社労士コラム

2025年08月

育児介護休業法改正 R7年10月1日施行

2025.08.29.

育児介護休業法の令和6年改正について
令和7年4月から一部施行となっていますが、10月施行も近づいてきています。
10月施行の内容は大きく分けて2点です。
 1.育児期の柔軟な働き方を実現するための措置+個別周知・意向確認
 2.仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取+配慮

本記事では1.について、概要を説明いたします。
これは、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者に
以下5つの中から2つ以上選択し措置しなければならないという内容です。
 ①始業時刻等の変更
 ②テレワーク等(10日以上/月)
 ③保育施設の設置運営等
 ④就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇の付与(10日以上/年)
 ⑤短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む)

労働者は、事業主が講じた措置から1つを選択して利用できます。
なお、QAでは事業所、部署ごとに特徴に合わせた措置を講じることが望ましいとされており
明らかに労働者が利用できないと想定される措置を講じても、義務を果たしたことにはなりません。
どのように措置を講じるか、よく検討する必要があるでしょう。

そして、事業主は労働者に対し、子が3歳になるまでの適切な時期に、
 ①事業主が選択した対象措置の内容
 ②対象措置の申出先
 ③所定外労働の制限に関する制度、時間外労働・深夜業の制限に関する制度
について、個別に周知し制度利用の意向確認を行う必要があります。
子が3歳になるまでの適切な時期、とは
「労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間
(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)」
とされています。
タイミングよく周知が実施できるようであれば問題ないですが
案内漏れがないよう、各社の状況に合わせて工夫が必要かもしれません。

いすれにしても、社内でどのように行うか、よく検討する必要がある改正点です。
対応がまだ、という場合はそろそろ準備を進める必要があるでしょう。

パンフレット「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」
28P~、10月施行に関する詳しい解説があります。

(高村)

仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

2025.08.22.

育児・介護休業法の改正により、令和7年4月から事業主には、社員の仕事と介護の両立支援の実施が義務付けられています。

その中の次の3点について、厚生労働省から実務的な支援ツールが公表されています。
・介護離職防止のための雇用環境整備
・両立支援制度等の早期(40歳)の情報提供
・介護に直面した労働者への個別の制度周知・意向確認
企業・有識者等のヒアリングや研究会の議論等を基に、取り組みの意義や各取り組みのポイント、具体的な対応方法がまとめられています。
早期の情報提供用の配布資料や相談を受けた際の面談シート等のツールも用意されていて、自社用にカスタマイズして使用することができます。
これから準備する場合だけでなく、自社の取り組みの見直し用としても、利用可能です。

なお、弊所では雇用環境整備の選択措置(研修の実施、相談窓口の設置、事例の収集・提供、利用促進に関する方針の周知)の1つである研修や、介護に直面した労働者への個別説明・意向確認を行う介護支援面談サービスを行っています。

企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

(山田)

労災保険制度の在り方に関する研究会 中間報告書公表

2025.08.14.

厚生労働省の「労災保険制度の在り方に関する研究会」による、
中間報告が公表されました。(令和7年7月30日公表)

「労災保険制度の在り方に関する研究会」は、
働き方の多様化や女性の労働参画の進展に対応するため、
労災保険の適用、給付、徴収など制度全体を網羅的に検討するために設置されたもので、
令和6年12月から議論が重ねられてきました。

この報告では、家事使用人や農林水産業への適用拡大、特別加入制度の明確化、
遅発性疾病の給付基礎日額見直し、特別支給金の保険給付化、
メリット制の適正運用、消滅時効延長(5年案)などが盛り込まれています。

給付関係において、報道などで話題になっているのは、
遺族(補償)等年金におけるの男女差(夫と妻との支給要件の差異)の見直しです。
現行制度では、生計維持要件を充足する妻は
年齢にかかわりなく受給権者となることができるのに対し、
夫は、生計維持要件に加え労働者である妻の死亡時に
55歳以上又は一定の障害がある場合に限られています。

中間報告では、この男女間の格差は合理的でないとして、
同一条件とする方向性が示されました。

厚生労働省はこの中間報告書をもとに今後、
労働政策審議会で具体的な政策を検討することにしています。
厚生労働省:「労災保険制度の在り方に関する研究会」の中間報告書を公表します

今後の動向に注目です。

(菊沢)

健康保険の被扶養者認定基準が変わります(19歳以上23歳未満)

2025.08.08.

今年10月1日から健康保険の被扶養者認定基準が変わります。
変更となるのは、今年の12月31日時点で年齢が19歳以上23歳未満の認定対象者です。
現在は年間収入130万円未満が認定基準ですが、
10月1日以降の認定では150万円未満に引き上げられます。

年間収入は、過去の収入、現時点の収入又は将来の収入見込みなどから
今後1年間の収入を見込みます。
大学生相当の年齢ですが、大学生かどうかに関係なく年齢での判断です。

人手不足下の就業調整対策等の観点から取り扱いが変わります。

年間収入要件は3段階になります。
150万円…19歳以上23歳未満の場合
180万円…60歳以上又は障害者の場合
130万円…上記以外の場合

認定対象者の収入要件に加えて、
従前どおり被保険者の収入との比較も必要です。
同居の場合は認定対象者の収入は被保険者の2分の1未満であれば
原則として認定され、
別居の場合は認定対象者の収入は被保険者からの援助額より少なければ
原則として認定されます。

10月からは認定要件がより細かな分類になるので
健康保険の扶養手続時には確実に対応できるよう準備が必要でしょう。

本内容の厚生労働省の通知はこちらです。

(藤代)

退職者のマイナンバーの保管・廃棄

2025.08.01.

2016年から運用が開始されたマイナンバー制度。
社会保障、税制、災害対策など、法令又は条例で定められた事務手続きにおいてマイナンバーが使用されますが、一度収集した従業員のマイナンバーは、従業員の退職後も保管するのでしょうか。

『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)』を見てみると、
・個人番号は、番号法で限定的に明記された事務を処理するために収集又は保管されるものであるから、それらの事務を行う必要がある場合に限り特定個人情報を保管し続けることができる。また、個人番号が記載された書類等については、所管法令によって一定期間保存が義務付けられているものがあるが、これらの書類等に記載された個人番号については、その期間保管することとなる。
一方、それらの事務を処理する必要がなくなった場合で、所管法令において定められている保存期間を経過した場合には、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない(…)
とされています。
(第4-3-⑶ 収集・保管制限 )

つまり、必要があるうち(雇用契約が継続中)は保管し続けることができますが、必要がなくなったら(退職後)マイナンバーは廃棄することが原則、ただし一定期間保存が義務付けられている書類等に記載された個人番号についてはその書類の保存期間はマイナンバーを記載したまま保管しなければならないということになります。
退職日から〇日後に廃棄する、などと決まっているわけではないのです。

マイナンバーが記載され所管法令によって一定期間保存が義務付けられている書類、については雇用保険に関する書類、健康保険に関する書類などがありますが、保管期間が最長のものは税制関係で、「給与所得者の扶養控除等申告書」などの書類はその申告書等の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存する必要があります。
(所得税法施行規則第七十六条の三)

「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出期限はその年最初に給与の支払いを受ける日の前日なので、読み替えると、退職年の8年後の1月11日(ただし翌月払いの給与がある12月退職者については退職年の9年後の1月11日)以降速やかに廃棄する必要があります。
数年前の退職者を管理するのは大変ですが、確実に廃棄するためには社内の運用ルールを整備して毎年、該当者を確認していく対応が望ましいでしょう。

具体的な廃棄手法に関しては前掲ガイドライン別添1に例示があります。
https://www.ppc.go.jp/legal/policy/my_number_guideline_jigyosha/#b0

こちらもご参考に。
国税庁源泉所得税関係に関するFAQ
Q1-19 退社した従業員等のマイナンバー(個人番号)は、退社後すぐに廃棄しなければならないのですか。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm

(遠藤)

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