社労士コラム

健康管理

高年齢労働者の増加と労災について

2024.11.15.

高年齢労働者が増加しています。
令和5年には雇用者の60歳以上の人が占める割合は18.7%でした。
この傾向は長く続いています
(厚生労働省令和5年高年齢労働者の労働災害発生状況より)。

会社には65歳までの雇用確保義務があるところ、
定年を60歳とし再雇用嘱託社員として65歳まで雇用を継続する制度を
採用する会社が多いですが、定年を65歳とする会社も増えています。
令和3年には70歳までの就業確保が努力義務となりましたし、
人不足という状況からしても、今後もこの傾向は続くのでしょう。

高年齢労働者の増加と比例して増加しているのが労働災害です。
国は労働災害減少のため「労働災害防止計画」にて
重点的に取り組む事項を定めていますが、
年齢を切り口とした防止対策は2つが挙げられています。
・労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進
・高年齢労働者の労働災害防止対策の推進
詳細はこちら
(厚生労働省)労働災害防止計画について

墜落・転落事故は特に男性において、
転倒による骨折等は特に女性において
年齢とともに増加している実態もあります。

建設や製造の業務と限らず、事務業務においても
リスクは無いか、予防策が無いか、
検討・対策をする意義がありそうです。
(藤代)

労働者死傷病報告の電子申請義務化と変更について

2024.10.04.

2025年1月より労働者死傷病報告が原則、電子申請で提出することが義務化されます。

2024年10~12月に発生した4日未満の休業は、
2025年1月に報告することとなり、義務化の対象となります。

2025年1月以降は、報告の項目にも変更があります。
追加項目はないですが、記載方法が変更となっています。
①~③、⑤について、これまで自由記載式でしたが、項目から選択する形式に変更となりました。
④災害発生状況及び原因については、留意事項別に記述欄が設けられる変更がされました。
(どのような場所で、どのような作業で、など)

①事業の種類(日本産業分類より選択)
②被災者の職種(日本標準職業分類より選択)
③傷病名および傷病部位
④災害発生状況及び原因
⑤国籍・地域及び在留資格

詳しくはこちらのリーフレットもご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001292236.pdf

労働者死傷病報告以外にも、下記の労働安全衛生関係の申請について、
電子申請が義務化となっています。
まだ電子申請の環境がない場合は、アカウント取得などの準備が必要となりますので、ご確認ください。

・総括安全衛生管理者/安全管理者/衛生管理者/産業医の選任報告
・定期健康診断結果報告
・心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告
・有害な業務に係る歯科健康診断結果報告
・有機溶剤等健康診断結果報告
・じん肺健康管理実施状況報告

参考:労働安全衛生関係の一部の手続の電子申請が義務化されます
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001281755.pdf

(斎藤)

こころの健康について

2024.08.30.

8月27日に令和6年版厚生労働白書が公表されました。

厚生労働省の政策報告等とは別にテーマが取り上げられていますが
今年は「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」です。
テーマ採用の背景には、精神疾患の外来患者数が増加傾向にあることなど、
こころの健康をめぐる現状への課題があるとされます。

また、7/25付の本スタッフコラム(こちら)でも触れていますが
過労死等の労災補償状況(令和5年度 厚生労働省)によると
精神障害に関する事案は5年連続で過去最高を更新しています。

実務の現場でも精神疾患が理由と思われる休職事案や
傷病手当金申請事案は珍しくないことなどから
こころの健康の存在感が大きくなっていることを感じます。

こころの健康を広くとらえると
職場でもハラスメント防止やストレスチェック、
社内教育や指導など、関連し、対応が求められることは
少なくありません。
これらの対応を講じる際に、厚生労働白書で
提供されている情報も参考になるのではと思います。

令和6年版厚生労働白書はこちらから。

(藤代)

令和5年度の監督指導結果を公表

2024.08.15.

厚生労働省は、7/25付のプレスリリースにて
「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」をとりまとめ公表しました。
(令和5年4月から令和6年3月までに実施)

発表によると、
・各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり 80 時間を超えていると考えられる事業場
・長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場
等、26,117事業場を対象として監督指導を行い、
そのうち11,610事業場(44.5%)で違法な時間外労働を確認し、指導を行ったとのことです。

その他の違反内容としては
・過重労働による健康障害防止措置が未実施の事業場が5,848事業場(22.4%)
・賃金不払残業が見られたのが1,821事業場(7.0%)
と続きます。

また、11 月には「過重労働解消キャンペーン」を実施し、
期間中は重点的な監督指導を行うことと発表しています。

実際のプレスリリースには、詳細な集計結果や指導事例、
長時間労働削減のための取り組み例などがまとめてありますので
労働時間管理の参考にされるとよいでしょう。

厚生労働省 「長時間労働が疑われる事業場に対する令和5年度の監督指導結果を公表します」

(高村)

職場における熱中症対策

2024.07.18.

令和6年5月1日~9月30日まで
厚生労働省は「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を行っています。

職場における熱中症発生事例は年々増加傾向にあり、
令和5年の熱中症による死傷者数は1106名、
うち31名が死亡という状況です。
キャンペーンは、専門家団体と共同で行う予防対策の周知活動、
暑さ指数の測定器の普及等を主な内容としており
7月は特に重点取り組み期間として、具体的に取り組むべきことをリーフレットで紹介しています。
一部抜粋しますと
・暑さ指数の低減効果を再確認し、必要に応じ対策を追加
・水分、塩分を積極的に取らせ、その確認を徹底
・体調不良の者に異常を認めたときは、躊躇することなく救急隊を要請
などが挙げられています。

熱中症の件数は、建設業、製造業、運輸業などで多い傾向で
キャンペーンとしても外の現場を特に重視しているように感じますが
どの業種でも起こりうることと認識し、
就業環境の確認をこまめに行う、水分補給の声かけを行うなど
対策されるのがよいでしょう。

厚生労働省 STOP!熱中症 クールワークキャンペーン 特設ページ
STOP!熱中症 クールワークキャンペーン リーフレット

(高村)

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