女性の職業生活において個性と能力が十分に発揮できる社会を実現するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が2016年に施行され、さらに、女性活躍推進法に基づき常時雇用する労働者301人以上の事業主を対象として、2022年7月からは、男女の賃金の差異の情報公表が義務付けられています。
男女間賃金差異は依然として大きく、一般労働者の男性の平均賃金水準を100としたときに、一般労働者の女性の平均賃金水準は令和5年で74.8%でした。この差異は男女の管理職比率や平均勤続年数に差異があることが主な原因となっています。
管理職比率は長期的には上昇傾向にありますが、国際的に見るとスウェーデン41.7%に対して日本は12.9%と非常に低くなっています。勤続年数についても令和5年で男性13.8年に対して女性9.9年とおおよそ4年も短くなっています。
男女間賃金差異解消のために、賃金・雇用管理に問題がないか、以下3つの視点から見直してみてはいかがでしょうか。
①公正・明確かつ客観的な賃金・雇用管理制度の設計とその透明性の確保
例:出産・育児がハンデにならない評価制度や両立支援制度を整備する
②配置や仕事配分、人材育成など、賃金・雇用管理の運用面における取り扱いの見直し改善
例:男女で異なる取り扱いになっていないか見直しをする
③過去の雇用管理や固定的な男女の役割分担意識によって事実上生じている格差を解消するための取組
例:女性活躍推進法に沿って、自社の女性活躍に関する行動計画を策定し、研修の積極的な実施等への取り組みを行う
男女間の賃金格差解消のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001429995.pdf
男女間賃金差異分析ツールも公表されています。
同業種・同従業員規模の企業データと比較することで、自社の強みや課題の把握、要因分析ができます。また、同業他社の参考値を見ることもできます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
(齋藤)