社労士コラム

健康管理

えるぼしプラス、プラチナえるぼしプラス認定創設

2026.03.06.

現在、労働力人口の女性の割合は4割を超え、
女性特有の健康課題に対する支援について、議論が行われています。
R8年1月には、女性特有の健康課題に関する支援マニュアルが公開されました。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68776.html

このような流れの中、
R8年4月1日より、「えるぼしプラス」認定と「プラチナえるぼしプラス」認定が創設されます。
現在あるえるぼし認定、プラチナえるぼし認定に加えて、
女性の健康支援に関する基準を加えた新しい認定です。

認定を受けるには、既存のえるぼし、プラチナえるぼし認定の基準に加え、
以下のすべてに該当することが必要です。

1.「女性の健康上の特性に配慮した休暇制度(多様な目的で利用することができる
 休暇制度及び利用目的を限定しない休暇制度を含み、年次有給休暇を除く。)」
 及び「女性の健康上の特性への配慮のために利用することができる制度
 (半日単位又は時間単位の有給休暇取得、所定外労働の制限、時差出勤、
 フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務のうちいずれか)」を設けていること

2.女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、
 1.に掲げる制度の内容とともに労働者に周知させるための措置を講じていること

3.女性の健康上の特性への配慮に関する研修その他の女性の健康上の特性への配慮に
 関する労働者の理解を促進するための取組を実施していること

4.女性の健康上の特性への配慮に関する業務を担当する者を選任し、
 労働者からの女性の健康上の特性に関する相談に応じさせる措置を講ずるとともに、
 当該担当者を労働者に周知させるための措置を講じていること

認定マークも決定し、周知を図っていくとされています。
少子高齢化や労働力不足が叫ばれる中、
従業員がモチベーション高く長く働けるよう、
会社による健康支援がより重要視されていくことが予想されます。

厚生労働省「女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」のデザインを決定しました」

(高村)

治療と就業の両立支援

2026.02.27.

令和8年4月から、病気を抱える労働者の「治療と就業の両立支援」が事業主の努力義務になります。

現状、高齢者の就労増加等を背景に、疾病により通院しながら働く労働者は年々増加しています。また、医療技術等が進歩し、かつては不治の病とされていた疾病が、長く付き合う病気に変化しています。
しかし、疾病に対する労働者自身の理解不足や職場の理解・支援体制が不十分であることにより、退職に至る場合や業務上の理由で適切な治療を受けられない場合もあります。
両立支援は、労働者の健康確保・就業継続だけでなく、会社にとっても継続的な人材確保・労働者の安心感やモチベーション向上による人材定着・生産性向上・健康経営の実現等の意義があると考えられています。

支援体制は、「主治医」「会社・産業医」「支援機関の両立支援コーディネーター」によるトライアングル型のサポート体制を構築して進めます。

支援は下記の流れで進めます。
①労働者から会社に両立支援を申し出る
※労働者は、あらかじめ主治医に自らの仕事に関する情報を提供し、主治医から支援に必要な情報(主治医意見書等)の提供を受け、会社に提出する
②会社は産業医等から意見を聴取し、主治医の意見や労働者の要望を勘案し、具体的な支援内容を検討する
③会社が「両立支援プラン」を作成・実行する
※周囲の同僚や上司等へ、必要な情報に限定したうえで可能な限り開示し、理解を得ながら進める
※休業が必要な場合は、あらかじめ休業可能期間や職場復帰手順等を労働者へ情報提供したうえで休業手続きを行い、疾病が回復した際には、配置転換も含めた職場復帰可否を判断し、「職場復帰支援プラン」を策定する

また事業主には、事前の環境整備が望まれます。
●基本方針等の表明と労働者への周知
・両立支援の必要性や意義を共有し、両立しやすい職場風土を醸成する
●研修等による意識啓発
・すべての労働者向けや管理職向けに実施する
●相談窓口等の明確化
・労働者からの申出が原則のため、労働者が安心して相談・申出を行えるようにする
●制度・体制等の整備
・時差出勤・短時間勤務・時間単位有休・在宅勤務等の制度を検討・導入する
・支援の申し出を受けた場合の対応手順・関係者役割を整理する
・本人の同意を得た上で、関係者間の円滑な情報共有のための仕組みを作る 等

厚生労働省のホームページ「治療と仕事の両立支援ナビ」では、ガイドラインや取り組み事例等が掲載されています。

(山田)

協会けんぽ給付金の電子申請が開始します。

2025.12.12.

2026年1月より、協会けんぽへの給付金申請が、
電子申請できるサービスが開始されます。

従来、協会けんぽへ紙を郵送して手続きをしていた、
傷病手当金や出産手当金などの給付金申請が、
電子申請の対象となります。
対象の申請はこちらからご確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/

サービス開始後は、「協会けんぽホームページ」または「けんぽアプリ」から、
被保険者・被扶養者・社会保険労務士が電子申請の利用が可能で、
申請情報を入力して必要な添付書類を電子ファイルでアップロードする流れです。

申請後は、審査中・返戻などの進捗を本人が確認できるので、
会社を通した進捗確認の負担がなくなるメリットがあります。

また、協会けんぽは「けんぽアプリ」の開始も予定しており、
このアプリで電子申請が利用可能になります。
「けんぽアプリ」では、今まで会社経由で行っていた健康情報や健診案内の発信を
今後は被保険者にアプリ経由で直接発信していく構想となるようです。

協会けんぽDXについて
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai137kai/2025091009.pdf

(斎藤)

「スポットワーク」(スキマバイト)の労務管理

2025.07.17.

多様な働き方の一つとして、
単発・短時間で働く「スポットワーカー」の活用が急速に進んでいます。
必要な時に人材を確保できるメリットがありますが、
労務管理上の注意点がありますので、ポイントを紹介します。

□労働契約の成立時期と労働条件の明示
スポットワークでは、専用アプリ上でのマッチングを通じて、
面接等を行わずに就業が決定することが一般的な流れです。
面接を経ず先着順で就業が決定する場合には、
「求人応募があった時点」で労働契約が成立するものと考えられますので、
認識しておく必要があります。

労働契約成立後は、労働関係法令が適用され、
労働条件を明示する必要があります。
労働条件通知書の交付はスポットワークの仲介事業者が代行することもありますが、
交付は会社の義務ですので、きちんと交付されているか確認しておく必要があります。

□会社都合による休業は休業手当が必要
会社都合で、スポットワーカーに休業を命じる場合、
労働契約成立後であれば、労働基準法第26条に基づき、
使用者は労働者に対して休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。

□賃金・労働時間に関する注意点
制服への着替えや業務の準備・片付け時間も、使用者の指揮命令下にあれば労働時間とみなされます。
これらの時間も正確に把握し、賃金の計算に含める必要があります。

その他、スポットワーカーの労働災害・ハラスメント防止も、
会社の義務となることも注意点です。

厚生労働省のスポットワークの労務管理のリーフレットにも詳細が記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/001512368.pdf

(斎藤)

ストレスチェックの実施について

2025.05.30.

現在、ストレスチェックの実施は、
常時使用する労働者が50人以上の事業場に義務付けられており、
50人未満の事業場については、努力義務の範囲となっています。
2025年5月14日に公布された改正労働安全衛生法により、
今後は50人未満の事業場も義務化となりますので、
ストレスチェック制度についての概要をお伝えいたします。

ストレスチェック実施の目的は、
定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、
本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、
メンタルヘルス不調を未然に防止するためです。
仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートについての
質問項目を測定することが義務付けられています。
ストレスチェックの結果で高ストレスと判断された労働者から申出があった場合は、
医師による面接指導の実施が必要です。

また、以下の実施上の注意点もありますので、
確認しておくとよいでしょう。
・結果は労働者の同意なしに会社に通知することは禁止されている。
・ストレスチェックを受けない事や、会社への結果提供に同意しないこと、
面接指導を申出ないことによる不利益取扱いは禁止されている。
・ストレスチェックの実施が終了したら、労働基準監督署への報告が必要。

(斎藤)

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