社労士コラム

2019年09月

年次有給休暇の付与要件

2019.09.27.

2019年4月1日より、年に10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し
年5日については、使用者が確実に取得させることが義務となりました。
これは規模の大小を問わず、すべての企業が対象となっています。

労働基準法第39条では年次有給休暇の付与の要件の一つに、
「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、
継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければいけない」と定めています。

出勤率の8割は、次のように計算します。
<出勤率=出勤日÷全労働日>

出勤日とは、所定労働日で出勤した日、出勤したものとされる休業日を言います。
<出勤日=所定労働日で出勤した日+出勤したものとされる休業日>

出勤したものとされる休業日については、次の休業期間が含まれます。
・業務災害による休業期間
・育児休業・介護休業の期間
・産前産後の休業期間
・年次有給休暇を取得した期間

また全労働日とは、総暦日数から所定休日を除いた労働日を言います。
<全労働日=総暦日数-所定休日>

全労働日には、次の日については含みません。
・使用者の責めに帰すべき事由によって休業した日
・休日労働をさせた日

労働者ごとに入社日が異なる場合は、管理が煩雑になることもあります。
使用者は年次有給休暇管理簿を作成し、労働者に確実な年5日の年次有給休暇取得を促しましょう。

参考:厚生労働省 働き方改革関連法に関するハンドブック

(傳田)

令和元年度地域別最低賃金

2019.09.13.

都道府県ごとに定められている「地域別最低賃金」は
毎年10月頃改定されることとなっておりますが、
2019年(令和元年)の最低賃金の改定額が決定しました。

地域別最低賃金の全国一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
各都道府県によって発効日が異なっていますので、金額及び発効日を確認し、
発効日以降の労働日については、改定後の最低賃金を適用した賃金を支払わなければなりません。

たとえば発効日が令和元年10月1日の場合で、
賃金計算締切日が毎月20日締めの月末日払いだった場合、
原則は締日には関係なく、10月1日以降の労働分から新最低賃金を適用しなければなりません。

つまり同じ計算期間で9月21日から9月30日までが旧最低賃金、
10月1日から10月20日が新最低賃金での適用となるので、
計算期間途中での変更となり、計算が煩雑となってしまいます。

こうした不都合を避けるために、改定された最低賃金発効日の
直前の賃金計算締切日(8月21日~9月20日)までは旧最低賃金を適用し、
次の賃金計算締切日(9月21日~10月20日)からは改定された新最低賃金を適用とする
対応が考えられます。

時給者の賃金が最低賃金を下回っていないかを確認するとともに、
月給者についても1時間あたりの賃金額を算出して確認しておきましょう。

政府は2016年以降毎年3%程度ずつ(2019年は3.1%)最低賃金を引き上げ、
全国平均1,000円を目指すと表明しています。

【参考:厚生労働省 最低賃金制度の概要】
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-09.htm
(菊沢)

エキップオリジナルサービス
給与計算改善コンサルティング
RECRUIT
給与計算の最強チェックリスト
濱田京子著 出版書籍
濱田京子コラム
社労士コラム

お電話でのお問い合わせ

03-5422-6550

受付時間: 平日 9:00 〜 17:00

メールでのお問い合わせ