社労士コラム

2024年08月

こころの健康について

2024.08.30.

8月27日に令和6年版厚生労働白書が公表されました。

厚生労働省の政策報告等とは別にテーマが取り上げられていますが
今年は「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」です。
テーマ採用の背景には、精神疾患の外来患者数が増加傾向にあることなど、
こころの健康をめぐる現状への課題があるとされます。

また、7/25付の本スタッフコラム(こちら)でも触れていますが
過労死等の労災補償状況(令和5年度 厚生労働省)によると
精神障害に関する事案は5年連続で過去最高を更新しています。

実務の現場でも精神疾患が理由と思われる休職事案や
傷病手当金申請事案は珍しくないことなどから
こころの健康の存在感が大きくなっていることを感じます。

こころの健康を広くとらえると
職場でもハラスメント防止やストレスチェック、
社内教育や指導など、関連し、対応が求められることは
少なくありません。
これらの対応を講じる際に、厚生労働白書で
提供されている情報も参考になるのではと思います。

令和6年版厚生労働白書はこちらから。

(藤代)

賃金のデジタル払いの資金移動業者の指定が行われました

2024.08.23.

2023年4月より認められた賃金のデジタル払いですが、
デジタル払いを行うための資金移動業者(○○ペイなど)は、
厚生労働大臣の指定を受けた事業者である必要がありました。
事業者についての審査が行われており、
8月に資金移動業者の指定が行われました。

賃金のデジタル払いの導入には、
労働者代表との労使協定の締結と本人の同意を得ることが必要になり、
今回の資金移動業者の指定に際し、厚生労働省では労使協定の様式例が公開されました。
導入の流れとしては、下記となります。
・資金移動業者の確認、導入するサービスの検討
・労使協定の締結等
労使協定例はこちら
・労働者への説明
・労働者の個別同意取得
同意書例はこちら
・賃金支払いの事務処理の確認・実施

新たに企業向けのリーフレットも公開されており、
導入の流れの詳細が確認できます。

現在審査中の資金移動業者もあり、
今後利用できる資金移動業者の数も増えていく見込みです。

(斎藤)

令和5年度の監督指導結果を公表

2024.08.15.

厚生労働省は、7/25付のプレスリリースにて
「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」をとりまとめ公表しました。
(令和5年4月から令和6年3月までに実施)

発表によると、
・各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり 80 時間を超えていると考えられる事業場
・長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場
等、26,117事業場を対象として監督指導を行い、
そのうち11,610事業場(44.5%)で違法な時間外労働を確認し、指導を行ったとのことです。

その他の違反内容としては
・過重労働による健康障害防止措置が未実施の事業場が5,848事業場(22.4%)
・賃金不払残業が見られたのが1,821事業場(7.0%)
と続きます。

また、11 月には「過重労働解消キャンペーン」を実施し、
期間中は重点的な監督指導を行うことと発表しています。

実際のプレスリリースには、詳細な集計結果や指導事例、
長時間労働削減のための取り組み例などがまとめてありますので
労働時間管理の参考にされるとよいでしょう。

厚生労働省 「長時間労働が疑われる事業場に対する令和5年度の監督指導結果を公表します」

(高村)

障害者雇用の参考となる資料

2024.08.09.

障害者の法定雇用率は現在2.5%(労働者40人以上の企業から義務)、令和8年7月以降は2.7%(労働者37人以上の企業から義務)となっています。

多くの企業が、障害者雇用をする必要がありますが、これまで障害者を雇用してこなかった場合、どのような業務内容で採用したらよいか分からなかったり、せっかく障害者を採用する事が出来ても、どのように配慮したらよいか分からず定着しない事もあるようです。

今回は、厚生労働省が公開している、参考となりそうな資料をご案内いたします。

■除外率設定業種企業における障害者雇用モデルの構築事業
【概要版】
【全体版】

■障害別にみた特徴と雇用上の配慮

除外率設定業種とは、障害者の就業が一般的に困難とされる職種の労働者が相当な割合を占める業種として、除外率を設けられている業種の事です。平成14年の改正で廃止が決まっていますが、それまで適用を受けていた業種は経過的に除外率引き下げ途中となっています。
障害者雇用が困難な業種の事例は、多くの企業の方に参考にしていただけるものと考えます。

(前田)

雇用保険の給付金の支給限度額の変更

2024.08.02.

令和6年8月1日から適用される雇用保険の給付金の支給限度額が公表されました。
変更後の金額は下記のとおりです。

●高年齢雇用継続給付
・支給限度額 370,452円 → 376,750円
・最低限度額 2,196円 → 2,295円
・60歳到達時等の賃金月額
 上限額:486,300円 → 494,700円
 下限額:82,380円 → 86,070円

●介護休業給付
・支給限度額 上限額 341,298円 → 347,127円

●出生時育児休業給付
・支給限度額
 上限額(支給率67%) 289,466円 → 294,344円

●育児休業給付
・支給限度額
 上限額(支給率67%) 310,143円 → 315,369円
 上限額(支給率50%) 231,450円 → 235,350円

支給限度額は、毎月勤労統計の平均定期給与額を基に定められています。
景気等による賃金額の増減を反映するために、毎年見直しが行われていますが、令和4年以降は上昇しています。
今までは支給限度額以上の賃金を受けていたため支給対象外だった方も、限度額の変更により、今後は支給対象となる可能性がありますので、申請漏れがないように注意しましょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/001281481.pdf

(山田)

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