「年収の壁」は、主たる生計者の扶養の範囲で働く
パート就労者の稼得年収・就労意欲への制約の意味で、
一定の範囲で使われている表現と感じていましたが、
厚生労働省もこの表現を使用するなど
一般的な言葉になりつつあるようにも感じます。
政策としてこの「壁」への対応が示され、また年末調整を控えたこの時期は、
パート就労者からの質問や、パート就労者を扶養する人からの質問を
受ける機会も増えますので現状のルール概要を金額基準で整理します。
適切な事務処理・対応ができるようにしておくとよいでしょう。
詳細条件はリンク先サイトのとおりです。
▼年収130万円未満(被扶養者条件)(社会保険)
健康保険の被扶養者資格条件です。
130万円以上ですと被扶養者にはなりませんので
自身で国民健康保険に加入し保険料負担が発生します。
国民年金3号被保険者の資格条件でもありますので
配偶者に扶養されている場合は国民年金保険料負担も
発生しません。
・被扶養者とは(協会けんぽ)
▼年収106万円以上(加入条件)(社会保険)
従業員数101人以上の会社(特定適用事業所)で働く場合の
健康保険と厚生年金保険の加入条件です。
月額8.8万円が条件で、106万円は年額換算の数字です。
年収130万円未満であっても、この加入条件が優先ですので
健康保険の被扶養者となることも、
国民年金3号被保険者となることもできません。
・短時間労働者に対する社会保険の適用拡大(日本年金機構)
▼年収103万円以下(扶養控除・配偶者控除)(所得税)
所得税の扶養控除の条件です。年収103万円以下の対象親族を
扶養する人が所得税計算上控除を受けることができます。
・扶養控除(国税庁)
・配偶者控除(国税庁)
▼年収103万円超216万円未満(配偶者特別控除)(所得税)
所得税の配偶者特別控除の条件です。年収103万円超216万円未満の
配偶者を扶養する人が、所得税計算上控除を受けることができます。
・配偶者特別控除(国税庁)
・年末調整で適用を受けるとき(国税庁)
(藤代)