「健康保険」一覧

休業手当を支給した際の取り扱いについて

2020-05-19

休業手当は労働基準法26条で、
使用者の責めに帰すべき休業の場合は平均賃金の60%以上を支払わなければならない、
と定められています。

コロナウイルス問題で休業し休業手当を支給した企業も多いと思いますので、
休業手当を支給した際の取扱いについて、確認しておきましょう。

1,労働基準法の賃金
休業手当は基本給などと同じ賃金として取扱いますので、
通常の給与計算業務のなかで処理することになります。
つまり労働基準法の賃金ですので、当然賃金支払の5原則も守る必要があります。
したがって休業手当だけを給与とは別に、あとから支給することなどはできません。

*賃金支払の5原則とは
①通貨で、②直接労働者に、③その全額を、
④毎月1回以上、
⑤一定期日を定めて支払わなければならない

2,社会保険料、雇用保険料、労災保険料の対象となる賃金
社会保険、労働保険(労災・雇用保険)のいずれにも対象となる賃金です。

3,源泉所得税の対象となる賃金
他の賃金と同様の取扱いのため、もちろん課税対象です。

以上のことから、他の賃金と同じ取扱いとなりますので、
全日休業となり、1ヶ月の賃金がすべて休業手当であっても、
その賃金から社会保険料や所得税等を控除することは可能です。

(松原)

随時改定の基本事項と休業手当を支給した場合の取扱い

2020-05-12

標準報酬月額は1年に1回、定時決定が行われますが、その途中に昇(降)給などが行われ、
報酬月額が大幅に変動した場合に実際に受ける報酬と標準報酬月額との間に隔たりが無いように
次回の定時決定を待たずに報酬報酬月額の変更を行います。
これを「随時改定」といい、その届出書を「月額変更届」といいます。

【随時改定の要件】
①昇給または降給等により固定的賃金に変動があった。
②変動月から3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する
標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
③3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である。
※①~③全てに該当した場合、随時改定の対象となります。

新型コロナウイルス感染症の影響で、休業手当を支給している事業者もいるかと思いますので、
休業手当を支給した時の随時改定のポイントを紹介します。

低額な休業手当等が支払われることとなった場合は、これを固定的賃金の変動とみなし、
2等級以上の差となれば随時改定の対象となります。
ただし、報酬のうち固定的賃金が減額される場合で、その状態が継続して3か月を超える場合に限られます。
なお、休業手当等をもって標準報酬月額の決定や改定が行われた後に休業が解消された時も、
随時改定の対象となります。

休業手当を支給している場合の随時改定は、次の流れでチェックしましょう。
①通常の報酬より低額の休業手当を支給している。
 ↓
②休業手当は継続して3か月を超えて支給している。
 ↓
③対象となる各月において、1か月の全日が休業手当の支給となっている必要はなく、
1か月のうち1日でも低額の休業手当を支給していればよい。
 ↓
④通常の随時改定の要件を満たしている。

休業手当の支給期間を確認したうえで随時改定の対象となりえるかどうかを
事前にチェックしておくと、手続きをスムーズに進めることができるでしょう。

日本年金機構「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」

(松原)

定時決定と休業手当を支給した場合の取扱い

2020-05-11

健康保険料・厚生年金保険料などの社会保険料は、毎年1回、7月1日現在で使用している
すべての被保険者及び70歳以上被用者について、標準報酬月額を見直し決定されます。
具体的には、事業主の方が「算定基礎届」により届け出た4月から6月に支払った給与額に
基づき標準報酬月額が決定され、原則その年の9月から翌年8月まで適用されます(定時決定)。

なお、以下に該当する方は算定基礎届の提出が不要です。
(1) 6月1日以降に資格取得した方
(2) 6月30日以前に退職した方
(3) 7月改定の月額変更届を提出する方
(4) 8月または9月に随時改定が予定されている旨の申出を行った方

また、一時帰休(使用者側の理由により一定期間就業が困難な場合に在籍のまま一時帰休業させること)
により、4・5・6月の間に通常どおり就労した際に受ける報酬より低額な休業手当等を支給する場合は、
その休業手当等をもって標準報酬月額を決定します。

ただし、7月1日時点で既に休業が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以後に
おいて受けるべき報酬をもって算定します。「9月以降におけて受けるべき報酬」とは、
休業手当等を受けていない月分だけで決定した報酬のことです。
また4~6月すべての月において低額な休業手当等を受けた場合は、休業手当等を受ける前
の標準報酬月額により算定します。

*休業が解消しているとは
7月1日時点で既に低額な休業手当等の支払いがなく、
その後も低額な休業手当等が支払われる見込みがないことをいいます。

日本年金機構ホームページに具体的な算定例が掲載されております。併せてご確認ください。

日本年金機構「一時帰休による休業手当等が支給された場合の定時決定等の例」
日本年金機構「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」

(金子)

社会保険に加入し同じ月に喪失した場合の保険料

2020-02-28

社会保険料は月末時点で加入している保険者に月単位で納付することになっており、
月の途中で資格を喪失した場合には社会保険料は納付不要であるのが原則です。
ですが、資格を取得した同じ月に資格を喪失した場合には、
喪失が月の途中であっても社会保険料を納付する必要があります。

ただし、厚生年金保険料については喪失の月にさらに取得した場合は、保険料は納付不要となります。
入社したものの同じ月のうちに退社しさらに転職して次の会社に入社したケースなどがこれにあたります。
転職して次の会社に入社していたことは後になってわかることですので、
実務上は一旦は保険料を納付します。
この場合、数ヶ月経ってから、会社や本人が手続をしなくても
年金事務所から保険料還付のお知らせが会社あてに送られ、
会社負担分と本人負担分の両方が返金されます。
本人負担分は会社が退職した本人に返金します。

健康保険料は重複納付の救済はなく、返金されることはありません。

入社後すぐに辞めてしまうケースでは給与も日割りなどで満額ではないため
社会保険料の割合が大きくなりがちで、給与から控除しきれないケースも散見されます。
社会保険のルール通りではありますが、不満に感じる人も多いので、
予め説明できているとよいでしょう。
(藤代)

全国健康保険協会のインセンティブ制度

2020-01-29

中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)では令和2年度より
インセンティブ(報奨金)制度による都道府県単位の健康保険料率への反映が行われます。

協会けんぽでは、平成30年度よりインセンティブ制度を導入しました。
インセンティブが付与されるのは、協会けんぽが全支部一律に拠出している
後期高齢者支援金(後期高齢者医療に対する現役世代からの支援金)に係る保険料率です。

5つの評価指標に基づき各支部に得点をつけ、47支部中上位23支部に
得点数応じたインセンティブにより保険料率の引き下げが段階的に行われます。
なお、当該年度における取組の保険料率への反映は、翌々年度になります。

<5つの評価指標>
①特定健診等の受診率 
②特定保健指導の実施率 
③特定保険指導対象者の減少率
④医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
⑤後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用割合

令和2年度から制度の財源となる0.01%が段階的に保険料率に盛り込まれるため、
インセンティブによる減算のない支部は保険料負担が増加します。
反対にインセンティブによる減算を受ける支部は、保険料負担が軽減されます。

令和元年11月22日に協会けんぽの運営委員会でインセンティブ制度の確定値が報告され、
佐賀県や沖縄県、宮城県などが上位に入っています。

【参考】協会けんぽ 第100回全国健康保険協会運営委員会資料

制度の認知度は約9%とまだ低い状態ですが、加入者に特定健診を受診させるなど
積極的な健康増進への取組が保険料軽減につながります。

【参考】協会けんぽ インセンティブ制度

(傳田)

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