社労士コラム

健康管理

全国労働衛生週間に考える、⼥性の健康課題への取組

2026.09.04.

10月1日から7日までは「全国労働衛生週間」、9月1日から30日までの1ヶ月間は「準備期間」です。
令和8年度のスローガンは、「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」。
今年度は、治療と仕事の両立支援やメンタルヘルス対策、過重労働による健康障害の防止などとともに、「女性の健康課題の理解促進」も重点事項の一つとして掲げられています。

月経困難症や月経前症候群(PMS)、更年期障害など、女性特有の健康課題は、職場では相談しづらいと感じる人が少なくありません。また、こうした健康課題は外見からは分かりにくく、本人から相談がなければ周囲が気付きにくいという特徴があります。

厚生労働省では、女性特有の健康課題について、一般健康診断の機会を活用し、必要な支援につなげる取組を進めています。
具体的には、一般健康診断の問診票に「女性特有の健康課題(月経困難症、月経前症候群、更年期障害など)で職場において困っていることがありますか」といった質問項目の追加が推奨されています。回答をもとに、健診機関から早期受診勧奨などを行うことで、本人のセルフケアを支援します。なお、回答内容が健診機関から事業者へ直接提供されることはありません。本人が希望した場合に限り、本人から提供されるものとなります。

また、事業者向けマニュアル「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル(厚生労働省)」では、女性の健康課題を抱える労働者が安心して相談でき、職場で適切な配慮を受けられる環境づくりが示されています。事業者や人事労務担当者、産業保健スタッフ向けの研修や、産業保健総合支援センター(さんぽセンター)などの相談窓口の活用も紹介されています。

全国労働衛生週間をきっかけに、一人ひとりが心身ともに健康に働き続けられる職場環境について改めて考える機会にしてはいかがでしょうか。こうした取組は、企業にとって大切な労働衛生対策の一つです。

(小林)

療養・育児・介護と仕事を両立する方の標準報酬月額の特例措置

2026.08.13.

2027年1月から、「療養・育児・介護」と「仕事」を両立するために、時短勤務等の就労調整を行ったことで報酬が大幅に減少した場合の標準報酬月額の特例措置が開始されます。

通常の随時改定は固定的賃金の変動から3ヶ月経過後に判断しますが、特例措置は急減した月から標準報酬月額を改定できます。
具体的には、急減後の報酬総額を基にした標準報酬月額が従前より2等級以上低下し、かつ、その状態が3ヶ月以上続くことが見込まれる場合に、対象者が書面で同意することで申請ができます。随時改定と異なり、固定的賃金の変動は必要ありません。

注意点として
・対象者から書面による同意を得る必要があり、申請時にはその同意書を添付します。
・標準報酬月額が低下することにより社会保険料が低下しますが、将来受給する年金額や傷病手当金・出産手当金の支給額も減少となりますので、同意を得る際には対象者へ十分に説明する必要があります。
・申請時は、特例用の申請様式を使用します。
・就労調整が終了・縮小し、報酬増加後の総額を基にした標準報酬月額が2等級以上上昇した場合は、固定的賃金の変動に関わらず申請が必要で、報酬が増加した月から標準報酬月額が改定されます。通常の随時改定と申請時期が異なりますので、注意が必要です。

社内のチェックリストや対象者への案内文書へ追加する等、手続き漏れが無いように工夫すると良いでしょう。

療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について

(山田)

健康保険の高齢受給者

2026.06.19.

健康保険では、70歳以上74歳までの年齢の方は
「高齢受給者」となります。
(65歳以上で一定の要件により後期高齢者医療制度へ
加入している場合は除きます)

健康保険の自己負担割合は3割ですが、
高齢受給者は収入状況などにより、
現役並み所得者区分に該当する場合は3割負担、
一般区分に該当する場合は2割負担、です。

高齢受給者制度は会社で加入する健康保険でも
個人で加入する国民健康保険でも共通ですが、
以下は会社で加入している健康保険の場合です。

健康保険の加入者が70歳に達すると
マイナ保険証利用者には資格情報のお知らせが、
マイナ保険証を利用していない人には資格確認書が
交付され、負担割合も確認することができます。

負担割合は、標準報酬月額が28万以上の場合は3割(現役並み)、
28万円未満の場合は2割(一般)です。
随時改定や定時改定により標準報酬月額が28万円の前後で
変更する場合は負担割合も変更となり
資格情報のお知らせや資格確認書が改めて交付されます。

標準報酬月額が28万円以上(3割負担)でも
年収383万円未満の場合などは、申告により2割負担となります。
被扶養者がいる場合は被扶養者の年齢や収入も要件ですが、
これらは本人の申告手続きが必要です。

70歳以上で健康保険に加入している従業員に対しては
健康保険組合から会社を通じて資格情報のお知らせ等が
交付されますので、速やかに本人に渡す等確実に対応しましょう。

(藤代)

カスハラに関する実態調査結果

2026.04.10.

令和8年10月1日からカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化されますが、東京都では令和7年4月1日から「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されており、事業者には指針に基づき、体制整備・カスハラを受けた就業者への配慮・カスハラ防止手引の作成等の努力義務が定められています。

この度、東京都産業労働局から「令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査 報告書」が公表されましたので、企業アンケートの調査結果の一部をご紹介します。

・過去1年間の従業員からの相談
 相談を受けたことがある 12.4%
 相談を受けたことはないが、見聞きしたことはある 13.1%

・事案
 継続的な、執拗な言動(頻繁なクレーム、同じ質問を繰り返す) 61.8%
 威圧的な言動(大声で責める、反社会的な者とのつながりをほのめかす等) 55.5%
 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の要求等) 50.4%

・被った損害や被害
 従業員の仕事への意欲・やりがいの低下 77.0%
 通常業務の遂行への悪影響 65.1%
 従業員の離職 15.5%

・防止対策の具体的な取組状況
 相談窓口の整備 65.7%
 実態把握のための調査 52.9%
 カスハラを受けた従業員のケア 50.9%
 教育・研修等の実施 47.8%
 基本方針等の作成 43.0%
 就業規則の整備(準ずるものを含む) 42.7%
 労働者や労働組合等との意見交換・衛生委員会の活用等 42.3%

・防止対策を進める上での課題
 正当なクレームとの判断の難しさ 71.1%
 ノウハウ不足 30.7%
 発生状況の把握が困難 30.4%

・防止のために特に効果があると思う取組
 カスハラを受けた従業員が相談できる窓口の整備 44.3%
 実態把握のための調査 41.1%
 カスハラを受けた従業員のケア 39.2%

・カスハラを受けた従業員のケアに関する取組状況
 上司や同僚によるサポート 65.7%
 現場における対応の引き継ぎ 52.9%
 カスハラを受けた従業員が相談できる窓口の整備 50.9%

カスハラ対策の義務化まで残り半年となりました。
弊所でもハラスメント規程策定サービス・相談窓口サービスハラスメント研修等を実施していますので、ご相談いただければと思います。

令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査 報告書

(山田)

えるぼしプラス、プラチナえるぼしプラス認定創設

2026.03.06.

現在、労働力人口の女性の割合は4割を超え、
女性特有の健康課題に対する支援について、議論が行われています。
R8年1月には、女性特有の健康課題に関する支援マニュアルが公開されました。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68776.html

このような流れの中、
R8年4月1日より、「えるぼしプラス」認定と「プラチナえるぼしプラス」認定が創設されます。
現在あるえるぼし認定、プラチナえるぼし認定に加えて、
女性の健康支援に関する基準を加えた新しい認定です。

認定を受けるには、既存のえるぼし、プラチナえるぼし認定の基準に加え、
以下のすべてに該当することが必要です。

1.「女性の健康上の特性に配慮した休暇制度(多様な目的で利用することができる
 休暇制度及び利用目的を限定しない休暇制度を含み、年次有給休暇を除く。)」
 及び「女性の健康上の特性への配慮のために利用することができる制度
 (半日単位又は時間単位の有給休暇取得、所定外労働の制限、時差出勤、
 フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務のうちいずれか)」を設けていること

2.女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、
 1.に掲げる制度の内容とともに労働者に周知させるための措置を講じていること

3.女性の健康上の特性への配慮に関する研修その他の女性の健康上の特性への配慮に
 関する労働者の理解を促進するための取組を実施していること

4.女性の健康上の特性への配慮に関する業務を担当する者を選任し、
 労働者からの女性の健康上の特性に関する相談に応じさせる措置を講ずるとともに、
 当該担当者を労働者に周知させるための措置を講じていること

認定マークも決定し、周知を図っていくとされています。
少子高齢化や労働力不足が叫ばれる中、
従業員がモチベーション高く長く働けるよう、
会社による健康支援がより重要視されていくことが予想されます。

厚生労働省「女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」のデザインを決定しました」

(高村)

 
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