社労士コラム

2026年04月

ポータルサイト「みんなの労働ナビ」開設

2026.04.24.

令和8年3月、厚生労働省は労働に関する情報のポータルサイト「みんなの労働ナビ」を開設しました。

「みんなの労働ナビ」
https://www.mhlw.go.jp/roudou-navi/

働き方が多様化する中で、企業側、求職者側の双方から労働に関して信頼性の高い情報へ
アクセスしたいというニーズが高まっており、それらの声に答えた形ということです。

トップページから
◆求職者(就職・転職希望者、学生)
◆在職者(キャリア形成、働き方)
◆企業、事業主
◆支援者(キャリアコンサルタント、教育機関など)
と利用者別にメニューが選べるほか、「分野別で探す」「統計・労働市場分析」といったメニューもあります。

企業・事業主向けのメニューの中から、試しに〈自社の制度や働き方を見直したい〉というページを見てみると、
【働き方や環境の見直し】
【給与の見直し】
【多様な働き方に関する情報】
等のトピックがあります。

【働き方や環境の見直し】を選択すると、働き方改革の簡単な概要説明がされたあとに
「無期転換ルールや正社員への転換について」「テレワーク総合ポータルサイト」「育児休業制度特設サイト」などのサイトに移動できるようになっています。
ポータルサイト(情報の入口)ということで、最終的に行き着く先は従来からあるウェブサイトですが、いままでは全く違う検索ワードでしか表示されなかったそれぞれの情報に、【働き方や環境の見直し】という階層構造からたどり着けるようになりました。関心のある分野について横断的な情報収集をすることができると思います。

従来、知りたい情報をインターネットで検索しても「どれが正確な情報なのかわからない」「公的情報だと、どこに必要な情報があるのか探しにくい」といった状況がありました。公的情報は、実はインターネット上にも豊富にありますので、今回ポータルサイトができたことにより、活用のしやすさが向上することと思います。

この春から総務・人事部門に新しく配属になられた方も多いと思いますが、まずはこちらのポータルサイトを利用し〈雇用についての基礎知識〉ページから確認してみてはいかがでしょうか。

(遠藤)

保険料調整制度

2026.04.17.

社会保険の適用拡大は年々進んでおり
現在は、厚生年金保険の被保険者数が51人以上で特定適用事業所となり
短時間労働者が被保険者となりますが
令和9年10月からは、対象が同36人以上の事業所へ拡大する予定となっています。

それを見越して、今年R8年10月から、
保険料調整制度が開始されます。
この制度を利用した場合、事業主が被保険者の保険料を一時的に負担することにより、
対象となる被保険者の健康保険・厚生年金保険の保険料負担を、通算3年間軽減することができます。
事業主が一時的に負担した保険料は
一定期間経過後に追加負担分を調整することとなっており、
最終的に事業主が納付する保険料は増えません。
また、被保険者が将来受け取る年金額にも影響はありません。

対象となる事業所は以下、いずれかに該当する事業所です。
(1)令和8年10月1日以降、任意特定適用事業所になる事業所
(2)令和9年10月1日以降、順次対象となる事業所

対象となる被保険者は、以下いずれにも該当する被保険者です。
(1)短時間労働者として健康保険・厚生年金保険に加入する被保険者
(2)標準報酬月額が126,000円以下の被保険者

保険料の負担割合は、
制度利用の年数と、被保険者の標準報酬月額ごとに細かく定められています。

制度を利用するには、事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内に、事業主からの申し出が必要です。
様式などはこれから発表になるようです。

適用拡大により被保険者となる労働者にとっては、保険料負担はネックの一つになりますので
通常よりも少ない負担で社会保険に加入できることはメリットと言えるでしょう。
一方で、事業主にとっては一時的とはいえ負担が増加することや
給与処理時、保険料の確認が煩雑になることが予想されます。

来年の適用拡大による影響と照らし合わせて
制度を利用するかどうか、検討する必要がありそうです。

日本年金機構「保険料調整制度のご案内」

(髙村)

カスハラに関する実態調査結果

2026.04.10.

令和8年10月1日からカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化されますが、東京都では令和7年4月1日から「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されており、事業者には指針に基づき、体制整備・カスハラを受けた就業者への配慮・カスハラ防止手引の作成等の努力義務が定められています。

この度、東京都産業労働局から「令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査 報告書」が公表されましたので、企業アンケートの調査結果の一部をご紹介します。

・過去1年間の従業員からの相談
 相談を受けたことがある 12.4%
 相談を受けたことはないが、見聞きしたことはある 13.1%

・事案
 継続的な、執拗な言動(頻繁なクレーム、同じ質問を繰り返す) 61.8%
 威圧的な言動(大声で責める、反社会的な者とのつながりをほのめかす等) 55.5%
 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の要求等) 50.4%

・被った損害や被害
 従業員の仕事への意欲・やりがいの低下 77.0%
 通常業務の遂行への悪影響 65.1%
 従業員の離職 15.5%

・防止対策の具体的な取組状況
 相談窓口の整備 65.7%
 実態把握のための調査 52.9%
 カスハラを受けた従業員のケア 50.9%
 教育・研修等の実施 47.8%
 基本方針等の作成 43.0%
 就業規則の整備(準ずるものを含む) 42.7%
 労働者や労働組合等との意見交換・衛生委員会の活用等 42.3%

・防止対策を進める上での課題
 正当なクレームとの判断の難しさ 71.1%
 ノウハウ不足 30.7%
 発生状況の把握が困難 30.4%

・防止のために特に効果があると思う取組
 カスハラを受けた従業員が相談できる窓口の整備 44.3%
 実態把握のための調査 41.1%
 カスハラを受けた従業員のケア 39.2%

・カスハラを受けた従業員のケアに関する取組状況
 上司や同僚によるサポート 65.7%
 現場における対応の引き継ぎ 52.9%
 カスハラを受けた従業員が相談できる窓口の整備 50.9%

カスハラ対策の義務化まで残り半年となりました。
弊所でもハラスメント規程策定サービス・相談窓口サービスハラスメント研修等を実施していますので、ご相談いただければと思います。

令和7年度 カスタマーハラスメントに関する実態調査 報告書

(山田)

現物給与の価額改正

2026.04.03.

健康保険、厚生年金保険、労働保険などで用いる現物給与の価額について、
一部改正が行われ、令和8年4月1日と令和8年10月1日から順次適用されます。
日本年金機構からは、Q&A付きの資料が公表されています。
【日本年金機構】令和8年4月から現物給与の価額改正されます

今回の改正は、見直しが2段階で行われます。
4月1日からは、「食事で支払われる報酬等に係る現物給与の価額」、
10月1日からは、「住宅で支払われる報酬等に係る現物給与の価額」が改正されます。

なかでも特に注意したいのは住宅の取扱いです。
今回は単に価額が見直されるのではなく、算出方法そのものが変更されます。

従来は、居住面積1畳当たりの価額をもとに計算していましたが、
10月1日以降は、総面積1㎡当たりの価額をもとに計算する方法に変わります。
また、これまではリビング、ダイニング、寝室など居住用の室を対象とし、
玄関、キッチン、トイレ、浴室、廊下などは含めていませんでしたが、
10月1日以降は、居住する住宅の床面積の合計(総面積)を対象として計算することになります。

現物給与として食事や住宅を扱っている企業では、
4月は食事、10月は住宅という適用時期の違いを押さえるとともに、
特に住宅については計算の前提が変わる点を早めに確認しておくと安心です。

弊所では、社会保険手続きや給与計算業務などのアウトソーシングを通じて、
企業の業務負担軽減と実務の適正化をサポートしております。
詳しくはこちらをご覧ください。

(菊沢)

 
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