社労士コラム

2026年03月

介護休暇の申し出があったとき

2026.03.27.

介護休暇は該当の社員から申出があったときは取得させる必要がありますが、
「家族の介護だから」との申出のみで受理してよいでしょうか。

介護休暇は「要介護状態にある家族の介護その他の世話をする従業員」
に対して対応する必要がありますが、
「要介護状態にある家族」や「その他の世話」であることを
どのように確認すれば、また、そもそも確認する必要があるでしょうか。
この点について法令等で関連するところを確認します。

【育児介護休業法・同施行規則】
・申出は、取得する日を明らかにして行わなければならない
・事業主は、申出に係る証明書類の提出を求めることができる
・要介護状態とは、2週間以上の期間にわたり常時介護が必要な状態
(「座位保持が自分で可」などの状態の判断基準あり)
・その他の世話とは、通院付き添い、介護サービス手続き代行、その他必要な世話

【育児介護休業法施行規則通達】
・証明書類の例:要介護認定の結果通知・障害支援区分認定通知、
介護保険の被保険者証、続柄確認書類(住民票等)など
・労働者に過大な負担をかけることないようにすべき
・情勢が様々に変化するので臨機応変かつ柔軟な対応が望まれる

これらから、どのように対応するかを検討することになります。

ほか、介護休暇は1日のほか時間単位で利用可能、
対象家族が1人の場合は1年につき5日、
2人以上の場合は10日を上限に取得可能、とする制度です。

申出に対しては適切に対応しましょう。

(藤代)

要配慮個人情報とは

2026.03.19.

「要配慮個人情報」という言葉を聞くことがあります。
2017年施行の個人情報保護法の改正によってできた概念で、2条3項にて「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」と定義されています。
個人情報※1の中で一定のものが、要配慮個人情報ということになります。
より具体的にはガイドライン(通則編)2-2-3にて11項目挙げられています。
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/#a2-3

通常の個人情報と要配慮個人情報については大きく違いが3点あります。

①要配慮個人情報を取得するには、原則として本人の同意が必要
個人情報保護法は第1条にて「個人の権利利益を保護することを目的と」していることがわかりますが、それは同時に「個人情報の有用性に配慮しつつ」、として、その有用性に言及しています。有用性に配慮しているため適正な取得であれば個人情報の取得自体に本人の同意は必要ありません(法20条)。しかし、要配慮個人情報となると「あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない」とされています。ただ法令に基づく場合等、一定の場合には、本人の同意を得ないで取得することが可能です。
事業者が法令に基づき、労働者の健康診断の結果を取得することには本人の同意は必要ないとされています。
(雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項)
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/ryuuijikou_health_condition_info/

②オプトアウトによる第三者提供の禁止
オプトアウトとは本人の求めに応じて第三者への提供を停止する、として個人データ※2を第三者に提供すること(一定の条件を満たせば個別事前の本人の同意を得ないでも第三者提供ができる)ことを言います。要配慮個人情報はオプトアウトによる第三者提供が認められていません。(法27条)

③漏えい、滅失時の対応
不正な方法・財産的被害が生じる恐れがある場合以外では、通常の個人データは1000人以上の漏えい、滅失等で個人情報保護委員会への報告や本人通知の対象となりますが、要配慮個人情報が含まれている場合には件数によらず報告、本人通知の対象となります。(施行規則7条)

企業の人事活動の中では個人情報に触れる機会は多く、慎重に取り扱われているものと思いますが、意図せず要配慮個人情報を収集してしまうことも考えられます。
いま一度要配慮個人情報の定義や、通常の個人情報との違いについて確認しておき、場合によっては取得や消去の業務フローを見直すと安心かと思います。

※1個人情報
個人情報保護法で定義される個人情報とは①氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができる、もしくは②個人識別符号(マイナンバーや基礎年金番号等)が含まれる、いずれかに当てはまる情報のこと
※2個人データ
個人情報データベース(特定の個人情報を検索することができるように体系的に構成したもの)等を構成する個人情報のこと

(遠藤)

令和8年度の労災保険料率・雇用保険料率が発表されました。

2026.03.13.

令和8年度の労災保険料率・雇用保険料率が発表されました。

労災保険料率は、令和8年度は令和7年度から変更はありません。
労災保険料は事業主が全額負担する保険料であり、
労働者から徴収することはなく、
変更があっても給与計算上は影響しません。
例年6月に行う労働保険料の年度更新では、
労災保険料の申告を行うので、
自社の業種区分や料率の確認を改めて行うと確実です。

一方、雇用保険料率には変更があり、
昨年より引き下げで決定されました。
一般の事業の場合の労働者負担分は0.5%となりました。
労働者負担分は給与計算で控除するため、
給与計算ソフトの料率の変更適用が必要です。
労働保険料の年度更新では、
令和8年度の概算保険料は新しい料率を適用します。

また、3月分保険料から、健康保険・介護保険の料率の変更(協会けんぽ東京)や、
4月分保険料から子ども子育て支援金の創設もあり、
給与計算時の保険料控除について注意が必要です。

参考:
・令和8年度労災保険料率
https://www.mhlw.go.jp/content/roumuhiritu_r05.pdf
・令和8年度雇用保険料率
https://www.mhlw.go.jp/content/001672589.pdf
・健康保険・介護保険の料額表(協会けんぽ東京支部)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r8/ippan/R8_13tokyo.pdf
・子ども子育て支援金制度
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/0049a2f8/20260226policies-kodomokosodateshienkinseido-11.pdf

(斎藤)

えるぼしプラス、プラチナえるぼしプラス認定創設

2026.03.06.

現在、労働力人口の女性の割合は4割を超え、
女性特有の健康課題に対する支援について、議論が行われています。
R8年1月には、女性特有の健康課題に関する支援マニュアルが公開されました。

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68776.html

このような流れの中、
R8年4月1日より、「えるぼしプラス」認定と「プラチナえるぼしプラス」認定が創設されます。
現在あるえるぼし認定、プラチナえるぼし認定に加えて、
女性の健康支援に関する基準を加えた新しい認定です。

認定を受けるには、既存のえるぼし、プラチナえるぼし認定の基準に加え、
以下のすべてに該当することが必要です。

1.「女性の健康上の特性に配慮した休暇制度(多様な目的で利用することができる
 休暇制度及び利用目的を限定しない休暇制度を含み、年次有給休暇を除く。)」
 及び「女性の健康上の特性への配慮のために利用することができる制度
 (半日単位又は時間単位の有給休暇取得、所定外労働の制限、時差出勤、
 フレックスタイム制、短時間勤務、在宅勤務のうちいずれか)」を設けていること

2.女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、
 1.に掲げる制度の内容とともに労働者に周知させるための措置を講じていること

3.女性の健康上の特性への配慮に関する研修その他の女性の健康上の特性への配慮に
 関する労働者の理解を促進するための取組を実施していること

4.女性の健康上の特性への配慮に関する業務を担当する者を選任し、
 労働者からの女性の健康上の特性に関する相談に応じさせる措置を講ずるとともに、
 当該担当者を労働者に周知させるための措置を講じていること

認定マークも決定し、周知を図っていくとされています。
少子高齢化や労働力不足が叫ばれる中、
従業員がモチベーション高く長く働けるよう、
会社による健康支援がより重要視されていくことが予想されます。

厚生労働省「女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」のデザインを決定しました」

(高村)

エキップオリジナルサービス
給与計算改善コンサルティング
RECRUIT
給与計算の最強チェックリスト
濱田京子著 出版書籍
濱田京子コラム
社労士コラム

お電話でのお問い合わせ

03-5422-6550

受付時間: 平日 9:00 〜 17:00

メールでのお問い合わせ