業務中や通勤途中にケガをしたり病気にかかった時は、労災保険から給付を受けられます。
業務災害と通勤災害で給付の内容はほぼ同じですが
細かな違いがありますので、簡単に説明したいと思います。
業務災害が起こった場合、
事業主は労働者の治療にかかる費用負担や休業補償等の義務を負うことが
労働基準法で定められています。
(労働基準法第75条~80条)
一方で、通勤災害については、労働基準法上での補償義務はありません。
このことから、以下のような取り扱いの違いが発生します。
①業務災害は自己負担金がない(通勤災害は200円の自己負担金がある)
②業務災害の待期3日間について事業主が休業補償を行う義務がある(通勤災害にはない)
③業務災害の休業期間中とその後30日間は解雇制限がある(通勤災害にはない)
④業務災害の時に受ける給付には療養補償給付、休業補償給付等、「補償」という名称が使われる(通勤災害は療養給付、休業給付、、となる)
また、単純に業務災害と通勤災害では、請求に使用する様式が異なります。
細かいですが、労働保険料のメリット制が適用されている事業所では、
通勤災害が起こっても労災保険率には影響がないという点も違いとして挙げられます。
事故のタイミングや場所によっては、業務災害なのか通勤災害なのか、悩むケースもあるかもしれません。
労働者への影響も少なからずありますので、
事実確認をしっかり行い、不明点は請求前に問い合わせるなどして、よく確認するのがよいでしょう。
(高村)