社労士コラム

2023年07月

永年勤続表彰金は社会保険の報酬等になるか

2023.07.28.

先月末、「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱に関する事例集」が一部改正され、永年勤続表彰金等に関する取扱いが明記されましたのでご紹介します。

事業主が長期勤続者に対して支給する金銭、金券又は記念品等(以下「永年 勤続表彰金」)は、「報酬等」に含まれるかどうかについて、下記内容が示されています。

≪永年勤続表彰金における判断要件≫
①~③すべて該当すれば、恩恵的に支給されるものとし、原則「報酬等」に該当しない。
① 表彰の目的
企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。
※支給に併せてリフレッシュ休暇が付与されるような場合は、より福利厚生としての側面が強いと判断される。
② 表彰の基準
勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。
③ 支給の形態
社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね5年以上のもの。

また、永年勤続表彰金については、会社ごとに様々な形態で支給される為、①から③一つでも満たさないからといって直ちに報酬等と判断するわけではなく、その性質について十分確認した上で総合的に判断するとしています。

これから勤続表彰金制度を作るような場合には、①から③の要件を満たした内容で設定すると分かりやすいですね。

(前田)

労災の申請書の様式と提出先

2023.07.21.

労災により医療機関等を受診する際は申請書を提出することになりますが、次の状況により申請書の様式や提出先が異なります。
①業務災害か、通勤災害か
②労災保険指定医療機関(以下、指定医療機関)か、指定医療機関以外か
③1軒目か、2軒目以降か

※指定医療機関では、無料で治療や薬剤の支給が受けられます(療養の給付)。
※指定医療機関以外では、一旦費用を全額自己負担しますが、後からその費用が支給されます(療養の費用の支給)。

よくあるケースは、
〝災害が発生したため、会社から距離が近いA病院を受診し、近くのB薬局で薬を処方してもらったが、通院するには距離があるため自宅近くのC病院で治療を受け、近くのD薬局で薬を処方してもらう〟
というものです。

【ケース1】ABCDすべて指定医療機関の場合
・A病院とB薬局に、業務災害(または通勤災害)用の療養の給付の請求書を提出します。
(様式:第5号または第16号の3)
・C病院とD薬局には、指定病院等(変更)届を提出します。
(様式:第6号)

【ケース2】ABは指定医療機関以外、CDは指定医療機関の場合
・労働基準監督署に、A病院とB薬局の業務災害(または通勤災害)用の療養の費用の請求書を提出します。
(様式:第7号または第16号の5)
・C病院とD薬局には、業務災害(または通勤災害)用の療養の給付の請求書を提出します。
(様式:第5号または第16号の3)

【ケース3】ABCDすべて指定医療機関以外の場合
・労働基準監督署に、各病院・薬局の業務災害(または通勤災害)用の療養の費用の請求書を提出します。
(様式:第7号または第16号の5)

ケース1のように指定医療機関を変更する場合、変更後の指定医療機関には第6号を提出しますが、更に変更する場合や同時に複数の医療機関を受診する場合も第6号を提出します。
しかし、指定医療機関以外を受診する場合の提出書類は、何軒目であっても第7号または第16号の5です。

指定医療機関かどうかは、厚生労働省のホームページから検索できます。
労災保険指定医療機関検索

また、申請書は、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
主要様式ダウンロードコーナー

(山田)

高校生等をアルバイトとして雇うときの注意点

2023.07.14.

夏休みになると高校生などの未成年者をアルバイトとして雇用する機会も増えるかもしれません。

未成年者は労働基準法により労働時間や就業できる業務に制限があります。
雇用する際には年齢を確認し、予定している業務に就かせることが可能であるか
事前に確認しおくことが重要です。

特に、18歳未満の年少者である高校生の場合は、
1.年齢証明書の備え付け
2.時間外労働の禁止(労働時間は1日8時間、週40時間を超えないこと)
2.深夜労働の禁止(22時から翌5時までの深夜時間帯の労働)
3.休日労働の禁止
4.危険有害業務の禁止
等が定められています。

また、各学校で「事前の許可制」を指導しているところもありますので、
許可の有無を本人に確認することも必要となります。

【参考:厚生労働省 高校生等を使用する事業主の皆さんへ】
(菊沢)

裁量労働制手続時の「労働時間の把握方法」について

2023.07.07.

専門業務型裁量労働制では協定の労基署への届出が、
企画業務型裁量労働制では6ヶ月ごとの労基署への定期報告が
必要とされており、その内容の一部としてどちらにも
「労働時間の把握方法」があります。

ここにはどのように記載しているでしょうか。
記載内容によっては労基署から実態確認の連絡が入ることがあります。

法的には客観的な記録による労働時間の把握が義務付けられていますので、
客観的な記録である「IDカード」「パソコンの使用時間記録」などの
記載が想定されています。
(労働安全衛生法第66条の8の3、労働安全衛生規則第52条の7の3)

やむを得ない場合には自己申告となるわけですが、
直行直帰で管理者の現認もできず、記録の手段もない場合など
限られた場面です。

「労働時間の把握」のための出退勤の記録については
同じ記録方法であってもその呼び方は「出勤簿」であったり
「タイムカード」であったり、人によって、あるいは会社によって
同じではないかもしれません。

ただ、裁量労働制の届出や報告手続時には
客観的記録により把握していることが
伝わる表現がスムーズでしょう。

(藤代)

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