社労士コラム

健康保険

育児休業等期間中の社会保険料免除要件の改正

2022.06.02.

10月より育児休業等期間中の社会保険料免除要件が改正されます。

日本年金機構より、月額保険料と賞与保険料の免除要件の改正点と、
改正後の届出様式と届出時における留意点を解説したリーフレットが公開されました。
(日本年金機構 リーフレット) こちら

改めて改正内容は以下の2点です。
①月額保険料
育児休業等の開始月の末日が育児休業期間中である場合に加え、
当月中に14日以上育児休業等を取得した場合に免除
②賞与保険料
育児休業等を1ヶ月超(暦日で計算)取得した場合のみ免除

また、公開されたリーフレットより
改正後の届け出用紙に新たに追加された主な項目は下記のとおりです。

〈育児休業等取得日数〉
育児休業等の開始年月日と終了年月日の翌日が同月内である場合、
育児休業等の日数を記載
※土日等の休日など労務に服さない日も含め、14日以上の日数が必要
※同月内に複数回の育児休業等を取得する場合は、合算した日数を記載

〈就労予定日数〉
出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に労働者と事業主の間で
事前に調整して就業を行う場合、その日数を記載
※就労予定日数は育児休業等の日数に算入されない

なお、同月内に複数回に分けて育児休業等を取得する場合、
その月に取得する最後の育児休業等の届け出時にまとめて届け出をすることが可能です。
(育児休業等の終了後1月以内に申出書を提出する場合には、遅延理由書の添付不要)

育児休業中の社会保険料の控除の仕組みが複雑になるため、施行までに手続きから給与計算の流れまでを整理しておきましょう。
(菊沢)

令和4年10月~短時間労働者に対する社会保険の適用拡大

2022.05.20.

パートやアルバイトで勤務している従業員は
1週間の所定労働時間、および1ヶ月の所定労働日数が一般従業員と比較して3/4以上となる場合(3/4基準と呼びます)、
健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。

平成28年10月に被保険者の適用拡大が図られ、
3/4基準を満たさなくても、特定適用事業所に勤務していれば、
一定の要件を満たすことで、健康保険、厚生年金保険の被保険者となることとなりました
(短時間労働者と呼びます)。

これが、令和4年10月以降
さらに適用拡大されることとなっていますので、概要をご紹介します。

まず、特定適用事業所とは
これまでは、「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所」とされていたところ、
改正後は「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所」となります。

また、短時間労働者となる「一定の要件」は、これまで、以下の4つとされていました。
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと
このうち、2.の「雇用期間が1年以上見込まれること」が、
改正後は 「雇用期間が2カ月を超えて見込まれること(通常の被保険者と同じ)」となります。

対象となる従業員は、令和4年10月以降、被保険者資格取得届の提出が必要ですので、
改正後の特定適用事業所に該当する場合などは、
対象者を早めに確認し、手続きの準備を行う必要があります。

また、要件に該当すれば自動的に被保険者となりますので、
対象となる従業員は基本的に拒むことができません。
保険料の控除が始まり、不満に感じることもあるかもしれませんので、
事前に十分な説明を行うことも重要となります。

なお、令和6年10月以降には
特定適用事業所の要件が「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時50人を超える事業所」となり
さらに適用拡大される予定です。

参考:日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

(高村)

健康保険 任意継続被保険者手続きについて

2022.01.14.

健康保険には、会社を退職した後も一定の要件を満たしていれば
それまで加入していた健康保険に継続して加入できる任意継続制度があります。

(任意継続制度の要件)
・資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があること
(退職ではなく、勤務時間・日数の減少により健康保険の資格を喪失した場合も該当)

・資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること
※協会けんぽの場合は、労働者の住所地を管轄する協会けんぽ支部へ提出する
(会社の管轄ではない)。

基本的に労働者本人が行う手続きであるため、
会社が積極的に行わなければならないものではありませんが、
任意継続を希望する労働者には、期限や提出先等を案内してあげると
手続きもスムーズ進められるのでよいのではないでしょうか。

なお、被保険者証は変わるので、従来使用していたものは資格喪失日以降
速やかに返却する必要があります。
協会けんぽの場合、勤務していた会社等での資格喪失手続きが行われた後に
新しい被保険者証が発行されますので、
特に資格喪失手続きを紙申請で行う場合は被保険者証が発行されるまで
時間がかかると言われています(2~3週間位)。
発行までの期間を短縮(1週間位)するには、

・資格取得申出書の任意記載欄となっている
「健康保険被保険者資格喪失証明欄(事業主記入用)」に事業主が証明する

・退職証明書、雇用保険の離職票の写し等事業主または公的機関が作成した
資格喪失の事実が確認できる書類を申請書に添付する

のいずれかを行うことで可能となります。
被保険者証は早く手元にほしいという労働者も多いと思いますので、
本人の希望に応じて対応してあげるとよいでしょう。

先に記載したとおり、任意継続被保険者の手続きは労働者本人が行うものです。
ただ、なかには会社が行ってくれると思っている労働者の方もいるようです。
任意継続の意向がある労働者に対しては、
資格取得の手続きだけでなく、保険料の払込み、各種変更の手続き、
資格喪失手続き等本人が行うものであることを事前に案内しておくと安心です。

(参考)日本年金機構 「任意継続とは

(金子)

健康保険傷病手当金の見直しに関する請求権消滅時効の取扱い

2022.01.07.

1月1日に施行された健康保険法等の一部改正により傷病手当金の支給期間が通算化され、
傷病手当金の支給期間が暦日1年6ヶ月から通算1年6ヶ月となります。

一方で、健康保険給付を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日から2年で時効になります。
時効の起算日は「労務不能であった日ごとにその翌日」です。

消滅時効の取扱いが、追加で公表されたQ&Aに出ていました。
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T220104S0060.pdf

【例】待期期間が完成した令和4年9月1日から9月 30日までの労務不能期間について、
   令和6年9月 15 日に傷病手当金の請求があった場合

○ 令和4年9月1日から9月 14 日までの期間については、
 請求権の消滅時効が完成しているため、傷病手当金の支給は行わない。
○上記のケースにおいては、令和4年9月1日(支給を始める日)を基準として
 傷病手当金の支給額を算定するとともに、
 同月 15 日(支給を始めた日)を基準として総支給日数を算定し、
 同月 15 日から 30 日まで支給する

また、消滅時効により傷病手当金が支払われなかった場合、
支給期間の通算はどのような取扱いになるかについて、

○ 消滅時効により傷病手当金が支給されない場合には、支給期間は減少しない。
○ なお、消滅時効により傷病手当金が一度も支給されていない場合については、
  実際に傷病手当金の支給が開始された日を「支給を始めた日」とし、
  当該日において支給期間を決定する。

消滅時効は労務不能であった日ごとですが、
消滅時効により支給されなかった期間については、
支給期間が減少しないというのがポイントです。
この傷病手当金の通算化は同一の傷病について適用されますので
一度復帰した従業員だけでなく、転職者など保険者が異なっている場合でも該当します。
色々なケースが想定されますので、支給手続きや従業員への案内には慎重に行う必要があります。

【参考:全国健康保険協会 健康保険法等の一部改正に伴う各種制度の見直しについて】

(菊沢)

マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用スタート

2021.11.01.

弊所コラムでもご案内しておりましたが、
マイナンバーカードの健康保険証としての利用について
10月20日からマイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用がスタートしました。

マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、
事前に利用申込みが必要ですが、マイナポータルからの申込みの他、
セブン銀行ATMや各市区町村において設置するマイナポータル用端末、
医療機関や薬局の窓口に設置する顔認証付きカードリーダーからも申込みできるようになっています。

マイナンバーカードを健康保険証として利用することで可能となること
・限度額適用認定証がなくても、高額療養費制度における限度額を超える支払が免除される
・転職・結婚・引越ししても、健康保険証の発行を待たずに、
 保険者での手続きが完了次第、マイナンバーカードで医療機関・薬局を利用できる 等

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について

マイナンバーカードを保険証として利用する手続きが済んだ人は、
10/17時点で約5,509,237人とマイナンバー交付枚数の1割ほどとまだ少ない
(マイナンバーカード交付枚数48,672,550(10/1現在))ですが、
厚生労働省は、令和5年3月末には概ね全ての医療機関等での導入を目指すこととしています。
導入医療機関やマイナンバーカードの利用申込みが増えていかないと
実際の運用としてはなかなか進んでいかないと考えられますが、
本人の手続きの方法のご案内として是非参考にして下さい。
(菊沢)

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