社労士コラム

社会保険

36協定の提出様式の種類と選び方

2026.05.01.

年度の切り替わり前後を36協定(時間外・休日労働に関する協定届)の見直し時期としている企業も多いと思います。
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(通称:働き方改革関連法)の施行で36協定のルールが整理され、36協定の様式は一般条項・特別条項に加えて業種別特例が整備され、以前より複雑になりました。
今回は様式の種類と選び方について整理します。

36協定の様式は3つの系統に分類されます
・一般条項(様式第9号)
・特別条項付き(様式第9号の2)
・業種別特例(建設・運転・医師・研究開発)

■一般条項(様式第9号)
時間外労働が月45時間かつ年360時間以内に収まる場合に使用する標準様式です。
【作成前の確認ポイント】
・時間外労働の上限時間を超えないか
・休日労働の有無
・対象労働者の範囲
・労働者代表の選出手続
(管理監督者は代表になれない、会社が指名してはならない、民主的な選出が必要)

■特別条項付き(様式第9号の2)
繁忙期など月45時間を超える、または年間で360時間を超える可能性がある場合に使用します。
※休日労働は時間外労働の上限時間(月45時間・年360時間)には含まれませんが、特別条項の上限規制(下記参照)には算入されます。
【作成前の確認ポイント】
・特別条項の発動要件(理由・手続・対象者など)を明確にする
・上限規制を遵守すること
年720時間以内、2~6か月平均80時間以内(休日労働含む)、月100時間未満(休日労働含む)、発動は年6回以内

■業種別特例(専用様式)
建設業・自動車運転・医師・研究開発など、上限規制に特例がある業務は専用様式を使用します。
•建設業:9号の3の2(一般)/3の3(特別)
•自動車運転:9号の3の4(一般)/3の5(特別)
•医師:9号の4(一般)/9号の5(特別)
•研究開発:9号の3

■提出様式を決めるときの考え方
①一般条項で足りるか
②特別条項が必要か
③業種別特例の対象か

締結に向けて、繁忙期の見込みや業務内容を早めに確認しましょう。
参考:厚生労働省 東京労働局「時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)
(小林)

保険料調整制度

2026.04.17.

社会保険の適用拡大は年々進んでおり
現在は、厚生年金保険の被保険者数が51人以上で特定適用事業所となり
短時間労働者が被保険者となりますが
令和9年10月からは、対象が同36人以上の事業所へ拡大する予定となっています。

それを見越して、今年R8年10月から、
保険料調整制度が開始されます。
この制度を利用した場合、事業主が被保険者の保険料を一時的に負担することにより、
対象となる被保険者の健康保険・厚生年金保険の保険料負担を、通算3年間軽減することができます。
事業主が一時的に負担した保険料は
一定期間経過後に追加負担分を調整することとなっており、
最終的に事業主が納付する保険料は増えません。
また、被保険者が将来受け取る年金額にも影響はありません。

対象となる事業所は以下、いずれかに該当する事業所です。
(1)令和8年10月1日以降、任意特定適用事業所になる事業所
(2)令和9年10月1日以降、順次対象となる事業所

対象となる被保険者は、以下いずれにも該当する被保険者です。
(1)短時間労働者として健康保険・厚生年金保険に加入する被保険者
(2)標準報酬月額が126,000円以下の被保険者

保険料の負担割合は、
制度利用の年数と、被保険者の標準報酬月額ごとに細かく定められています。

制度を利用するには、事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内に、事業主からの申し出が必要です。
様式などはこれから発表になるようです。

適用拡大により被保険者となる労働者にとっては、保険料負担はネックの一つになりますので
通常よりも少ない負担で社会保険に加入できることはメリットと言えるでしょう。
一方で、事業主にとっては一時的とはいえ負担が増加することや
給与処理時、保険料の確認が煩雑になることが予想されます。

来年の適用拡大による影響と照らし合わせて
制度を利用するかどうか、検討する必要がありそうです。

日本年金機構「保険料調整制度のご案内」

(髙村)

現物給与の価額改正

2026.04.03.

健康保険、厚生年金保険、労働保険などで用いる現物給与の価額について、
一部改正が行われ、令和8年4月1日と令和8年10月1日から順次適用されます。
日本年金機構からは、Q&A付きの資料が公表されています。
【日本年金機構】令和8年4月から現物給与の価額改正されます

今回の改正は、見直しが2段階で行われます。
4月1日からは、「食事で支払われる報酬等に係る現物給与の価額」、
10月1日からは、「住宅で支払われる報酬等に係る現物給与の価額」が改正されます。

なかでも特に注意したいのは住宅の取扱いです。
今回は単に価額が見直されるのではなく、算出方法そのものが変更されます。

従来は、居住面積1畳当たりの価額をもとに計算していましたが、
10月1日以降は、総面積1㎡当たりの価額をもとに計算する方法に変わります。
また、これまではリビング、ダイニング、寝室など居住用の室を対象とし、
玄関、キッチン、トイレ、浴室、廊下などは含めていませんでしたが、
10月1日以降は、居住する住宅の床面積の合計(総面積)を対象として計算することになります。

現物給与として食事や住宅を扱っている企業では、
4月は食事、10月は住宅という適用時期の違いを押さえるとともに、
特に住宅については計算の前提が変わる点を早めに確認しておくと安心です。

弊所では、社会保険手続きや給与計算業務などのアウトソーシングを通じて、
企業の業務負担軽減と実務の適正化をサポートしております。
詳しくはこちらをご覧ください。

(菊沢)

令和8年度の労災保険料率・雇用保険料率が発表されました。

2026.03.13.

令和8年度の労災保険料率・雇用保険料率が発表されました。

労災保険料率は、令和8年度は令和7年度から変更はありません。
労災保険料は事業主が全額負担する保険料であり、
労働者から徴収することはなく、
変更があっても給与計算上は影響しません。
例年6月に行う労働保険料の年度更新では、
労災保険料の申告を行うので、
自社の業種区分や料率の確認を改めて行うと確実です。

一方、雇用保険料率には変更があり、
昨年より引き下げで決定されました。
一般の事業の場合の労働者負担分は0.5%となりました。
労働者負担分は給与計算で控除するため、
給与計算ソフトの料率の変更適用が必要です。
労働保険料の年度更新では、
令和8年度の概算保険料は新しい料率を適用します。

また、3月分保険料から、健康保険・介護保険の料率の変更(協会けんぽ東京)や、
4月分保険料から子ども子育て支援金の創設もあり、
給与計算時の保険料控除について注意が必要です。

参考:
・令和8年度労災保険料率
https://www.mhlw.go.jp/content/roumuhiritu_r05.pdf
・令和8年度雇用保険料率
https://www.mhlw.go.jp/content/001672589.pdf
・健康保険・介護保険の料額表(協会けんぽ東京支部)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r8/ippan/R8_13tokyo.pdf
・子ども子育て支援金制度
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/0049a2f8/20260226policies-kodomokosodateshienkinseido-11.pdf

(斎藤)

令和8年3月分(子ども・子育て支援金は4月分)からの協会けんぽの保険料率

2026.02.20.

令和8年3月分(4月納付分)からの協会けんぽの保険料率が協会けんぽのHPで公表されました。

令和8年度保険料率のお知らせ | 全国健康保険協会
令和8年度保険料額表(令和8年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

令和8年度は保険料率が、
・引き下げ:40都道府県
・引き上げ:なし
・据置き:7都道府県
となっています。
東京都では、9.85%(事業主・被保険者:4.925%)で、前年度の9.91%から引き下げとなっています。

介護保険料率(全国一律)については、1.62%(事業主・被保険者:0.81%)となり、
前年度の1.59%から引き上げとなっています。
令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 協会けんぽ | 全国健康保険協会

保険料率の改定は3月分(4月納付分)から適用されますので、
4月給与から控除される保険料が対象となります。
3月に賞与支給がある場合は、変更後の保険料率で計算することになりますので、ご注意ください。

なお、子ども・子育て支援金の控除開始は、令和8年5月支払給与分からです。
給与計算ソフトの設定変更や控除項目の確認を早めに行っておきましょう。

さらに、令和8年度の雇用保険料率についても、引き下げが予定されています(正式決定は今後の告示により確定)。
年度替わりは改定が重なる時期です。適用月と控除月を確認し設定変更を忘れないようにしましょう。

(菊沢)

 
エキップ給与計算サービス
エキップオリジナルサービス
給与計算改善コンサルティング
RECRUIT
給与計算の最強チェックリスト
濱田京子著 出版書籍
濱田京子コラム
社労士コラム

お電話でのお問い合わせ

03-5422-6550

受付時間: 平日 9:00 〜 17:00

メールでのお問い合わせ