「労働時間」一覧

令和3年4月以降、36協定届の様式が変わります

2021-01-20

令和3年4月1日に「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令」が施行されます。
これにより、
時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)の労働者、使用者の署名、押印が不要になります。
さらに、過半数代表者に関するチェックボックスが新たに設けられます。

令和3年4月1日以降の届出には、新様式を使用することとなります。
すでに新様式、記入例、届出に関するQAも公開されていますので、
あらかじめ確認しておくのがよいでしょう。

また、同じタイミングで
電子申請で協定届を提出する場合の電子署名、電子証明書が不要になります。
提出方法として検討されるのもよいかもしれません。

ただし、署名、押印が不要になるのはあくまで「協定届」ですので、
「協定書」を兼ねる場合は、労使双方が合意していることを明らかにするため
記名押印、または署名などが必要となります。

参考:厚生労働省 労働基準法施行規則等の一部を改正する省令について
※新様式、記入例、QAもこちらからリンクされています。

(高村)

年次有給休暇の取得実態について

2020-12-15

厚生労働省から、令和2年の「就労条件総合調査」の結果が公表されました。
これは、民間企業の就労条件の現状を把握するために、
労働時間制度や賃金制度に関する事項について調査した結果となります。

このうち、年次有給休暇の1年間の取得状況(平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)は、
以下のとおりとなっています。
労働者一人あたりの平均付与日数 18.0日(前年調査18.0日)
         平均取得日数    10.1日( 同  9.4日)
         平均取得率 56.3%( 同  52.4%)
昭和59年以降で取得日数は過去最多、取得率は過去最高となったとのことで、
令和元年4月から年5日の年次有給休暇取得が義務化(対象:年次有給休暇が
10日以上付与される労働者)されたことが影響しているのかもしれません。

ただし、この調査は、常用労働者30人以上の企業を対象に行われており、
30人未満の企業の実態は反映されていません。
年次有給休暇の取得日数・取得率は、常用労働者の人数が多い企業ほど
高い数字であるという結果も出ていますので、
調査対象となっていない小規模の企業を含めてみると、
年次有給休暇の取得数はもっと低くなることも想定されます。

職場の仲間に迷惑がかかる、後で自分が忙しくなる等の理由で、
年次有給休暇を取得することにためらいを感じる人も多いようです。
自社の従業員の取得率が低いと感じる場合には、
年次有給休暇の計画的付与制度(※1)を採り入れたり、
複数人で業務内容を共有し、お互いにフォローし合えるような業務体制を構築したりと、
従業員が取得しやすい環境整備を行うことが有効でしょう。
厚生労働省では、「年次有給休暇取得促進特設サイト」も開設していますので、
ご参照ください。

(※1)年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、
計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度。労使協定の締結が必要。

厚生労働省「令和2年 就労条件総合調査 結果の概況」

年次有給休暇取得促進特設サイト

(金子)

労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて

2020-09-14

厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会が開催され、
36協定届等労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて
方針案が示されました。

厚生労働省 第163回労働政策審議会労働条件分科会(8月27日)

方針(案)は下記のとおりです。
・使用者及び労働者の押印欄の削除ならびに法令上、押印又は署名を求めないこととする
・36協定届をはじめとする過半数代表者の記載のある法令様式については
 様式上に協定当事者が適格であることについてのチェックボックスを設け、
 使用者がチェックした上で、労働基準監督署長に届け出ることとする

今回の押印廃止は、あくまで行政に届け出る協定届に対してであって、
労使協定を締結する際の労使の押印に及ぶものではありません。
したがって、36協定届については、
36協定届が労使間で締結した36協定書を実務上兼ねている場合、
従来通り、労使双方の押印が必要です。
押印なしの協定届を届け出る場合、
それとは別に労使双方の署名押印の入った労使協定(36協定書)を作成する必要があると考えられます。
今後の動向に注意していきたいと思います。
(菊沢)

休業手当の支給方法

2020-05-18

今般のコロナウイルス問題による休業要請等により、
従業員への休業手当支給を検討・実施した企業の方も多いのではないかと思います。
ここで改めて、休業手当の支給方法についてご説明します。

労働基準法では、使用者の責めに帰すべき事由によって労働者を休業させる場合には、
その労働者に対して平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払うことが定められています。
今回のコロナウイルス問題による休業が、この使用者の責めに帰すべき事由にあたるかどうか、
については議論の余地はありますが、実際に休業手当の算出方法については次の通りです。

①1日あたりの支給金額は、平均賃金の60%以上とし、休業期間の日数分を支払う
※平均賃金の算出方法
過去3か月の賃金総額をその期間の総日数(暦日数)で除算した額
または、過去3か月の賃金総額をその期間の労働日数で除算し、その60%の額
の、いずれか高い額

②土日祝日などの就業規則で休日と定めている日、代休日については、支払う必要はない

③1日のうち一部の時間を休業とした場合、働いた分に対して支払う賃金が平均賃金の
60%以上であれば、休業手当の支払いは不要
ただし、60%に満たない場合は、不足分を支払うことが必要

例:1日の所定労働時間が8時間の労働者が6時間働き、残り2時間を休業した場合、
働いた6時間分の賃金が平均賃金の60%以上であれば、休業手当の支払いは不要
(平均賃金は日額で考えるため)

④パート、アルバイトだから休業手当は不要というわけではない

従業員の中には、通常の月収の60%程度の賃金を受け取れると思う方がいるかもしれません。
しかしながら、平均賃金は、過去3か月の賃金総額を勤務すべき日数ではなく暦日数で割って
算出するため、実際は、通常の月収の60%よりだいぶ少なくなりますので、
事前に説明をしておくとよいでしょう。
もちろん、労使間の取り決めにより法定以上に支給することも可能です。

なお、雇用調整助成金の受給要件を満たす場合には、休業手当支給の一部を補填することが
できますので、併せて検討されるとよいでしょう。

〈参考〉
厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

(金子)

36協定締結後の周知義務

2020-03-13

労働者に法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や
休日労働させる場合は「時間外・休日労働に関する協定届(36協定)」の締結が必要で、
労働基準監督署に届け出ることが義務付けされています。

この36協定は届け出だけでは不十分で、労働者への周知が必要とされています。
周知できていないと労使協定の周知義務違反となり、
労働基準監督署の是正勧告を受けるケースもありますので注意が必要です。

なお、周知については労働基準法106条、労働基準法施行規則第52条の2に定められており、
具体的には以下のいずれかの方法により周知しなければならないものとされています。

1.常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
2.書面を労働者に交付すること。
3.磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、
 各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
 
3については、パソコンなどでデジタルデータとして記録し、
労働者がいつでもアクセス閲覧できるようにする方法が一般的です。

就業規則についても同様に周知義務があります。
リスク回避のためにも、適切な方法で周知しましょう。
(菊沢)

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