社労士コラム

健康保険

二以上事業所勤務被保険者の随時改定(月額変更届)

2024.03.22.

複数(二以上)の事業所に勤務し、それぞれ社会保険の加入要件を満たす場合、
二以上の会社で健康保険・厚生年金保険に加入する必要があります。

被保険者の報酬が、昇(降)給等の固定的賃金の変動により、
変動月からの3カ月間に支給された報酬の平均月額に該当する標準報酬月額と
これまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた場合は、
随時改定の対象となり月額変更届の提出が必要となります。

二以上事業所勤務被保険者の場合、
各事業所について随時改定の要件に該当するかどうか判断することになりますので、
各事業所で2等級以上の変動がある場合は月額変更届の提出が必要です。

□片方の事業所(A事業所)が2等級以上の変動、合算で2等級以上の変動がある場合
 届出はA事業所のみ提出、改定後の標準報酬月額での決定通知書が通知される。

□各事業所で2等級以上の変動だが、合算では2等級以上の変動がない場合 
 各事業所で月額変更届の提出必要、合算した標準報酬月額の変更はないが、
 保険料按分率が変更となった決定通知書が送付される。

□各事業所で2等級以上の変動ないが、合算で2等級以上の変動がある場合
 どちらの事業所についても月額変更届の提出不要。

今年10月にはさらに50人超の事業所について社会保険適用拡大がされ、
二以上事業所勤務被保険者の対象となる労働者が発生する可能性もあります。
手続きについて、確認しておくと安心です。

資格取得時の手続きについては、下記コラムをご覧ください。
https://www.k-hamada.com/staff/?p=4219

(菊沢)

社会保険の適用拡大(令和6年10月から)

2024.03.08.

令和4年10月から101人以上の企業がすでに特定適用事業所となり、
3/4未満の短時間労働者の方も社会保険の加入対象となりましたが、
令和6年10月からは特定適用事業所の人数要件が51人以上の企業となり、
さらに拡大されることとなります。
51人以上のカウントは、厚生年金の被保険者数でカウントします。
1年間のうち、6か月以上51人以上となることが見込まれる企業が特定適用事業所に当たります。

短時間労働者とは、特定適用事業所に雇用される
下記の要件をすべて満たす方です。
・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
・所定内賃金が88,000円以上
・2ヵ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない

令和6年10月以降は社会保険の加入対象となり、
「被保険者資格取得届」の提出が必要になるので、
対象の方を事前に確認しておきましょう。

また、短時間労働者の方は、
算定基礎届、月額変更届の提出の際の支払い基礎日数の要件が
パートタイム労働者の方とは異なりますので、注意が必要です。

・算定基礎届
①4月、5月、6月の支払い基礎日数が3か月とも11日以上あるときは、
3か月の報酬月額の平均額をもとに決定
②11日以上の月が1か月以上あるときは、11日以上の月のみの報酬月額の平均額をもとに決定
③3か月とも11日未満の場合は、従前の標準報酬月額で決定
・月額変更届
支払基礎日数が3か月とも11日以上あること

(斎藤)

2024年3月分からの健康保険料率と介護保険料率(協会けんぽ)

2024.02.15.

協会けんぽの2024年3月分(4月納付分)からの健康保険料と介護保険料の料額表が公開されました。
令和6年度保険料額表

保険料率は、22都道県が前年よりも引き下げ、24府県が引き上げ、1県が変更なしとなりました。
東京都は健康保険料率9.98%(前年度比-0.02%)、介護保険料率1.60%(前年度比-0.22%)で、昨年度より引き下げとなりました。

各都道府県の保険料率の前年度比は、下記からご確認いただけます。
令和6年度都道府県単位保険料率

保険料を翌月控除している場合は、4月支給給与から変更となります。
ただし、賞与の保険料は3月支給分から新しい保険料率で計算しますので、注意が必要です。

(山田)

退職後の健康保険

2024.02.02.

退職後の健康保険は下記のいずれかで加入します。
退職者から手続きに関する依頼や問い合わせの
可能性もありますので注意点と共に確認しましょう。

■転職先で加入
退職する会社、転職先会社が手続きをします。
転職先会社で指定の書類があることもあるので
事前に本人に確認してもらいましょう。
また、転職後に退職した会社の保険証を使用すると
精算手続きが必要となるなど影響がありますので
保険証は速やかに回収し健保組合に返却します。

■任意継続
本人の希望により、退職する会社が加入していた保険に
継続して加入することができます。
会社がサポートをすることもありますが基本的には
本人が申請します。次の加入条件があります。
手続期限は厳密に運用されていますので注意が必要です。
・退職までに2か月以上の加入期間があること
・退職翌日から20日以内に手続きをすること

■国民健康保険に加入
本人が市区町村で手続きをします。
退職した会社の保険資格を喪失したことの
確認書類が必要です。
健保組合が発行する資格喪失証明書のほか、
会社が発行する退職証明書や離職票でよいとしている
市区町村もありますので手続きをする市区町村に
確認をすると確実です。

■被扶養者として加入
扶養者の勤め先が手続きをします。
必要書類の指定があることがほとんどです。
退職前会社が発行する書類が必要となることもありますので
予め確認するよう本人に伝えておくとよいでしょう。

(藤代)

賞与支払届(退職者の対応)

2023.12.27.

12月に賞与を支給するケースは多いと思います。

賞与を支給した際には社会保険料の控除や
賞与支払届の提出が必要となりますが、
退職者に賞与を支給した場合は
どのようになるでしょうか。

賞与支給日と退職日の関係によって以下のようになります。

①賞与支給日 12/5 ・退職日 12/20 (社会保険喪失日12/21)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月となるため控除なし
□賞与支払届
 社会保険喪失月に支給した賞与で、
 社会保険喪失日の前日までに支給された賞与の場合、
 賞与支払届の提出必要(年度:4月~翌年3月の累計額に算入※)

②賞与支給日 12/25 ・退職日 12/20 (社会保険喪失日12/21)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月となるため控除なし
□賞与支払届
 賞与支払届の提出不要

③賞与支給日 12/5 ・退職日 12/31 (社会保険喪失日1/1)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月ではないため(1月が喪失月)控除必要
□賞与支払届
 賞与支払届の提出必要

賞与を支給する際には要注意です。

なお、どのパターンでも雇用保険料の控除は必要です。
【参考:日本年金機構 従業員に賞与を支給したときの手続き】

※賞与に関する健康保険料の上限が1年間(4月から翌年3月)に支払われた賞与金額の累計額(573万円)となるため
(菊沢)

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