業務による新型コロナウイルス感染症への感染は労災保険給付の対象となりますが、感染症の消失後にみられる倦怠感、息切れ、思考力や記憶力低下等の罹患後症状、いわゆる後遺症も労災保険給付の対象となります。
具体的には、下記取り扱いとなります。(労災認定は、労働基準監督署にて個別に判断されます)
①「診療の手引き」に記載の症状等から、医師により療養が必要と認められる場合
→療養補償給付の対象
②休業の必要性が医師により認められる場合
→休業補償給付の対象
③十分な治療を行ってもなお症状の改善の見込みがなく、症状固定と判断され、後遺障害が残存する場合
→障害補償給付の対象
後遺症と呼ばれることが多いですが、一般的には時間の経過とともに改善が見込まれます。リハビリを含め、対症療法や経過観察での療養は、③の指す後遺障害とは異なるため、①療養補償給付の対象となります。
また、罹患後症状のある労働者を職場復帰させる際には、就業上の措置や治療に対する配慮が必要な場合があります。産業医や主治医から情報提供を受ける等連携して、労働者の症状に応じた個別の検討を行うことが望ましいです。
新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について
(山田)