として、初めて正規労働者との均衡待遇を認めた判決と言われています。

この会社は運送業で正社員と短時間労働者であった準社員との職務内容は基本的に同じであることは
会社も認めているものの、正社員は転勤や役職への任命などの人材活用の仕組みに相違がある
と会社は主張していました。しかし実質的には異動はほとんどなく、「通常の労働者と同視すべき
短時間労働者」に該当するため、差別的取扱いしてはならないとされたものです。
ちなみに、会社に支払が命じられたのは賞与の差額と休日割増手当の差額、さらに
不法行為に基づく損害賠償請求額(約149万円)ですが、被告が控訴しましたので
福岡高裁で審理が続くことになりました。

来年の改正により、通常の労働者との不合理な待遇の相違の禁止となる要件から
無期労働契約が削除され、有期労働契約だからという理由づけはできなくなります。
同一労働、同一キャリアであれば、短時間労働者であっても同じ扱いとしなければならない
ということがより厳密になりますので、早急に見直しが必要です。

また、同一労働、同一キャリアについて、実態で判断されることになりますので
たとえ就業規則等で同一キャリアではないと規定していたとしても
実際に異動がなければ、差があることが認められませんので
実態に合せて労働条件の整理をする必要があります。
具体的に考えていくと、本当に厳しいです。

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今年の6月から執筆しはじめていた本がいよいよ出版されます。
「最強チェックリスト」シリーズの第3弾で、今回は「労務管理の最強チェックリスト」です。
書店には10/20ごろから並ぶ予定ですが、Amazonではあと1週間程度で
予約が可能になりますので、また来週ご案内させてください。

2年連続で年末年始に執筆をしていたため、今年は時期をずらそうと
夏休みのタイミングに執筆をしていました。
結果的に大きな大きな夏休みの宿題のようになってしまい
大変苦しみましたが、とても勉強にもなりました。
この最強チェックリストシリーズは、いままでの給与計算、社会保険と
ご好評いただいたため、第3弾の出版へと繋がりました。
これも応援してくださる読者の皆さまのおかげです。ありがとうございます!

私は、人事担当者の方や経営者の方が、気軽に使える実務書で
わかりやすいもの、ということでチェックリストにこだわって書いています。
是非、今回の1冊もお手に取っていただけると嬉しいです。

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