社労士コラム

給与計算

月給制の割増賃金計算方法について

2021.05.28.

労働者が法定時間外勤務、深夜勤務、法定休日勤務等をした場合、割増賃金を支払う必要があります。
基本的な事ですが、月給制の場合の、正しい割増賃金計算方法を確認してみましょう。

●法定の割増率
法定時間外労働:60時間迄25% 60時間超50%※
法定休日労働 :35%
深夜時間帯労働:25%

※60時間を超えた場合の割増率については、中小企業は2023年3月末迄猶予されています
(法定の割増率は最低限の決まりなので、就業規則の規定が法定を上回っている場合は就業規則の割増率を優先します)

●割増賃金の計算方法
【 時間あたりの賃金額 × 時間外、休日または深夜の労働時間 × 割増賃金率 】

●月給制の場合の、時間あたりの賃金額の計算方法
【 月の所定賃金額 ÷ 月(平均)所定労働時間 】

●月(平均)所定労働時間の算出方法
【(年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間)÷12箇月 】

●月の所定賃金額から除外できる手当
・家族手当のうち、扶養家族の人数等に応じて算定されているもの
・通勤手当のうち、実際の費用や距離に応じて算定されているもの
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当のうち、実際の住宅費に応じて算定されているもの
・臨時に支払われる賃金
・1ヶ月を超える機関ごとに支払われる賃金

手当を新設したり、年間の労働日数が変わった場合などは、割増賃金の計算が適正か確認しておくと安心ですね。

(前田)

給与から保険料等を控除するタイミングと退職時の注意点

2021.04.23.

今回は、給与から保険料等を控除(天引き)するタイミングをまとめました。

当月控除:雇用保険料、所得税、住民税
翌月控除:健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料

◆雇用保険料、所得税
4月支給額から雇用保険料・所得税を算出し、4月給与にて控除します。

◆住民税
4月納付額を4月給与にて控除します。
各月の納付額は、市区町村発行の「特別徴収税額の決定・変更通知書」から確認します。

◆健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料
3月分保険料を4月給与にて控除します。
各月の保険料額は、保険料額表から確認します。

ここで迷うのが、
退職の際に「健康保険・介護保険・厚生年金保険料」をどの月分まで控除するか
です。

◆月末退職の場合
退職月分の保険料まで控除します。
(例)4月30日退職→4月分まで控除

当月払の会社は、4月給与で2ヶ月分(3・4月分)の保険料を控除できます。
勤怠分(時間外手当等)を翌月支払う場合も、退職月に控除することをおすすめします。勤怠分だけでは支給額が少なく、控除できない可能性があるためです。

◆月の途中に退職の場合
退職月の前月分の保険料まで控除します。退職月分の保険料は発生しません。
(例)4月15日退職→3月分まで控除

当月払の会社は、4月給与で1ヶ月分(3月分)を控除します。

退職日により異なるのは、保険料を「資格を取得した月」から「資格を喪失した月の前月」分まで、月単位で納付するためです。
月末退職は、資格喪失日が翌月1日になるので、退職月に保険料が発生します。

どの月分まで控除するか迷ったときは、「資格喪失日はいつなのか」を考えてみると整理できると思います。

(山田)

出産予定日より前に出産した場合の産前休業開始日について

2021.03.07.

産前産後休業期間中の社会保険料が免除となるのは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、
産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間です。

産前産後休業期間中の保険料免除の手続きは
産前産後休業期間中に届出が必要ですが、
予定日どおりに出産されるケースは少なく、
当初の届出と出産日がずれた場合は、
産休期間もずれますので、改めて変更届の提出が必要になります。

そこで、出産予定日より前に出産した場合の産前休業開始日についてですが、
上記のように、
「産前42日の間で、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間」があれば
産前休業開始日も早まります。
給与が有給・無給であるかは問われません。
(有休・公休・欠勤でも可)

産前休業開始日が早まった場合、
社会保険料免除の開始月も変更となる場合があります。
その場合はすでに徴収した社会保険料を返金する必要があるのでご注意ください。

【産前産後休業の社会保険料免除期間:
産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の属する月の前月分まで
(産前産後休業終了予定日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)】

参考:【日本年金機構:従業員が産前産後休業を取得したとき】

また、出産手当金の支給申請期間も変更となる場合がありますので、
注意が必要です。

(菊沢)

厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

2020.09.17.

令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限が、
第31等級:62万円(報酬月額605,000円以上)から
第32等級:65万円(報酬月額635,000円以上)に、変更になりました。

改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主に対しては、
令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」が発送されることとなっています。
(特別な手続きは不要です)

この改定により、令和2年9月に適用される標準報酬月額と実際に被保険者が受けている報酬との間に大きな乖離が生じるケースにおいては、
事業主からの届出により、標準報酬月額の特例的な改定を行うことができる場合があります。

具体的には、

①従前(定時決定)の標準報酬月額が62万円(報酬月額635,000円未満)であったところ、
5月に昇給(固定的賃金の変動)があり、3ヶ月の平均報酬月額が635,000円以上となった
→8月時点で随時改定には該当しないため、従前の報酬月額により9月以降の標準報酬月額は62万円と決定
※9月の月額変更(62万円→65万円)を届け出ることができます

②従前(定時決定)の標準報酬月額が62万円(報酬月額635,000円以上)であったところ
5月または6月に降給(固定的賃金の変動)があり、3ヶ月の平均報酬月額が605,000円以上635,000未満となった
→8月時点で随時改定には該当しないため、従前の報酬月額により9月以降の標準報酬月額は65万円と決定
※9月の月額変更(65万円→62万円)を届け出ることができます

のようなケースが考えられます。
なお、届出は紙媒体のみとなります。

まもなく通知書が発送されることとなりますが、
適切に処理できるよう、事前に社内の対象者を確認するなど、準備をすすめておくのが望ましいでしょう。

参考
日本年金機構 厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

(高村)

休業手当を支給した際の取り扱いについて

2020.05.19.

休業手当は労働基準法26条で、
使用者の責めに帰すべき休業の場合は平均賃金の60%以上を支払わなければならない、
と定められています。

コロナウイルス問題で休業し休業手当を支給した企業も多いと思いますので、
休業手当を支給した際の取扱いについて、確認しておきましょう。

1,労働基準法の賃金
休業手当は基本給などと同じ賃金として取扱いますので、
通常の給与計算業務のなかで処理することになります。
つまり労働基準法の賃金ですので、当然賃金支払の5原則も守る必要があります。
したがって休業手当だけを給与とは別に、あとから支給することなどはできません。

*賃金支払の5原則とは
①通貨で、②直接労働者に、③その全額を、
④毎月1回以上、
⑤一定期日を定めて支払わなければならない

2,社会保険料、雇用保険料、労災保険料の対象となる賃金
社会保険、労働保険(労災・雇用保険)のいずれにも対象となる賃金です。

3,源泉所得税の対象となる賃金
他の賃金と同様の取扱いのため、もちろん課税対象です。

以上のことから、他の賃金と同じ取扱いとなりますので、
全日休業となり、1ヶ月の賃金がすべて休業手当であっても、
その賃金から社会保険料や所得税等を控除することは可能です。

(松原)

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