社労士コラム

2025年12月

有期労働契約の通算期間のカウントについて

2025.12.26.

有期労働契約には無期転換ルールがあります。
同じ使用者との間で、有期労働契約が「通算」5年を超えるときは
労働者の申出により無期労働契約に転換することが
労働契約法により決められています。

このほか有期労働契約では
雇用契約書で「通算」契約期間の上限の有無と内容を明示する、
上限を新設したり短縮する場合には事前にその理由を
労働者に説明しなくてはいけないといったルールがあり
有期労働契約特有の管理が必要となります。

ここで管理の中心とも言える、
「通算」契約期間について確認しましょう。
3か月や6か月など2つ以上の契約が続く場合に
「通算」することは基本事項として理解できますが、
契約と契約の間に空白期間がある場合はどうでしょうか。
再入社するケースなどです。
空白期間がある場合、それが6カ月以上であるときは
空白期間より前の期間は通算しません。
また、空白期間以前の通算契約期間が1年未満の場合には
その2分の1以上の空白期間があれば、
空白期間より前の期間は通算しません。
3年間の有期労働契約の後、
6ヶ月の空白期間を経て再び有期労働契約を結んだ場合は
通算契約期間はリセットとなりますし、
3ヶ月の空白期間でしたら通算します。
4か月の有期労働契約でしたら、
空白期間が2ヶ月以上か未満かで期間管理に違いがあります。

様々な事情により空白期間ができるケースもありますので、
通算契約期間の適切なカウントには注意が必要です。

(藤代)

休業補償の待期3日間

2025.12.19.

労災事故に遭った従業員が働けず、休業が必要になる場合があります。
①業務上の事由や通勤による負傷・疾病で療養するため、②労働することができず、③賃金が受けられない、という3要件を満たすと休業4日目以降について労災保険より休業補償等給付が支給されます(労災保険法第14条)。

では、最初の3日間(待期期間といいます)は補償がないのかというと、業務災害の場合には労働基準法にて事業主に補償の義務があります(労基法第76条)。

休業補償は、まず労基法76条で事業主に補償の義務があり、労災法14条により4日目以降は労災保険の給付があることから、労基法84条「この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる」として、事業主の補償責任が労災保険に委ねられているという構造になっているのです。
ちなみに通勤災害は労災法の規定で、労基法には規定がないので、事業主に待期期間の補償の義務はありません。

そうなると「初日はどこから数え、待期3日間はいつまでか」が重要になります。
これは労災が起こった時刻も関係していて、
(1)所定労働時間中に発生、所定労働時間中に一部休業して受診=労災事故発生日を初日
(2)所定労働時間中に発生、所定労働時間中は就業した後に受診、翌日から休業=労災事故発生翌日を初日
(3)所定労働時間外(残業中)に発生して受診、翌日から休業=労災事故発生翌日を初日
などのパターンがあります。

待期期間中、事業主は平均賃金の60%の補償を行う義務がありますが、(1)の一部休業の日において、計算の確認をしてみましょう。
平均賃金が10,000円の労働者が労災事故に遭い、その日の労働に対する賃金として4,000円が支払われていたとき、補償するべき額は平均賃金の60%である6,000円と、実際に支払った賃金4,000円の差額、2,000円としてしまいそうになります。
正しくは、事業主は平均賃金から実際に支払われた賃金を除いた部分に対して60%を補償する義務がありますので、平均賃金10,000円と、実際に支払った賃金4,000円の差額、6,000円に対しての60%、3,600円の補償が必要になります。

また、労基法76条に基づく休業補償は所得税法上、非課税所得となるので(所得税法施行令第20条)、給与に合算して支払う場合には誤って所得税の計算に算入しないよう注意が必要です。

労災による休業は頻繁にあることではないと思いますので、労災保険の申請方法のほうに気をとられてしまいますが、業務災害の場合、最初の3日間は事業主に補償の義務があることを見落とさないようにしましょう。

文中の「平均賃金」については千葉労働局の資料に詳しい解説がありました。
千葉労働局>労働基準部賃金室_平均賃金について
https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/content/contents/heikinchingin.pdf

(遠藤)

協会けんぽ給付金の電子申請が開始します。

2025.12.12.

2026年1月より、協会けんぽへの給付金申請が、
電子申請できるサービスが開始されます。

従来、協会けんぽへ紙を郵送して手続きをしていた、
傷病手当金や出産手当金などの給付金申請が、
電子申請の対象となります。
対象の申請はこちらからご確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/

サービス開始後は、「協会けんぽホームページ」または「けんぽアプリ」から、
被保険者・被扶養者・社会保険労務士が電子申請の利用が可能で、
申請情報を入力して必要な添付書類を電子ファイルでアップロードする流れです。

申請後は、審査中・返戻などの進捗を本人が確認できるので、
会社を通した進捗確認の負担がなくなるメリットがあります。

また、協会けんぽは「けんぽアプリ」の開始も予定しており、
このアプリで電子申請が利用可能になります。
「けんぽアプリ」では、今まで会社経由で行っていた健康情報や健診案内の発信を
今後は被保険者にアプリ経由で直接発信していく構想となるようです。

協会けんぽDXについて
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai137kai/2025091009.pdf

(斎藤)

育児休業等給付金のコールセンターができました

2025.12.05.

今年は4月から雇用保険で新たな給付金
出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金 
が始まりました。
弊所でも4月から申請を行っておりますが、
要件や添付書類が複雑であったり
処理に時間がかかるケースがあったりと
ハローワークへ直接電話で確認する機会が多くありました。

そのような状況が続くなか
R7年11月17日~
厚生労働省は育児休業給付金のコールセンターを設置しました。
>>厚生労働省リーフレット

コールセンターは労働者、事業主いずれも利用することができ
・育児休業(出生児育児休業)給付金、
・出生後休業支援給付金、
・育児時短就業給付金
について、確認することができます。

内容は、
・給付金の受給要件
・受給金額の計算方法
・申請方法、添付書類
・おおよその支給時期の目安
とされています。

今後、各給付金に関する確認は、こちらを利用されるとスムーズかもしれません。
ただ、イレギュラー処理で個別確認が必要な場合など
コールセンターでは対応できないこともあると思いますので
うまく使い分けていけたらよいと考えます。

(高村)

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