濱田京子コラム

2014年08月

衛生要因と動機づけ要因

2014.08.25.

  

昨日は社会保険労務士の国家試験の日でしたが
その試験科目の一つである一般常識の定番でもある
ハーズバークの二要因理論、「衛星要因」と「動機づけ要因」について
書いてみたいと思います。

アメリカの臨床心理学者のフレデリック・ハーズバークによると
仕事における満足度は、ある要素が満たされると上がってそれが不足すると下がる
というものではなく、不満足に関わる要因と満足に関わる要因というのは別々にあり、
それは「衛生要因」と「動機づけ要因」であるとされています。

ではここで、給与は「衛生要因」・「動機づけ要因」のどちらになるのか
というと、私は「衛生要因」だと考えます。

昇格による昇給などのほか、そもそもベースアップされたり
評価結果を給与に反映したり、会社は色々考えて給与へ反映することで
労働者の満足度を上げようとしているかもしれませんが、
給与は所詮「衛生要因」にしかなりません。

確かに給与が上がると嬉しいとは思いますが
それによって動機づけられるか、というとかなり疑問です。
昇給した月は「上がったな!」と思うかもしれませんが
その翌月からはそれが「普通」になってしまいます。

経営者は、「これだけ給与を上げたのだから」と長期間考えていても
残念ながら社員はそれほど嬉しさが継続することがないわけです。

では、動機づけ要因となることを考えてみると
そのひとつに、社員に仕事や役割を任せることがあります。
昇進だけではありませんが、責任のある仕事をすることで自分が認められている
ことを感じることができますので、これは動機づけ要因になります。
しかし、それはあくまも衛生要因をしっかり満たしている状態で
なければ、効果は半減してしまいます。

時間外手当は支給していないが、業績と評価の結果として賞与は支払いたい
と考える経営者の方がいらっしゃいます。
これは、経営者側の視点では「賞与」は動機づけ要因になるだろうと思っているから
ということはないでしょうか。
もちろん、動機づけ要因になるほどの賞与もあるとはありますが
それが毎年のように払えるという企業でない限りは「動機づけ要因」となると
期待してはいけないと思います。

賞与を出すのであれば、給与も正しく全額支給して、それでも賞与が払えるのであれば
考えるという順序がよいと考えます。

・・・この話は、まだまだ書き足りませんが、
とりあえず今日はこの辺りでおしまいにします。
また続きが書ける日がきたら、書いてみようと思います。

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友人にお土産でいただきました。
ギャレットポップコーンが流行っていることは知っていましたが
食べたことがなかったので、嬉しかったのです。
とても美味しかったのですが、ついつい食べ過ぎてしまう食欲に弱い私です。

0824

  

雇用保険基礎手当日額が引き下げられます

2014.08.18.

  

先週はお盆休み週間でしたが、事務所はずっと通常通り営業していました。
給与計算業務をお引き受けしている顧問先が多いですので、
毎年このタイミングをお休みにするわけにはいかず、通常通りです。

さて、今日は雇用保険の基本手当日額のお話です。
これは毎年のことですが、8月1日から引き下がりました。

基礎手当日額の上限が変更することにより、
失業給付を受けている人や雇用継続給付を受けている人の支給額の上限が
変わることになりますので、人事担当者の方は、
受給者に給付額を通知する際に注意していただければと思います。
(高年齢雇用継続給付・育児休業給付給付・介護休業給付)

具体的には、日額上限額が 7,830円から7,805円に引き下がります。
(年齢によって上限は異なります)

ここで気になるのは、今年も最低賃金は上がる予定なのに、
この基本手当日額はなぜ下がるのだろうか?ということです。

この雇用保険の基本手当日額は、「毎月勤労統計」によって決定しています。
つまり、実態を調査した結果を基に決定しているわけで、今回
平成25年度の平均定期給与額が0.2%減少したことから引き下げられたというわけです。

一方、最低賃金は最低賃金審議会の調査審議によって決まります。
賃金の実態調査結果、生計費、賃金改定状況、経営状況、雇用情勢など各種統計資料、
最低賃金の履行状況、関係労使の意向等を十分参考にしながら審議が行われるとされていて
「労働者の生計費」「労働者の賃金」「通常の事業の賃金支払能力」の三要素を
総合的に勘案して決定されるそうです。

このように、実態調査のみで決定する基本手当日額と
実態調査のほかに、いろいろな要素を考慮して決定する最低賃金ですので
引き下がるのと引き上げられるので、バラバラとなってしまっているわけです。

実態として給与は引き下がっているのに、
経営者に支払い義務のある賃金は引き上げなければならないという現実は厳しいです。

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このコラムは、マジメな仕事をことを中心に書いていますが
実は仕事とは関係のない知人や家族も楽しみにしてくれているようで
時々反応をもらうと嬉しいです。
コラムの記事がきっかけで仕事のご依頼をいただくことも本当に嬉しいですが、
仕事と関係ないところでも応援してくれている人がいるということを
感じることもできるので、これからもがんばって続けていきたいと思います。

写真は、先週いただいた船橋の梨!
とても大きくて、味も濃くて、美味しかったです。
全く夏バテしない私は食欲のある夏を過ごしているので
このまま食欲の秋になることが怖いです・・・
0817

  

労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策

2014.08.11.

  

8/5に厚生労働省が「労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策」を発表しています。
サイトはこちら

今年の1月から6月の労災発生状況では、死亡者数が対前年比19.4%(71人)の増加、
休業4日以上の死傷者数は対前年比3.6%(1,625人)の増加となっていることから
緊急対策が取れれることになったようです。

対策内容は、次の2つが柱となります。

(1)業界団体などに対する労働災害防止に向けた緊急要請
(2)都道府県労働局、労働基準監督署による指導

産業界全体に対して、企業の安全衛生活動の総点検と労使・関係者が
一体となった労働災防止活動の実施を要請することや
特に労災が増加している業種に、労働災害防止のための具体的な取組内容を示し、
その確実な実施を要請するというものです。

特に労災が増加している業種とされているのは、
製造業、建設業、陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設、飲食店
とされていますので、対象業種に送付される自主点検表や研修会の案内をきっかけに
現実的に問題がないか、検討していただくことをお勧めします。

たまたまかもしれませんが、当事務所でも最近
労災(通勤災害も含む)の手続きが多いので気になっていました。
大きな事故が起きることがないように、気になることは早めに解決して
安心して仕事に集中できる環境に整備することが大切です。

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ずっと事務所のエレベーターホールに何も置いていなかったのですが
やっと受付電話をつけました。

少しずつでも更に快適な事務所にしていきたいです。

0806

  

最低賃金改定の目安発表

2014.08.04.

  

毎年10月から最低賃金が改定されていますが
中央最低賃金審議会が今年度の地域別最低賃金額の改定目安を発表しました。
(資料はこちら

引き上げ額は4ランクに区分されており
Aランク19円、Bランク15円、Cランク14円、Dランク13円と
なっています。(昨年は10円~19円でした)

東京都はAランクですので、現在の869円が19円アップとなり888円
となる予定と考えられます。

今回このまま改定されると、いままで問題とされていた
生活保護水準と最低賃金との乖離額はすべての都道府県で解消されることになるようです。

しかし19円アップということは、月額で考えると3000円以上となりますので
最低賃金ギリギリで基本給を設定している企業は、注意が必要です。
週休2日、祝日は休日でない企業ですと、15万円では最低賃金に満たなくなります。

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恵比寿の地元のお花屋さんで見つけた苔玉です。
事務所の入口に飾りましたので、可愛がりに来てください!

0804

  
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