社労士コラム

手続全般

新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(後遺症)の労災認定

2022.06.10.

業務による新型コロナウイルス感染症への感染は労災保険給付の対象となりますが、感染症の消失後にみられる倦怠感、息切れ、思考力や記憶力低下等の罹患後症状、いわゆる後遺症も労災保険給付の対象となります。

具体的には、下記取り扱いとなります。(労災認定は、労働基準監督署にて個別に判断されます)
①「診療の手引き」に記載の症状等から、医師により療養が必要と認められる場合
→療養補償給付の対象
②休業の必要性が医師により認められる場合
→休業補償給付の対象
③十分な治療を行ってもなお症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され、後遺障害が残存する場合
→障害補償給付の対象

後遺症と呼ばれることが多いですが、一般的には時間の経過とともに改善が見込まれます。リハビリを含め、対症療法や経過観察での療養は、③の指す後遺障害とは異なるため、①療養補償給付の対象となります。

また、罹患後症状のある労働者を職場復帰させる際には、就業上の措置や治療に対する配慮が必要な場合があります。産業医や主治医から情報提供を受ける等連携して、労働者の症状に応じた個別の検討を行うことが望ましいです。

新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について

(山田)

育児休業等期間中の社会保険料免除要件の改正

2022.06.02.

10月より育児休業等期間中の社会保険料免除要件が改正されます。

日本年金機構より、月額保険料と賞与保険料の免除要件の改正点と、
改正後の届出様式と届出時における留意点を解説したリーフレットが公開されました。
(日本年金機構 リーフレット) こちら

改めて改正内容は以下の2点です。
①月額保険料
育児休業等の開始月の末日が育児休業期間中である場合に加え、
当月中に14日以上育児休業等を取得した場合に免除
②賞与保険料
育児休業等を1ヶ月超(暦日で計算)取得した場合のみ免除

また、公開されたリーフレットより
改正後の届け出用紙に新たに追加された主な項目は下記のとおりです。

〈育児休業等取得日数〉
育児休業等の開始年月日と終了年月日の翌日が同月内である場合、
育児休業等の日数を記載
※土日等の休日など労務に服さない日も含め、14日以上の日数が必要
※同月内に複数回の育児休業等を取得する場合は、合算した日数を記載

〈就労予定日数〉
出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に労働者と事業主の間で
事前に調整して就業を行う場合、その日数を記載
※就労予定日数は育児休業等の日数に算入されない

なお、同月内に複数回に分けて育児休業等を取得する場合、
その月に取得する最後の育児休業等の届け出時にまとめて届け出をすることが可能です。
(育児休業等の終了後1月以内に申出書を提出する場合には、遅延理由書の添付不要)

育児休業中の社会保険料の控除の仕組みが複雑になるため、施行までに手続きから給与計算の流れまでを整理しておきましょう。
(菊沢)

紛らわしい年齢基準の整理(雇用保険育児休業給付)

2022.05.27.

雇用保険の育児休業給付手続では
子の年齢基準がついて回りますが
3月31日(月の末日)生まれの場合の1歳6か月はいつか、
など紛らわしい場面があります。

次のとおりとなっていますので迷わず正しい処理を
していけるとよいと思います。

(1)支給期間はいつまでか
「子が1歳に達する日の前日まで」が給付金の支給期間です。
「達する日」は誕生日前日ですのでその前の日までとなり、
5月27日生まれの子の支給期間は翌年5月25日までです。
延長した場合(1歳6か月または2歳に達する日の前日まで)も
同様に考え、5月27日生まれの1歳6ヶ月までの例では
翌年11月25日までが支給期間です。

月の末日生まれの場合、6か月後に応当する日がない場合は
その月の末日が「達する日」です。
8月31日生まれの子が1歳6か月に達するのは2月28日ですので
支給期間はその前日の2月27日までです。
3月、5月、8月、10月、12月の末日は
6ヶ月後応当日がありません。

なお、各年齢基準より前に育児休業を終了した場合は、
終了した日までが支給期間になります。

(2)復帰の準備(保育所入所申込)はいつの日付で行うべきか
1歳までの育児休業は通常は1歳に達する日(誕生日前日)
までですので復帰のためには1歳に達する日後(1歳の誕生日以降)
に利用可能な保育所入所を準備することになります。
多くの保育所は月のうち1日付での入所のみを認めていますので、
1歳の誕生月の1日付入所申込みを行います。
1日生まれの場合は1日付で入所できれば
1日から復帰が可能です(慣らし保育期間を考えると
実際にはさらに1ヶ月前の入所が必要です)。

育児給付は「1歳または1歳6か月に達する日後」に
保育所に入所できないことを条件に延長受給が可能ですが、
復帰準備と表裏の関係にあます。
延長手続では「保育所入所保留通知書」などで、
いつ準備をしたのか、いつの入所を希望していたのか
実際に誕生日以降どこの保育所にも入れていないのか、
などが確認されます。

「達する日の前日」「達する日」「達する日後」は
似て非なる日にちですので注意が必要です。

(藤代)

公的年金シミュレーターの試験運用開始

2022.05.06.

厚生労働省が開発した、年金額を簡単に試算できるツール「公的年金シミュレーター」の試験運用が4月25日から開始されています。

生年月日と働き方・暮らし方を入力することで、将来受給できる年金額を試算することができるサービスで、スマートフォンやタブレット、パソコンから利用できます。
ねんきん定期便(2022年4月以降発行のもの)には、二次元コードが記載されており、読み取ると生年月日を入力するだけで、現在の加入状況(加入制度、被保険者種別、標準報酬等)が60歳まで継続すると仮定して試算された年金額が表示されます。

働き方・暮らし方は最大5つまで登録でき、将来、働き方が変わった場合のシミュレーションも可能です。また、就労完了年齢や受給開始年齢をプラスしたりマイナスしたりすることで、グラフで表示された年金見込額が増減するため、受給額がイメージしやすくなっています。

事前登録が不要なため、気軽に利用できるツールとなっています。
ただし、年金制度の仕組みを簡略化して試算されるため、試算結果は実際の年金額と必ずしも一致しません。より詳細な試算は、事前登録が必要ですが「ねんきんネット」を利用するよう案内されています。

今後、利用者の意見を基に改善され、本格実施が開始される予定です。

スマホで簡単に年金額試算「公的年金シミュレーター」を4月25日から試験運用を開始します!

(山田)

企画業務型裁量労働制の定期報告について

2022.04.28.

企画業務型裁量労働制を採用している場合には、
所定様式により所轄の労働基準監督署長へ定期報告を行うことが
義務付けられています。
報告内容は、以下のとおりです。
・対象となる労働者の労働時間の状況
・対象となる労働者の健康及び福祉を確保する措置の状況

なお、報告のタイミングには注意が必要です。
労働基準法施行規則第24条の2の5では
「決議が行われた日から起算して6か月以内に1回、
及びその後1年以内ごとに1回」と定められていますが、
厚労省HPで公開されているQ&A等には
「決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに1回」と案内がされています。

一見矛盾しているように感じますが、実は同施行規則第66条の2で、
当分の間6か月以内ごとに1回と読み替えることが規定されています。
紛らわしいですが、6か月以内ごとに行わなければなりません。

また、報告回数を少なくするために、
決議の有効期間初日から6か月経過した後に報告書を提出しようと
考える会社も多いと思います。
ただし、その場合“決議が行われた日”からは6か月を超えている
可能性が高くなりますので、ここも注意が必要です。
 例)3月28日 決議日
   決議の有効期間 4月1日~3月31日
    ※4月1日から6か月経過後の10月1日以降に提出するのでは遅く、
     3月28日から6か月以内の9月27日までに提出することが必要  
報告回数を最低限にする場合でも、決議後の初回の報告は5か月分の
報告とするなど検討する必要があります。
細かい部分ですが、確実に実施するようにしましょう。

「企画業務型裁量労働制」の適正な導入のために

(金子)

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