社労士コラム

2023年08月

2024年4月 裁量労働制の改正

2023.08.25.

2024年4月1日に裁量労働制に関する省令・告示が改正施行されます。

改正施行日以降に専門業務型裁量労働制を導入または継続するためには、
以下の対応が必要です。

・労働者本人の同意を得ること
・同意をしなかった労働者に対し、解雇その他不利益な取り扱いをしないこと
・同意の撤回に関する手続きを定めること
・同意とその撤回に関する労働者ごとの記録を保存すること

本人同意を得るとともに協定事項の追加が必要となるため
現在、専門業務型裁量労働制を導入している企業については
2024年4月1日前に本人同意及び労使協定の再締結と労基署への届出を行う必要があります。

なお、本改正により労使協定の様式も変更となります。
労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令(労働基準法施行規則の一部改正)
(※9頁、10頁参照)

企画業務型裁量労働制についても労使委員会の運営規程への追加事項等が変更となっています。

改正内容の詳細はリーフレットをご参照下さい。
厚生労働省リーフレット:裁量労働制の導入・継続には新たな手続きが必要です
早めに概要を確認し施行日までに準備をしておきましょう。
(菊沢)

アウティングとハラスメント防止措置

2023.08.18.

上司に同意なく性的指向を暴露された(アウティング)ケースで、
その後発症した精神疾患について労災として認定されました。
アウティングを巡る労災認定は全国初とも報道されています。

(NHK NEWS WEB)”アウティング”後に精神疾患 初の労災認定か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230724/k10014140411000.html

事業主にはパワーハラスメントの防止措置が義務付けられており、
その指針では代表的な言動の類型と具体例が挙げられています。
アウティングに関する類型と具体例は次のとおりです。

■精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
具体例:人格を否定するような言動を行うこと。相手の性的指向・性自認
に関する侮辱的な言動を行うことを含む。

■個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
具体例:労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、
当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。

(パワハラ措置指針)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf

情報の暴露は取り返しがつかないですし、
その内容が機微なものであれば
影響は広く重いものとなるでしょう。

捉え方は一様ではありませんが、
性的指向の暴露が肯定される場面はないのではないでしょうか。
「うっかり」「よかれと思って」などということがないよう
社員研修等実施していくことが重要です。

(藤代)

無期転換ルールについて

2023.08.10.

令和6年4月1日より労働条件明示ルールが変わり、
有期労働契約者に対して、無期転換申込機会の明示をすることが必要になりますので、
基本的な無期転換ルールについて記載いたします。

無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、
有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、
労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
契約期間が通算5年を超えたところから無期労働契約となるのではなく、
5年を超える労働契約の期間中に労働者に「無期転換申込権」が発生し、
その期間中に労働者が申込をすることにより、
申込時の有期労働契約が終了する日の翌日から転換されます。
労働者から申し込みがあると会社が拒むことはできません。

有期契約労働者の方が再入社された場合は、
前の労働契約期間も原則は通算5年にカウントいたしますが、
再入社までの間が6ヶ月以上の期間がある場合など、
一定の場合は通算されません。(クーリング)
こちらのクーリングの期間の条件については、
無期転換ルールハンドブックの4ページ目をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000518484.pdf

来年4月の改正以降、有期労働契約社員の方について、
対応が増えることと思いますので、
無期転換ルールハンドブックのQ&Aなどを確認しておくとよいでしょう。

(斎藤)

令和5年度 地域別最低賃金額改定の目安

2023.08.04.

7/28に、今年度の地域別最低賃金改定の目安が発表されました。
まだ確定値ではありませんが、
地域ごとにA~Cランクに分類されており、上昇幅は41円~39円
この改定により、全国平均1,002円と、1000円台に達する見込みです。

東京都では令和4年度は1,072円のところ、
令和5年の改定ではAランクに分類されており、このまま決定すると1,113円となる見込みです。
最終決定後は、例年10月1日ころからの適用となりますので
早めに確認、見直しの準備を進めるのがよいでしょう。

最低賃金の引き上げに関連して、中小企業向けに
業務改善助成金という制度があります。
社内の最低賃金を30円以上引き上げ、さらに生産性向上のための設備投資等を行った場合に
その投資等にかかった費用の一部を助成する、という内容です。
給与改定を検討されている事業所は、検討してみてもよいかもしれません。

参考:
厚生労働省:令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について

東京労働局:「業務改善助成金」の東京労働局職員によるわかりやすい解説

(高村)

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