「雇用保険」一覧

高年齢雇用継続給付の申請実務

2021-01-24

雇用保険では5年以上雇用保険に加入していた60歳以上65歳未満の加入者に対して
60歳以降の給与額が60歳までの給与額に比べ75%未満に低下した場合に
低下後の給与額に対して最大15%が支給される制度が用意されています。

60歳定年後の再雇用契約により給与額が低下するケースで多く利用されていますが
定年再雇用であれば誰でも要件を満たすものではありません。
また、転職により要件を満たすことや60歳時には要件を満たしていなかったものの
62歳以降要件を満たすことになるケースもあり、
手続きを行う実務担当者としては給付申請もれがないよう気を使うところです。

手続きとしては大きく2つあります。
ひとつは受給資格の確認(5年以上の加入と年齢)と給付の基準となる給与額の登録(1回限り)で、
ひとつは給付金申請です(原則2ヶ月に1回)。

受給資格の確認のタイミングや受給の可能性がなくても申請だけはするのかなどを整理し、
具体的な手順を決めておくことが申請もれを防ぐことにつながります。

基本的には1回限りの前者の手続きを対象者全員について済ませておくと
その後の対応(受給要件を満たしたときだけ申請する、転職先での申請に使用するなど)が
しやすいです。
対象者がどれだけいるか、受給可能者がどれだけいるか、など個々の状況に応じて
手順を決めるとよいでしょう。
(藤代)

雇用保険の「被保険者期間」算定方法が変わります

2020-08-13

失業等給付の受給資格を得るためには、
離職日以前2年間に、「被保険者期間」が通算12ヶ月以上あることが必要です。

「被保険者期間」は、これまで
離職日から1か⽉ごとに区切っていった期間に、賃⾦⽀払の基礎となる日数が11日以上ある月を1か月と計算していました。

これが、令和2年8月1日以降の退職者を対象に、
離職日から1か⽉ごとに区切っていった期間に、賃⾦⽀払の基礎となる日数が11日以上ある月 に加え、
賃⾦⽀払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月 も、1か月として計算できるようになりました。

たとえば、1日8時間、10日間勤務した月があった場合、
今までは被保険者期間に含むことはできませんでしたが、
今後は、離職証明書⑬備考欄に「80時間」と記載することで、1ヶ月とカウントできることとなります。

これは、雇用継続給付(育児休業給付金、介護休業給付金、高年齢雇用継続給付金)の受給資格確認にも適用されます。

労働者にとっては、給付金が支給されるかされないかの重要な要件となりますので
トラブルにならないよう、離職証明書、賃金証明書の作成には注意が必要です。

参考:
リーフレット「失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算定方法が変わります」

(高村)

労働保険事務組合の存在意義とメリット・デメリット

2020-06-30

労働保険事務組合とは、
事業主が行うべき労働保険の事務処理を、その事業主の委託を
受けて行うことについて、厚生労働大臣の認可を受けた
中小事業主等の団体のことをいいます。
多くは、事業協同組合や商工会などが、その事業の一環として
行っています。

労働保険料の申告・納付等の労働保険事務を事業主に代わって
処理しますので、中小事業主の事務処理の負担が軽減されるとともに、
労働保険の適用促進や労働保険料の適正な徴収を図ることが可能となります。

労働保険事務組合に加入することについては、次のようなメリット・
デメリットがありますので、参考にしてみてください。

(メリット)
・労働保険料の申告・納付等の事務処理負担を軽減できる
・労働保険料の額にかかわらず、労働保険料を3回に分割納付できる
※労働保険事務組合に委託していない場合は、概算保険料額が
40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ
成立している場合は20万円)を超えないと分割納付することが
できません)
・労災保険に加入できない事業主や家族従事者なども特別加入することができる

(デメリット)
・労働保険事務組合への委託手数料がかかる

なお、労働保険事務組合に委託するには、常時雇用する労働者数の制限があり、
また委託できない事務もありますのでご注意ください。
詳細は、厚生労働省ホームページに掲載されておりますので、宜しければ
ご確認ください。
〈参考〉厚生労働省 労働保険事務組合制度

(金子)

社会保険及び労働保険 出向者の取り扱い

2020-06-12

出向者についての社会保険・労働保険の取り扱いは、
保険の種類によって違いがあります。

そもそも出向とは、自社との雇用契約はそのままで
他の企業において勤務させるものであり、自社との
雇用契約を終了させて他の企業で新たに雇用契約を
締結する転籍とは区別されます。
転籍は、転職のときのように新しい会社と雇用関係を
結ぶことになるため、社会保険・労働保険の取り扱いについて
複雑な問題は生じませんので、ここでは、出向元と出向先両方
との雇用関係が生じる出向のケースについてみてみましょう。

●社会保険(健康保険・厚生年金保険)・・・基本的に賃金を支払う側で適用

出向元及び出向先それぞれと雇用関係があり、どちらか一方を
選択して適用することになりますが、実務上では賃金を支払う
側でその支払う賃金に基づいて保険料を納付します。
   
●労災保険・・・出向先で適用

現実に労務を提供するのは出向先なので、出向先の事業内容に
基づく保険料率で保険料を納付します。
実務上注意する点は、出向先で保険料申告の手続きをする際には、
出向元から支払われる賃金があればその金額も合計して保険料を
算出することです。

●雇用保険・・・生計を維持するために必要な主たる賃金を払っている側で適用

2つの雇用関係を有することになるため、支払う賃金額が多い方で
適用となり、その支払う賃金に基づいて保険料を納付します。
従って、出向先で支払われる賃金が多い場合には、出向元で資格喪失、
出向先では資格取得の手続き行うことが必要です。
従たる賃金を支払う側では適用されず、従たる賃金を合算して保険料を
算出する必要もありません。

社会保険や労災保険の手続きでは、出向元、出向先とで賃金データの
共有が必要となる場合がありますので、漏れのないように行いましょう。

(金子)

休業手当を支給した際の取り扱いについて

2020-05-19

休業手当は労働基準法26条で、
使用者の責めに帰すべき休業の場合は平均賃金の60%以上を支払わなければならない、
と定められています。

コロナウイルス問題で休業し休業手当を支給した企業も多いと思いますので、
休業手当を支給した際の取扱いについて、確認しておきましょう。

1,労働基準法の賃金
休業手当は基本給などと同じ賃金として取扱いますので、
通常の給与計算業務のなかで処理することになります。
つまり労働基準法の賃金ですので、当然賃金支払の5原則も守る必要があります。
したがって休業手当だけを給与とは別に、あとから支給することなどはできません。

*賃金支払の5原則とは
①通貨で、②直接労働者に、③その全額を、
④毎月1回以上、
⑤一定期日を定めて支払わなければならない

2,社会保険料、雇用保険料、労災保険料の対象となる賃金
社会保険、労働保険(労災・雇用保険)のいずれにも対象となる賃金です。

3,源泉所得税の対象となる賃金
他の賃金と同様の取扱いのため、もちろん課税対象です。

以上のことから、他の賃金と同じ取扱いとなりますので、
全日休業となり、1ヶ月の賃金がすべて休業手当であっても、
その賃金から社会保険料や所得税等を控除することは可能です。

(松原)

« Older Entries

Social Widgets powered by AB-WebLog.com.