社労士コラム

2021年11月

雇用調整助成金 令和4年1月以降の特例措置の予定が公表されました

2021.11.29.

新型コロナウイルス感染症拡大防止のために設けられている
雇用調整助成金の特例措置について
令和3年11月30日を期限としていたとろですが、
令和3年12月31日まで延長することが正式に発表になりました。
また、令和4年1月以降の予定についても公表されています。

厚生労働省 雇用調整助成金 (新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

厚生労働省 リーフレット「令和3年12月以降の雇用調整助成金の特例措置等について」

内容としては、令和3年12月は11月までと同じ特例措置を継続、
令和4年1月以降は、段階的に1人1日あたりの支給上限額が引き下げられていく予定とされています。
(中小企業、大企業ともに1月2月は11,000円、3月は9,000円
業況特例・地域特例は15,000円を維持)

なお、制度の見直しの都度、申請用紙も改定されているため
常に最新の申請様式を使用するよう、注意が呼びかけられています。

現在の感染者数は落ち着いているものの
まだまだ、コロナ前のようにはいかないのが現状です。
引き続き申請を行う予定があれば、最新情報をよく確認するようにしましょう。

(高村)

賞与時の社会保険料と届出手続

2021.11.26.

12月は賞与支給の会社が多くあります。
そこで社会保険料の計算対象者と届出手続きについて
誤りがおこりがちな点を整理しておきたいと思います。

社会保険に加入している人は社会保険料(年金保険料と健康保険料)を
計算するのが原則ですが次の場合は計算しません。

1)年金保険料および健康保険料
・産前産後休業や育児休業による保険料免除期間に支払われた場合
・資格喪失月に支払われた場合

2)健康保険料
・年度上限(573万円)を超えた場合

3)年金保険料
・70歳以上被用者に支払われた場合

社会保険料に誤りがあると、賞与処理だけでなく年末調整処理にも
影響が及びますので特に正しい処理が求められます。

賞与支払届は保険料計算がない上記ケースでも提出が必要です。
ただし、資格喪失月に支払われた場合では①喪失日前の支給は届出が必要で、
②喪失日以後の支給は不要です。

また、健康保険の同一保険者内で年度内に転職があった場合は
上限を超える都度「健康保険標準賞与額累計申出書」を提出します(本人申出)。
定年後再雇用などで被保険者番号が変わった場合も同様ですので要注意です。

なお、令和3年4月からは賞与支払予定月に賞与の支払いが行われなかった場合には
「賞与不支給報告書」を届出なければいけませんので漏れがないようにしましょう。

(藤代)

時間外労働は何時間まで許されるのか

2021.11.19.

本日は時間外労働が何時間まで許されるのか、会社と労働者で残業に関し取り決める協定(以下「36協定」と記載します)の有無などに分けて考えてみます。

1)36協定を締結・届出していない場合
法定労働時間を超えて労働してしまうと違法となります。
原則は、1日8時間まで、週40時間までが法定労働時間です。
(労働者10人未満の一部業種については週44時間まで)
法定時間を超える労働は許されません。

2)36協定を締結・届出しているが、特別条項はつけていない場合
協定した時間までは、法定労働時間を超えて労働しても公に許してもらえます。
協定した時間を超えたら違法です。

36協定は、時間外労働について月45時間、年360時間の範囲内で協定します。
(一部、適用除外や適用猶予の業種有り)

3)特別条項付きの36協定を締結・届出している場合
通常の36協定時間を超えても特別条項の時間まで、公に許してもらえます。
特別条項の範囲を超えたら違法となります。

特別条項は、突発的なトラブルや受注の集中など、予想出来ないような場合に備えるものとされており、次の範囲内で取り決めます。
・月45時間を超える時間外労働は年6ヶ月まで
・時間外労働の合計:年720時間以内
・時間外と休日の労働時間合計:月100時間未満
・2ヶ月乃至6ヶ月の時間外と休日の労働時間合計:平均月80時間以内

法定労働時間を超える労働は違法だけれど、労使間で協定を締結し労働基準監督署に届出る事で、その範囲内で許されるという形です。

法定で時間外労働の上限時間は決められていますが、どのくらいまで時間外労働できるのかは会社により(労使間の取り決めにより)異なり、一律ではない、ということになります。
また、時間外労働を可能とするには、就業規則や労働契約書に「所定外労働を命ずる事がある」という記載も必要になりますのでご注意下さい。

時間外労働が発生する場合には、協定の枠組み内で、できるだけ少なく管理して頂くのが安心です。

(前田)

勤務間インターバルについて

2021.11.12.

令和3年9月、脳・心臓疾患の労災認定基準が改正され、業務の過重性の評価に「勤務間インターバルが短い勤務」が追加されました。

勤務間インターバルは、終業から次の始業までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることです。
働く方の生活時間や睡眠時間を確保することが目的です。
「勤務間インターバル」制度とは(東京労働局ホームページ)

制度の導入は努力義務です。
厚生労働省が行った令和2年の調査では、労働者数30人以上の企業のうち、制度導入している企業は4.2%でした。
導入しない理由は、半数以上の企業が「超過勤務の機会が少なく必要性を感じない」と回答していますが、「業務に支障が出る」という回答もありました。10.7%は制度自体を知りませんでした。
(「令和2年就労条件総合調査の概況」より)

令和3年7月30日には、令和7年までに、制度を知らなかった企業を5%未満、導入している企業を15%以上にするという目標が設定されました。
特に、導入率が低い中小企業への導入に向けた取組を推進するとされています。
(「過労死等の防止のための対策に関する大綱」より)

導入方法や導入結果については、導入事例が参考になると思います。
数十人から数万人まで、様々な従業員規模の企業が掲載されています。
勤務間インターバル制度導入事例一覧

事例では、従業員が導入のための労使の話し合いでインターバルが必要になるような時間外勤務をなくしたいという意識に変わったり、導入後に定時で仕事を終えるためにどうするかを考えるようになった企業がありました。業務効率化に繋がり、時間外労働が減ったという結果が出ているようです。

また、都道府県労働局には働き方・休み方改善コンサルタントが配置され、無料でアドバイスや資料提供等の支援をしてもらえます。

労働環境見直しや業務効率化の検討に、参考にしてみてはいかがでしょうか。

(山田)

外国人の雇用について~在留カードの確認〜

2021.11.05.

外国人を雇用しようとする場合は、
まずその外国人の方の「在留カード」を確認する必要があります。

外国人の方は、出入国管理及び難民認定法で定められている
在留資格の範囲内で日本における就労活動が認められているためです。

在留カードに記載される就労可能な在留資格には、以下のようなものがあります。

①活動資格としての在留資格
  高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、技術・人文知識・国際業務
  特定技能、技能実習、特定活動 等
②身分に基づく在留資格(活動分野に制限なし)
  永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

なお、在留資格が留学や家族滞在等の場合で、
在留カードに「就労不可」の記載がある外国人でも、
資格外活動許可を受けていれば就労することは可能です。
ただし、就労時間や就労場所に制限があるので、
必ず在留カード裏面の資格外活動許可欄や資格外活動許可書等の内容を
確認しましょう。
制限の例)留学の在留資格の場合(アルバイトを想定)
・就労が許可される時間数は原則週28時間以内
(夏休みなど教育機関の長期休業期間中は、1日8時間以内)
・風俗営業等に従事することは不可

出入国在留管理庁の下記のサイトでは、
在留カード番号が失効していないかを確認することができます。
番号と有効期間を入力することで簡単に確認できますので、
念のため確認されるのもよいでしょう。

在留カード失効情報照会

【参考】厚生労働省HP 在留資格の確認について

(金子)

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