社労士コラム

2026年07月

育児休業給付金の支給要件

2026.07.31.

雇用保険の被保険者は育児休業を取得した際に要件を満たせば
育児休業給付金を受け取ることができますが、
要件のひとつに、休業開始前の給与実績があります。

給与実績要件は休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上
(ない場合は80時間以上)ある完全月が12か月以上あることです。
完全月は1か月を指し、休業開始前日から1か月ごとに区切って要件を確認します。
賃金支払基礎日数は給与が支払われた日や時間をカウントしますので
有給休暇取得日や有給の特別休暇はカウントに含みます。
一方で、産休や病気休職などで給与が支払われていない日はカウントできません。

また、2年間にやむを得ない理由により30日以上給与を受けることができなかった
期間がある場合は、その期間を2年に加算し最長で4年間の給与実績を見ます。
産育休や疾病負傷がやむを得ない理由にあたります。

第一子、第二子、第三子、と短期間に複数回の産育休を取得している場合や
時給制シフト勤務者で勤務実績が少ない場合、
入社間もなくの育児休業で被保険者期間が短い場合などでは、
育児休業を取得しても給付金を受け取れないケースがあります。
給付金の有無は影響が大きいので、育児休業の申出時に要件を確認する
ステップを組み込んでおくとよいでしょう。

令和7年11月からは育児休業等給付専用のコールセンターが設置され、
被保険者本人も利用することができます。
コールセンターはこちら

弊所アウトソーシングサービスでは産育休手続きにも丁寧に取り組んでいます。
どうぞご利用・ご検討ください。

(藤代)

「労働者死傷病報告」の提出期限を確認しましょう

2026.07.24.

労働安全衛生法に基づき、労働者が業務中の事故などで死亡または休業した場合、事業者は所轄の労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」を提出しなければなりません。労災保険の給付請求をしていない場合でも提出は必須です。
4日以上の休業や死亡の場合は、災害発生後「遅滞なく」提出が必要です。一方、4日未満(1日~3日)の休業は以下の通り四半期ごとに提出期限が定められています。
1〜3月分:4月末日
4〜6月分:7月末日
7〜9月分:10月末日
10〜12月分:翌年1月末日

なお、労働災害に限らず、事業場内や附属建物内での負傷、窒息、急性中毒によって死亡または休業した場合も報告対象となります。また、休業が1日もない場合は報告対象外です。

令和7年1月1日より原則として電子申請での提出が義務化され、これに伴い報告様式も変更されています。対象となる事案の有無を改めて確認し、期日までに申請を完了させましょう。
(小林)

適用事業所でなくなるときは

2026.07.17.

法人事業を廃止(解散)するとき、
社会保険、労働保険ではどういった手続きが必要でしょうか。

【社会保険】
厚生年金保険・健康保険では法人が常時従業員を使用する場合、強制適用事業所となっており、適用事業所でなくなるときは5日以内に届出が必要とされています。(厚年法、健保法各施行規則)
具体的には「適用事業所全喪届」を日本年金機構へ提出することによって手続きします。
・添付書類
(1)解散登記の記入がある法人登記簿謄本のコピー
(2)雇用保険適用事業所廃止届(事業主控)のコピー
原則いずれかが必要です。
(1)(2)が用意できない場合は他の書類でも手続きを進められるものがあります。
(詳細はこちら
「適用事業所全喪届」を届出する際には、同時に全被保険者分の資格喪失届を提出する必要があります。
健保組合加入の場合はあわせて各健保組合の指定様式の「適用事業所全喪届」を健保組合に提出します。

【労働保険】
労働保険は法律上、事業廃止・終了の翌日に保険関係が当然に消滅することとなりますが、雇用保険では10日以内に届出が必要とされています。(雇保法施行規則)
具体的には「雇用保険適用事業所廃止届」をハローワークへ提出することによって手続きします。法人事業所の場合、廃止届に法人番号を記載すると法人登記簿謄本の添付を省略できます。
「雇用保険適用事業所廃止届」を届出する際には、同時に全被保険者分の資格喪失届、離職票を提出する必要があります。

労災保険では廃止のための届出は必要ありませんが、保険年度の途中で保険関係が消滅した場合にはその日から50日以内に確定保険料(労災保険料・雇用保険料)を申告する必要があります。(徴収法)
具体的には「労働保険確定保険料申告書」を労働局または労働基準監督署へ提出することによって手続きします 。すでに納付した概算保険料の額が確定保険料より多い場合には還付請求書も同時に提出します。

解散登記の記入がある法人登記簿謄本を取得するには時間がかかる場合があります。
社会保険手続きの添付書類には雇用保険適用事業所廃止届のコピーが使用でき、雇用保険手続きでは法人番号記載で法人登記簿謄本の省略ができるので、被保険者の手続き→雇用保険の事業所手続き→社会保険の事業所手続き・労働保険確定保険料申告の順で行うと、比較的スムーズに行うことができます。

なお、事業が廃止ではなく休止や合併、事業は継続しているが被保険者が0人になった、労働保険が二元適用、強制ではなく任意適用事業所であったりと条件が異なると、確認事項や手続きが異なる場合があります。
稀な手続きが必要になったら、弊所のサービスもぜひご検討ください。
エキップ社会保険労務士法人アウトソーシング部門
(遠藤)

R8.8.1~ 育児休業等給付の申請手続きが見直されます

2026.07.10.

令和8年8月1日から、育児休業等給付の申請が行いやすくなるよう、運用が見直されます。
厚生労働省の「育児休業等給付について」のページで、リーフレットが公開されました。

厚生労働省リーフレット 育児休業等給付の申請手続きを見直します

主な内容は以下の通りです。

1.出生時育児休業給付金について
申請時に申告する賃金が
「出生時育児休業期間を対象として支払われた賃金」 から
「出生時育児休業期間中に支払い日のある賃金」へ変更となります。
これまでは休業期間の賃金の支払い日以降まで待つ必要がありましたが
より早期に申請が可能になります。

2.出生後休業支援給付金について
母親の申請時、配偶者の確認書類として住民票が必要でしたが
父親の申請と同様に、母子手帳の写し(配偶者氏名と生年月日が記載されたもの)で
確認が可能になります。

3.育児時短就業給付金について
 ①同一の子の育児休業を取得している場合は母子手帳等の再提出が不要になります。
 ②育休開始後~時短就業開始までの間に賃金支払がないことを確認できれば、育休終了から時短就業開始まで14日以上空いていたとしても、賃金証明書の一部(⑨欄、⑩欄、⑪欄)が省略可能となります。
 ③特別な労働時間制度(フレックスなど)の場合の所定労働時間の計算方法を見直します。
 ④厚労省様式の「育児時短就業期間等に関する証明書」を、時短開始日と週所定労働時間の確認書類として使用できるようになります
 ⑤時短前後の週所定労働時間の確認書類が、賃金台帳等と同様に、照合省略の対象となります。

全体として、申請にかかる添付書類が軽減され、スピーディに申請ができるようになる、という運用変更となります。
運用開始までに情報を整理し、より効率よく進められるよう準備しましょう。

エキップ社会保険労務士法人 アウトソーシング部門

(髙村)

ストレスチェックの集団分析に関する改正事項

2026.07.03.

ストレスチェックは現在、従業員が50人以上の事業場に実施が義務付けられています。

下記①②が義務、③は努力義務となっていますが、今回、労働安全衛生規則の③集団分析に関して改正が行われ、2027年4月1日から施行されることになりました。
①ストレスチェックの実施、検査結果の通知
 ※ストレスチェック(検査)は、選択式の質問票に回答する方法で行う
②高ストレスの労働者への医師の面接指導の機会の提供、医師の意見を踏まえた就業上の措置
③検査結果を集団ごとに集計・分析(集団分析)、職場環境の改善

改正は、集団分析を行う際に、「特定の個人を識別することができない方法で」を規定に追加するというものです。

元々、ストレスチェック指針(心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針)にて、少人数の場合は個々の労働者の結果を把握できてしまう恐れがあることから、事業者は10人未満の集団分析結果の提供を(対象となるすべての労働者の同意を得ない限り)受けないこととなっていたため、従来からの運用が変更となるものではありません。

(山田)

 
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