社労士コラム

給与計算

2024年3月分からの健康保険料率と介護保険料率(協会けんぽ)

2024.02.15.

協会けんぽの2024年3月分(4月納付分)からの健康保険料と介護保険料の料額表が公開されました。
令和6年度保険料額表

保険料率は、22都道県が前年よりも引き下げ、24府県が引き上げ、1県が変更なしとなりました。
東京都は健康保険料率9.98%(前年度比-0.02%)、介護保険料率1.60%(前年度比-0.22%)で、昨年度より引き下げとなりました。

各都道府県の保険料率の前年度比は、下記からご確認いただけます。
令和6年度都道府県単位保険料率

保険料を翌月控除している場合は、4月支給給与から変更となります。
ただし、賞与の保険料は3月支給分から新しい保険料率で計算しますので、注意が必要です。

(山田)

定額減税(所得税・住民税)

2024.02.08.

「令和6年度税制改正の大綱」において、令和6年分の所得税について、
定額による所得税の特別控除(定額減税)を実施することとされました。
賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、
物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現の観点から、
所得税・個人住民税の定額減税の実施等を行うとしています。

現在、国会で税制改正案審議中ですが、法案が成立した場合には、
2024年6月から実施されます。
一人につき所得税3万円、住民税1万円が減税されるというものです。

国税庁のホームページにおいても、特設サイトが設けられました。
総務省から市区町村向けに住民税についてもQ&A集が公開されています。

【所得税】
対象者:令和6年分の所得税に係る合計所得金額1,850万以下の者
特別控除額:本人 3万円
      同一生計配偶者又は扶養親族 一人につき3万円
      ※居住者に該当するものに限る
実施方法:給与所得者については、令和6年6月1日以後最初の給与等につき
     源泉源泉徴収される所得税から特別控除額分を控除します。
なお、控除しきれない金額は、以後令和6年中に支払われる給与等に係る控除前源泉徴収税額から、順次控除されます。
また、同一生計配偶者等の変動による特別控除額の変更対応も含め、最終的には令和6年分の年末調整にて調整します。
(国税庁 定額減税特設サイト)

【住民税】
対象者:令和6年分の個人住民税に係る合計所得金額1,850万以下の者
特別控除額:本人 1万円
      控除対象配偶者又は扶養親族 一人につき1万円
      (国外居住者除く)
実施方法:給与所得者については、令和6年6月に給与支給時には特別徴収を行わず、
     特別控除の額を控除した後の個人住民税の額の11分の1の額を
     令和6年7月から令和7年5月までにそれぞれ給与の際に毎月徴収される
(総務省 個人住民税の定額減税(案)にかかるQ&A集)

一定の事務手続が必要となりますので、確認しておきましょう。
(菊沢)

賃金のデジタル払い

2024.01.26.

2023年4月1日に労働基準法施行規則が改正されたことにより、
賃金のデジタル払いが可能となりました。

デジタル払いが可能となる資金移動業者口座は、一定要件を満たしている
厚生労働大臣の指定を受けた「指定資金移動業者」のみで、
まだ指定を受けている資金移動業者はありませんが、
審査中の資金移動業者が2024年1月19日現在、4件あることが、
厚生労働省HPに公開されておりました。
指定資金移動業者については同HPの5.指定資金移動業者一覧に公開される予定です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html

指定資金移動業者でないとデジタル払いが導入できないため、
導入はまだもう少し時間がかかると思われますが、
賃金のデジタル払いについて、導入をする際の要件をお伝えいたします。

□労使協定の締結
賃金のデジタル払いの対象となる労働者の範囲や
取扱指定資金移動業者の範囲等を記載した労使協定を締結する必要があります。

賃金の口座振込み等について(通達:基発1128第4号)

□給与のデジタル払いについて、各労働者へ留意事項等の説明をし、同意を得る
指定資金移動業者口座への資金移動を希望する賃金の範囲及びその金額等の同意を得ます。

説明が必要な留意点については、下記の同意書の裏面に記載がございます。

同意書の参考例
多言語翻訳版も公開されております。

賃金のデジタル払いは会社に導入が強制されているものではありませんが、
導入を検討する際は、下記のサイトも参考にしてみてください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html

(斎藤)

賞与支払届(退職者の対応)

2023.12.27.

12月に賞与を支給するケースは多いと思います。

賞与を支給した際には社会保険料の控除や
賞与支払届の提出が必要となりますが、
退職者に賞与を支給した場合は
どのようになるでしょうか。

賞与支給日と退職日の関係によって以下のようになります。

①賞与支給日 12/5 ・退職日 12/20 (社会保険喪失日12/21)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月となるため控除なし
□賞与支払届
 社会保険喪失月に支給した賞与で、
 社会保険喪失日の前日までに支給された賞与の場合、
 賞与支払届の提出必要(年度:4月~翌年3月の累計額に算入※)

②賞与支給日 12/25 ・退職日 12/20 (社会保険喪失日12/21)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月となるため控除なし
□賞与支払届
 賞与支払届の提出不要

③賞与支給日 12/5 ・退職日 12/31 (社会保険喪失日1/1)
□社会保険料
 12月が社会保険喪失月ではないため(1月が喪失月)控除必要
□賞与支払届
 賞与支払届の提出必要

賞与を支給する際には要注意です。

なお、どのパターンでも雇用保険料の控除は必要です。
【参考:日本年金機構 従業員に賞与を支給したときの手続き】

※賞与に関する健康保険料の上限が1年間(4月から翌年3月)に支払われた賞与金額の累計額(573万円)となるため
(菊沢)

2024年の所定労働日数と所定労働時間

2023.12.22.

来年のカレンダーを目にする機会が増える時期となりました。
1月からの1年間でスケジュールを管理している会社では
すでにカレンダーの確認は済んでいる時期でしょうか。

土日以外を労働日とするなど曜日を基準に所定労働日数を決めている場合は
曜日の並びにより、各年により年間所定労働日数が変動しますが、
月給者の残業計算に影響がありますので、確認しておきましょう。

法定時間外労働や深夜労働時の割増賃金計算では、
「1年間における1か月平均所定労働時間数」を用いるため、
1年が改まる度に確認が必要となります。
割増賃金は、月額給与÷1か月平均所定労働時間✕割増率✕時間、で計算します。
なお、月額給与のうち出来高に応じた手当は
その月の総労働時間数を用いて計算するため
所定労働時間数に左右されません。

割増賃金計算は法律での規定事項(労働基準法施行規則第19条)であって
これを上回る(割増計算結果を大きくする)基準に問題はありませんが、
下回ることはできません。

1か月平均所定労働時間には、休日(労働義務がない)を含まず、
休暇(労働義務はあるが免除している)は含むことにも注意が必要です。

就業規則では、法令と同じく「1年間における1月平均所定労働日数」と定めている
場合のほか、「160時間」など具体的に数字を定めている場合もあります。
1年の始期を規定ではなく運用で決めていることもあります。
会社での規定方法と実際の計算で用いている数字が適切な数字となっているか
毎年の確認事項とすると確実です。

(藤代)

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