社労士コラム

2022年12月

教育訓練給付制度について

2022.12.27.

聞いたことがある方も多いと思いますが、本日は教育訓練給付制度について記載致します。

■教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、雇用保険の給付制度の一つです。
働く方々の主体的な能力開発を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とします。
厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されます。

■教育訓練の種類
給付金の対象となる教育訓練は、その内容に応じて、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があります。現在対象の講座は14000講座程あるということです。

□専門実践教育訓練
特に労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
(看護師、美容師、保育士、IT関係資格、MBA、法科大学院・・・等)
受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。
資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。
なお、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、教育訓練支援給付金が支給されます。

□特定一般教育訓練
特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
(介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、税理士・・・等)
受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。

□一般教育訓練
その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。
(英語検定、簿記検定、ITパスポート、大学院などの課程・・・等)
受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。

■給付要件など
給付を受けるには、雇用保険の加入期間等、一定の要件があります。
教育訓練給付金の受給資格の有無と、受講を希望する教育訓練講座の指定の有無については「教育訓練給付金支給要件照会票」でハローワークに照会することができます。
また専門実践教育訓練等は訓練開始の原則1ヶ月前までに訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。
勉強したい分野がある方は、給付を受ける資格があるか、対象講座があるか等調べてみては如何でしょうか。
確実な受給をしたい方は、ハローワークに事前確認して必要な手続きを踏まえ申請するようにしましょう。

(前田)

傷病手当金の支給終了日について

2022.12.23.

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヶ月に達する日までです。
今回は、実際にいつまで支給されるのかをご案内します。

傷病手当金は、3日間連続して仕事を休んだ後(待期完成後)、4日目が支給開始日となります。
支給日数は、下記例①②のように支給開始日によって異なります。

【例①】2022年11月28日から休んだ場合
支給開始日:2022年12月1日 
支給期間 :2022年12月1日~2024年5月31日
支給日数 :547日

【例②】2022年12月29日から休んだ場合
支給開始日:2023年1月1日
支給期間 :2023年1月1日~2024年6月30日
支給日数 :546日

支給開始日から1日も就労しなかった場合、例①では、2024年5月31日まで支給されます。
しかし、途中で仕事に復帰した場合は、547日から支給済みの日数を引いた分が、残りの支給可能な日数となります。

支給日数は、ExcelのDATEDIF関数を使用すると、簡単に求めることができます。
傷病手当金の申請は長期に渡る可能性がありますので、Excel等で管理すると確認しやすいです。

(山田)

育児休業給付の受給資格確認

2022.12.16.

雇用保険の育児休業給付金を受けようとする際には
以下の支給要件を満たす必要があります。

①1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること
②休業開始日前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上または就業した時間数が
 80時間以上ある完全月が12か月以上あること
③一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること

このうち、②について、
被保険者期間が要件に満たない可能性がある場合は下記についても確認してみましょう。

・入社前に失業給付の受給資格決定を受けていないか
前職の離職日から1年以内に再就職しており失業給付の受給資格を決定していない場合は、
前職での雇用保険加入期間分も通算することができます。
離職後に再就職手当や失業給付を受け取っていなくても受給資格決定を受けていると
前職の雇用保険加入期間は通算できません。

・産前休業開始日を起算点として数えているか
令和3年9月1日以降、産前休業開始日等を起算点として、
その日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上あるか、
に変更されています。

給付金支給に影響がありますので、注意が必要です。
(菊沢)

健康保険の被扶養者資格について

2022.12.09.

健康保険では扶養されている家族も健康保険証を持つ(健康保険の給付を受ける)
ことができますが、要件があります。
要件は大きく4つありその要件を維持していなくてはいけません。
入社時や出生時などはじめての健康保険加入時のほか
その後も毎年「被扶養者資格再確認」が実施されています。

健康保険証が有るか無いかの影響は大きく、事前の問い合わせも多いものと思います。
適宜適切な情報を伝えられるよう基本要件を確認しましょう。

1.75歳未満であること

2.3親等内の親族であること
①同居でも別居でもよい:配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属
②同居が条件:上記以外の親族・配偶者の父母と子
なお、共働き夫婦の妻と夫がそれぞれ被保険者である場合は
原則として年間収入が多い人の被扶養者になります。

3.被保険者に生計を維持されていること
①同居の場合:年収130万円未満で被保険者の収入の半分未満であること
②別居の場合:年収130万円未満で仕送り額が被扶養者の年収を上回ること

4.国内に住んでいること(留学や外国赴任への同行は除きます)

これらをどのように確認するかは健康保険組合によるところですが
特に2や3の要件は各種書類提出が必要になり
資格確認までに時間がかかることもありますので
具体的に必要となる情報や書類も準備しておくとよいでしょう。

(藤代)

労使協定の届出と周知について

2022.12.02.

労使協定にはその内容により、締結後に管轄の労働基準監督署に届出が必要な協定と、
不要な協定があります。

例えば、時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)
1年単位の変形労働時間制の労使協定
専門業務型裁量労働制の労使協定などは締結後に届出義務がある労使協定になります。

特に、36協定は届出をして初めて有効になる協定で、
協定の対象期間の起算日までに届出をする必要があります。

36協定を届け出る際には、印鑑が不要となり、
電子申請も可能です。

一方、賃金控除協定や年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定などについては
労働基準監督署へ届出が不要です。
フレックスタイム制の労使協定は精算期間が1か月以内ですと、届出が不要ですが、
1か月を超える精算期間とする場合には届出が必要となるなど、
内容により届出が必要な場合もありますので、注意が必要です。

届出が必要な労使協定も、不要な労使協定についても、
締結後に就業規則と同様に労働者への周知することが義務付けられていますので、
ただ締結や届出をするだけではなく、適切に運用することが重要です。

(斎藤)

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