社労士コラム

社会保険

セクハラ発言の例示

2025.11.14.

職場におけるセクハラは
「性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの」とされ、
セクハラ防止のために事業主が講ずべき措置などが
男女雇用機会均等法に規定されています。
これを受け指針やパンフレットではセクハラの典型例として
次の言動を例示しています。
・勤務先の廊下等で上司が女性部下の腰や胸に触ったため、
当該女性労働者の就業意欲が低下している
・同僚が社内や取引歳に対して
労働者に係る性的な内容の噂を流したため
当該労働者が苦痛に感じ仕事が手につかない

セクハラの状況は多様であり、平均的な労働者の受け取り方が
判断基準のひとつともされていることから
特に発言については例示が難しいことが想像されますが
「ホモ」「オカマ」「レズ」を含む言動と「〇〇(名前)ちゃん」は
例示が確認できます。

・「ホモ」「オカマ」「レズ」を含む言動
セクハラ防止啓発のパンフレットにおいて、
セクハラは相手の性的志向や性自認にかかわらず該当することがあり、
ホモ等を含む言動はセクハラの背景にもなり得ると注意を促しています。
セクハラパンフレットはこちら

・「〇〇(名前)ちゃん」
労災(心理的負荷による精神障害)の認定基準において
「〇〇ちゃん」等のセクハラに当たる発言をされたことは、
心理的負荷の評価に値する例とされています。
労災認定基準はこちら

いずれも例示ではありますが、使われる背景や環境を想像すると
問題を含んでいるとも考えられ、重みのある例示にも見えます。
社内でのセクハラ防止措置時に
こうした例示の解説も有効ではないかと思います。

(藤代)

退職後の年金手続きについて

2025.10.10.

退職後の年金手続きは、退職後の状況(再就職する、扶養に入る等)や退職者の年齢によって異なります。
退職者から退職後の手続きについて問合せを受けることもあると思いますので、年齢別に手続きをご案内します。

①60歳未満
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
原則、厚生年金保険に加入します。
手続きは、再就職先の会社が行います。

●扶養家族になる場合
国民年金に加入し、第3号被保険者となります。
手続きは、家族が勤務する会社が行います。

●上記に該当しない場合
国民年金に加入し、第1号被保険者となります。
手続きは、ご本人または世帯主が住所地の市区役所にて行います。「マイナポータル」からマイナンバーカードを利用して、電子申請することも可能です。

②60~64歳
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
原則、厚生年金保険に加入します。
厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受給する場合は、支給額が調整される場合があります。さらに、雇用保険法の高年齢雇用継続給付を受ける場合は、老齢厚生年金の一部(最高で標準報酬月額の4%)が支給停止されます。

●上記に該当しない場合
原則、手続きはありません。
65歳になる前に年金を受け取りたい場合は、繰上げ受給の請求を行います。ただし、ハローワークで求職の申込みをしたときは、失業給付の受給有無に関係なく、一定期間は老齢厚生年金が全額支給停止されます。
※受給資格期間が10年未満の場合と満額(40年間保険料納付分)の老齢基礎年金が受けられない場合は、国民年金の任意加入が可能です。手続きは、ご本人が住所地の市区役所か年金事務所にて行います。

③65歳以上
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
70歳未満の場合は原則、厚生年金保険に加入します。70歳以上の場合は70歳以上被用者に該当しますが、被保険者ではないため保険料負担はありません。手続きはいずれも、再就職先の会社が行います。
老齢厚生年金を受給する場合は、支給額が調整される場合があります。

●上記に該当しない場合
年金を受け取りたいタイミングで、自宅に送付されている「年金請求書」を年金事務所(加入期間がすべて国民年金第1号のみの場合は住所地の市区役所)へ提出します。
75歳まで繰下げ受給が可能なため、繰り下げる場合は手続きはありません。
※受給資格期間が10年未満の場合のみ、国民年金の特例任意加入が可能です。手続きは、ご本人が住所地の市区役所か年金事務所にて行います。

日本年金機構からは、退職者向けに年金手続き等を説明したパンフレットが公開されています。
退職後の年金手続きガイド

退職後の健康保険手続きは、こちらの過去のコラムをご覧ください。

(山田)

職場の健康診断実施強化月間

2025.09.12.

9月は「職場の健康診断実施強化月間」です。
健康診断を実施した際には事業主が実施しなければならない事項があります。
1.定期健康診断結果の労働者への通知と保管義務
事業者は受診者全員に所見の有無にかかわらず健康診断結果を文書で通知する必要があります。また、事業主は健康診断個人票の作成と5年間の保存義務があります。
2.定期健康診断後の措置の実施
事業主は有所見者に対する医師からの意見聴取、医師の意見を勘案した必要な事後措置①就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等。②作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備。③医師の意見の衛生委員会等への報告等を講じなければな  りません。
3.定期健康診断の結果に基づく保健指導の実施
有所見者で特に必要な人に対して、医師等(医師、保健師)による食生活等の保健指導を行うよう努め、労働者自身も保健指導等を利用して、その健康の保持に努める必要があります。

産業医の選任義務のない事業場においては、医師からの意見聴取の機会を作るのが難しいこともあるかと思います。利用回数に制限はありますが、地域産業保健センターでは労働者50人未満の小規模事業場の事業主や小規模事業場で働く労働者を対象として、労働者の健康管理(メンタルヘルスを含む)に係る相談・健康診断の結果について医師からの意見聴取・長時間労働者及び高ストレス者に対する面接指導・個別訪問による産業保健指導のサービスを無料で提供していますので、利用してみてはいかがでしょうか。

社員の健康増進は、社員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化につながると期待されます。これを機会に有所見率改善に向けて取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。

厚生労働省リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001547048.pdf

(齋藤)

仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

2025.08.22.

育児・介護休業法の改正により、令和7年4月から事業主には、社員の仕事と介護の両立支援の実施が義務付けられています。

その中の次の3点について、厚生労働省から実務的な支援ツールが公表されています。
・介護離職防止のための雇用環境整備
・両立支援制度等の早期(40歳)の情報提供
・介護に直面した労働者への個別の制度周知・意向確認
企業・有識者等のヒアリングや研究会の議論等を基に、取り組みの意義や各取り組みのポイント、具体的な対応方法がまとめられています。
早期の情報提供用の配布資料や相談を受けた際の面談シート等のツールも用意されていて、自社用にカスタマイズして使用することができます。
これから準備する場合だけでなく、自社の取り組みの見直し用としても、利用可能です。

なお、弊所では雇用環境整備の選択措置(研修の実施、相談窓口の設置、事例の収集・提供、利用促進に関する方針の周知)の1つである研修や、介護に直面した労働者への個別説明・意向確認を行う介護支援面談サービスを行っています。

企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

(山田)

マイナ保険証を持っていない人への「資格確認書」送付について

2025.06.27.

昨年(令和6年)12月2日以降、新たな健康保険証の発行は行われておらず、
現在手元にある健康保険証も本年(令和7年)12月2日をもって使用ができなくなります。

今後、医療機関等を受診する際は、マイナンバーカードに健康保険証の利用登録を行った「マイナ保険証」が基本となりまが、
マイナ保険証を持っていない人(※)については、「資格確認書」が必要となるため、
協会けんぽ(全国健康保険協会)では以下のとおり資格確認書を送付する運用が予定されています。
全国健康保険協会(協会けんぽ)「マイナ保険証をお持ちでない方へ 資格確認書をお送りします」

送付対象者:
 令和6年11月29日までに健康保険の資格取得または被扶養者認定された方のうち、
 令和7年4月30日時点でマイナ保険証を持っていない被保険者

送付予定時期:
 令和7年7月下旬 ~ 10月下旬にかけて順次発送予定
 ※東京都は8月1日以降の発送開始予定

送付方法:
 特定記録郵便にて、被保険者の自宅住所宛に郵送されます
 ただし、住所不備や転居等により不着となった場合は、
 勤務先(事業所)宛てに再送される場合があります。

なお、健康保険証の回収について
令和7年12月1日までに資格喪失となった場合は、
従来どおり健康保険証の回収が必要ですが、
12月2日以降に資格喪失となる場合、保険証の回収は不要となります。

※「マイナ保険証を持っていない」とは以下のいずれかのケースに該当する方が対象
 ・マイナンバーカードをそもそも所持していない
 ・マイナンバーを協会けんぽへ提出していない
 ・マイナンバーカードの健康保険証利用登録が未済である
 ・電子証明書の有効期限が切れており、マイナ保険証として利用不可の状態

従業員の中には、マイナンバーカード未所持や利用登録未済の方も一定数存在します。
問い合わせ等に備えてスケジュールや運用を確認しておくと安心です。
(菊沢)

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