社労士コラム

2022年04月

企画業務型裁量労働制の定期報告について

2022.04.28.

企画業務型裁量労働制を採用している場合には、
所定様式により所轄の労働基準監督署長へ定期報告を行うことが
義務付けられています。
報告内容は、以下のとおりです。
・対象となる労働者の労働時間の状況
・対象となる労働者の健康及び福祉を確保する措置の状況

なお、報告のタイミングには注意が必要です。
労働基準法施行規則第24条の2の5では
「決議が行われた日から起算して6か月以内に1回、
及びその後1年以内ごとに1回」と定められていますが、
厚労省HPで公開されているQ&A等には
「決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに1回」と案内がされています。

一見矛盾しているように感じますが、実は同施行規則第66条の2で、
当分の間6か月以内ごとに1回と読み替えることが規定されています。
紛らわしいですが、6か月以内ごとに行わなければなりません。

また、報告回数を少なくするために、
決議の有効期間初日から6か月経過した後に報告書を提出しようと
考える会社も多いと思います。
ただし、その場合“決議が行われた日”からは6か月を超えている
可能性が高くなりますので、ここも注意が必要です。
 例)3月28日 決議日
   決議の有効期間 4月1日~3月31日
    ※4月1日から6か月経過後の10月1日以降に提出するのでは遅く、
     3月28日から6か月以内の9月27日までに提出することが必要  
報告回数を最低限にする場合でも、決議後の初回の報告は5か月分の
報告とするなど検討する必要があります。
細かい部分ですが、確実に実施するようにしましょう。

「企画業務型裁量労働制」の適正な導入のために

(金子)

令和4年度の年度更新

2022.04.20.

令和4年度の労働保険の年度更新は6月1日(水)から7月11日(月)です。
年度更新は前年度の確定保険料と
当年度の概算保険料の申告・納付を行います。

令和4年度は雇用保険料率が年度途中(10月)で変わるため
4/1から9/30までの概算保険料額と、10/1から3/31までの概算保険料額を計算し
その合計額を令和4年度の概算保険料額とすることになっています。

厚労省HPで公表しているパンフレットでは、
算定基礎額を算出するための集計表(確定保険料・一般拠出金算定基礎集計表)に
「令和4年度の賃金総額の見込額が前年度の賃金総額と比較して、
2分の1以上2倍以下の額となる場合には
前年度の賃金総額の2分の1の額をそれぞれ(4/1~9/30、10/1~3/31)に
記入してください」とあります。
その上で計算した概算保険料を申告書に記載します。

また、厚労省が公表している申告書計算支援ツールでは、
令和3年度の確定賃金総額の2分の1の額が、
自動で概算保険料のそれぞれの期間(4/1~9/30、10/1~3/30)の
保険料算定基礎額として計算され、
雇用保険料率についても上期の料率を入力すると下期の料率が自動で反映するので、
こちらのツールを利用するのもよいでしょう。

なお、申告書は都道府県労働局から
各事業主あてにプレプリントされたものが送付されますが、
今年の申告書の令和4年度概算保険料算定内訳の雇用保険料率の欄は
印字されていないとのことですので、注意してください。

厚労省HPではパンフレットが公開されていますので、
事前に確認しておくと安心です。
【厚生労働省 労働保険年度更新に係るお知らせ】
【厚生労働省 年度更新申告書計算支援ツール】
(菊沢)

就活学生に対するセクハラ防止について指導が強化されています

2022.04.15.

厚生労働省では、就職活動中の学生等に対するセクハラ事案に対して
指導を徹底することを公表しています。
こちら

会社には「労働者」(事業主が雇用する労働者の全て。
派遣労働者受入先も事業主とみなされる。)に対する
セクハラ防止措置が義務付けられていますが
就職活動中の学生は労働者ではありません。
セクハラ防止指針でも防止措置の対象とすることが
「望ましい取組」との位置づけですが、
行政指導が徹底されるとの公表です。

個人事業主やインターンシップ参加者も労働者では
ありませんが、学生と同様に「望ましい取組」の
対象とされています。

ほか、セクハラ防止指針には他の事業主から
セクハラ防止の協力を求められた場合には
これに応ずるよう努めなければならないともあります。
取引先担当者へのセクハラが想定されているのでしょう。

会社でセクハラ対策を準備する際には
様々な場面を想定することが必要と言えそうです。

(藤代)

雇用保険料率の変更について

2022.04.08.

ご存知の方も多いと思いますが、今年度は雇用保険料率が変更となっています。

■新しい保険料率はこちらをご確認ください。
《令和4年4月からの雇用保険料率》

今回は、年度内で2回に分けての変更です。
4月からは事業主だけが負担する「雇用保険二事業」の保険料率が0.5/1000上がります。
10月からは労使折半で負担する「失業給付・育児休業給付」の保険料率が4/1000(労使2/1000ずつ)上がります。

4月は労働者が負担する雇用保険率は変更なしですが、会社負担の法定福利費を毎月計上している場合などには注意が必要です。(労働者が負担する雇用保険料率は10月から変更です)

また今年の労働保険料年度更新では、
労働保険料の概算保険料にかかる賃金の算出について
「算定基礎賃金集計表」にて年度内の賃金を9月末までの分と10月1日以降の分とに分けて集計し算出する事になります。
詳細は厚生労働省から届く年度更新資料でよく確認して頂くと安心です。

■雇用保険料は、次の1)から3)に使われています。
1)失業等給付(労使折半負担部分)
2)育児休業給付(労使折半負担部分)
3)雇用保険二事業(事業主のみ負担部分)
※雇用保険二事業とは、次の2つの事業です。
・雇用安定事業(雇用安定のための助成金や就職困難者への就労支援など)
・能力開発事業(教育訓練・職業訓練などへの各種支援事業)

繰り返しになってしまいますが、今年度の料率変更は
4月に3)が引き上げられ、10月に1)2)が引き上げられる、という形です。

■最後に、こちらにこれまでの雇用保険料率の推移などが載っていました。
ご興味のある方はご確認ください。

《雇用保険制度の財政運営》(7ページ目)

(前田)

被扶養者の収入確認の特例(新型コロナワクチン接種業務従事者)

2022.04.01.

健康保険の扶養認定には、年収基準額(130万円未満、60歳以上・障がい者は180万円未満)等の条件がありますが、医療職の方が新型コロナウイルスのワクチン接種業務に従事した場合は、収入確認時に、その業務に従事した分の給与収入は収入に含めないという特例があります。令和3年4月~令和4年9月末の期間限定です。

対象は、ワクチンの注射や予診、ワクチンの調整、接種後の経過観察等の業務を、有資格者として従事する医療職の方です。医療職でない方や、有資格者でも医療職の業務に携わっていない方は、対象外となります。

一方、医療事務職等の特例の対象外となる方が、認定時等に想定していなかった事情(新型コロナウイルス感染症の対応等)により、一時的に収入増加し年収基準額を超える場合は、保険者(健康保険組合や協会けんぽ)向けに収入確認時の考え方が示されています。

●直ちに扶養認定を取り消すのではなく、過去の収入確認書類(課税証明書等)を参照し、総合的に将来の収入見込額を判断すること
●原則、遡って扶養認定を取り消さないこと

社員の方から相談を受けた場合は、保険者に手続きを確認しておくと良いでしょう。

新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例の延長について

(山田)

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