社労士コラム

育児・介護

育児給付金等を受給中に退職した場合の給付金について

2025.05.02.

育児休業中に支給される雇用保険の各給付金は
退職した場合は支給されませんが退職日までは支給されます。
この取り扱いは令和7年4月以降の退職の場合で、
令和7年3月までの退職の場合は、退職日を含む支給単位期間の
一つ前までの支給期間が支給対象でした。

取り扱いが変更になりましたので
退職者への説明時や、手続き時に誤りの無いよう注意が必要です。

また、育児に関連する給付金は令和7年4月から4つとなりましたが、
退職した場合の給付金の支給期間は以下のとおり異なります。

■休業に対する給付金
・①育児休業給付金/②出生時育児休業給付金/③出生後休業支援給付金
→退職日まで支給される

■就業に対する給付金
・④育児時短就業給付金
→月の初日から末日まで続けて雇用保険の被保険者であることが条件のため
月の途中で退職した場合は、その月は支給されない。
(月の末日に退職した場合は結果として退職日まで支給される)

なお、高年齢雇用継続給付金は月の初日から末日まで続けて、
介護休業給付金は支給単位期間の初日から末日まで続けて、
雇用保険の被保険者であることが条件のため、
退職した場合は、退職日によって支給される期間が決まります。

(藤代)

育児時短就業給付金が創設されます

2025.02.28.

R7年4月~ 雇用保険に育児時短就業給付金が新設されます。
2歳未満の子を養育するために
育児時短就業をする雇用保険の被保険者が対象です。

育児休業給付金の対象となる育児休業に引き続いて育児時短就業を開始しているか、
育児時短就業開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があることが要件です。

支給額は、育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額で
育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されます。

支給申請は2か月ごとに行います。
育児休業に引き続いて育児時短就業を開始している場合は
育児休業給付金の賃金月額がそのまま育児時短就業開始時の賃金水準となりますが
育児休業終了後、15日以上空けて育児時短就業を開始した場合は
育児時短就業を開始した日からさかのぼって、
改めて賃金登録が必要となります。

また、申請には育児時短就業の開始日、週の所定労働時間を確認できる書類
(育児時短就業申出書や通知書)の添付が必要となりますので、
あらかじめ揃えておくとよいでしょう。

なお、R7年4月より前に育児時短就業を開始している被保険者で
要件に該当する場合は、
R7年4月1日を育児時短就業開始日とみなして
賃金登録を行うこととなります。

参考
育児時短就業リーフレット

育児時短就業給付の内容と支給申請手続

(高村)

R7.4月~出生後休業支援給付金の創設

2025.01.17.

R7年4月1日~
共働き・共育てを推進するため、「出生後休業支援給付金」が創設されます。
両親双方が一定期間のうちに
14日以上の育児休業または出生児育児休業を取得した場合、
最大28日間、育児休業給付金または出生児育児休業給付金に
13%上乗せして支給される、という内容です。
受給開始後6か月間の給付率67%と合算すると最大80%の給付率となり
実質、手取り相当額が受給できるという想定です。

具体的な支給要件は、
①被保険者が、対象期間に出生時育児休業給付金が支給される出生時育児休業、
 または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して14日以上取得したこと。
②被保険者の配偶者が、出生児育児休業が取得可能な期間に
 通算して14日以上の育児休業を取得したこと
 または、子の出生日の翌日において
 「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること。
※ここで言う育児休業は給付金の対象となる育児休業を意味します。

となります。
先日公開されたリーフレットの図がイメージしやすいように思います。
リーフレット「出生後休業支援給付金」を創設します

支給要件②の「配偶者の育児休業を要件としない場合」は
具体的に7つに分類されています。
1.配偶者がいない(行方不明の場合(一定要件あり)も含む)
2.配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない
3.被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
4.配偶者が無業者
5.配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない
6.配偶者が産後休業中
7.1~6以外の理由で配偶者が育児休業をすることができな

それぞれの場合において、申請に必要な添付書類が異なります。
住民票や戸籍謄本、課税証明書等公的書類が必要になる場合もありますので
意向確認のタイミングなどで案内できていると
申請がスムーズではないでしょうか。

詳細な要件や具体的な添付書類は
「育児休業等給付の内容と支給申請手続 (R7年1月1日改訂)」
13ページ以降で解説されています。

(高村)

養育特例に係る添付書類の省略

2025.01.06.

以前のコラムでも紹介しておりますが、
申出者と子に日本の戸籍があり、
申出者および子の双方の個人番号が記入されている場合は、
戸籍抄本等の添付書類が不要でしたが、
令和7年1月1日からは、上記扱いに加え、
申出者が使用される事業の事業主が続柄を確認したときは
戸籍抄本等の添付が不要となります。
具体的には、養育特例の申出書(養育期間標準報酬月額特例申出書)の
届出書の「確認済み」の□にチェックを付している場合に添付省略が可能となります。

従前の様式の場合は、備考欄に事業主が続柄を確認済みである旨を記載することでの対応となります。

通達が、年金局の新着の通知(令和6年12月25日掲載)として、
厚生労働省のホームページにおいて公表されています。
<厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令の施行に伴う養育期間標準報酬月額特例申出書の取扱いについて(令和6年年管管発1223第3号)>

添付書類の案内に影響がありますので、内容を確認しておくと安心です。
(菊沢)

マイナンバー連携による養育特例の添付書類省略

2024.11.29.

マイナンバーを活用した行政機関間の情報連携の本格運用が開始され、一部の手続きで戸籍関係情報の書類提出が省略できるようになりました。その中の1つに、養育特例(養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置)があります。

養育特例は、3歳未満の子の養育期間中に社会保険の標準報酬月額が低下した場合であっても、将来受け取る年金額には影響しない(該当の子を養育する前の標準報酬月額に基づいた年金額を受け取ることができる)制度です。

養育特例が適用されるためには、会社が被保険者からの申出を受けて、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を日本年金機構へ提出する必要があります。

添付書類は原則、「戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書」と「住民票の写し」が必要ですが、次の①②どちらも満たす場合は添付書類の省略が可能となります(省略した場合、審査完了までに1ヶ月程度期間を要する場合があります)。
①被保険者と養育する子に日本の戸籍があること
②被保険者と養育する子のマイナンバーを申出書に記載すること
※今までは、住民票の写しのみ省略可能でしたが、令和6年11月1日からはどちらも省略可能となりました。

手続きの詳細は、日本年金機構のホームページからご確認いただけます。
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

(山田)

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