社労士コラム

2026年09月

2026年10月1日開始「保険料調整制度」について

2026.09.25.

2026年10月1日から「保険料調整制度」が始まります。

社会保険の適用拡大等により、新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者の保険料負担を通算3年間軽減する制度です。
(短時間労働者については、2026.09.18.のコラムをご参照ください)

例えば、月収8.8万円、月額保険料12,500円の短時間労働者が制度を利用した場合、短時間労働者の月額保険料は2年目までが6,250円、3年目は9,375円となります。
(保険料額は例であり、実際の額とは異なります。4年目以降は、通常の保険料に戻ります)
また、保険料負担は軽減されても、将来の年金額は満額を受け取ることができます。

会社が負担する保険料は変わりません。
(一時的に会社が軽減分を負担することになりますが、後日調整されます)

現在は、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の事業所(特定適用事業所といいます)で働く短時間労働者が社会保険の加入対象ですが、2027年10月からは36人以上の事業所となることが決定しており、範囲は段階的に拡大していき、2032年10月からは全事業所が特定適用事業所となります。

短時間労働者が新たに社会保険の加入対象となった時に、社会保険料の負担を気にして就労調整することなく働き続けることができるようにすることが、この制度の目的です。

なお、特定適用事業所の範囲の拡大は2027年10月以降のため、それまでの間は、2026年10月以降に労使の合意により任意で特定適用事業所となった事業所(任意特定適用事業所といいます)のみ、制度の利用が可能です。

制度を利用する場合は、制度が利用できるようになった日から2年以内に、「保険料調整開始申出書」を事務センターへ郵送(または管轄の年金事務所へ郵送・窓口持参)します。

制度が利用できる対象者は月収が13万円未満の短時間労働者に限られますが、就労調整の対策の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

保険料調整制度のご案内

(山田)

社会保険の短時間労働者の「賃金要件」撤廃

2026.09.18.

令和8年9月11日、短時間労働者の社会保険の適用要件に関する改正の施行日を定める政令が公布されました。

これにより、短時間労働者の社会保険の加入要件のうち、
「月額賃金88,000円以上」とする賃金要件が令和8年10月1日から撤廃されます。

これまでいわゆる「106万円の壁」が意識されてきましたが、
今後は賃金額ではなく週20時間以上という労働時間が基準となります。

10月以降、従業員数51人以上の企業の短時間労働者の社会保険の加入要件は
以下のとおりとなります。

①週所定労働時間が20時間以上
②学生でない
③2か月を超える雇用の見込みがあること

今まで月額賃金が88,000円以内のため対象外となっていたパート・アルバイトについても
10月以降は賃金額にかかわらず上記要件を満たす場合、新たに加入対象となる可能性があります。
なお、企業規模要件についても今後段階的に縮小され、対象となる企業が拡大していく予定です。
厚生労働省:社会保険適用拡大特設サイト

また、今回撤廃される「106万円の壁」と、
健康保険の被扶養者の収入要件である「130万円の壁」とは別の基準となります。

そのため、週所定労働時間が20時間以上となり、社会保険の加入要件を満たした場合、
年収が130万円未満でも社会保険に加入することとなり、被扶養者資格は喪失します。
一方、週所定労働時間が20時間未満で社会保険の加入対象とならない場合であっても
年収が130万以上の場合、被扶養者の収入要件を満たさなくなるため、扶養から外れることになります。

それぞれ別の基準で判断する点がポイントです。
10月以降、従業員数51人以上の企業において、
扶養内で勤務している従業員について、
年収見込だけでなく週所定労働時間についても確認しておくことが重要となります。
(菊沢)

マイナ保険証と健康保険証

2026.09.11.

健康保険証からマイナ保険証へ移行しましたが、
次の区分で整理してみたいと思います。

■経緯
2024(R6)年12月2日 従来の健康保険証発行停止
2025(R7)年12月1日 すべての健康保険証の有効期限
2025(R7)年12月2日 マイナ保険証利用義務化(原則として健康保険証の利用不可) 
2026(R8)年7月31日 健康保険証の例外的利用終了 

■健康保険の加入資格を証明するもの
(1)「マイナ保険証」
・健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカード
・医療機関や薬局で提示することで健康保険の利用が可能

(2)「資格確認書」
・マイナ保険証を持っていない(マイナンバーカードの健康保険証
利用登録をしていない場合を含む)場合に、
医療機関や薬局で提示することで健康保険の利用が可能
・カード形状のもので、マイナ保険証を持っていない場合のほか
必要に応じて発行される(加入している健保組合による)

(3)「資格情報のお知らせ」(加入している健保組合によって
「資格情報通知書」など名称が異なることがある)
・入社や扶養追加など、新たにその健保組合で健康保険の
資格を取得した際に発行される書類(氏名変更時は発行されない)
・健康保険の各種給付金を申請する際に必要となる記号や番号
を確認することができる
・医療機関や薬局に提示しても、健康保険の利用はできない
・マイナ保険証に対応していない医療機関では、この書類と
マイナンバーカードの両方を提示することで健康保険の利用が可能

「マイナ保険証」のことを「健康保険証」と呼んだり
資格情報のお知らせは持っていないと思っていたが実は持っていたり
と、正確に使い分けらるようになるにはまだ時間がかかりそうです。
事務手続きをする際には、しっかり理解した上で
何のために何が必要なのか丁寧なコミュニケーションが必要と感じます。

(藤代)

全国労働衛生週間に考える、⼥性の健康課題への取組

2026.09.04.

10月1日から7日までは「全国労働衛生週間」、9月1日から30日までの1ヶ月間は「準備期間」です。
令和8年度のスローガンは、「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」。
今年度は、治療と仕事の両立支援やメンタルヘルス対策、過重労働による健康障害の防止などとともに、「女性の健康課題の理解促進」も重点事項の一つとして掲げられています。

月経困難症や月経前症候群(PMS)、更年期障害など、女性特有の健康課題は、職場では相談しづらいと感じる人が少なくありません。また、こうした健康課題は外見からは分かりにくく、本人から相談がなければ周囲が気付きにくいという特徴があります。

厚生労働省では、女性特有の健康課題について、一般健康診断の機会を活用し、必要な支援につなげる取組を進めています。
具体的には、一般健康診断の問診票に「女性特有の健康課題(月経困難症、月経前症候群、更年期障害など)で職場において困っていることがありますか」といった質問項目の追加が推奨されています。回答をもとに、健診機関から早期受診勧奨などを行うことで、本人のセルフケアを支援します。なお、回答内容が健診機関から事業者へ直接提供されることはありません。本人が希望した場合に限り、本人から提供されるものとなります。

また、事業者向けマニュアル「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル(厚生労働省)」では、女性の健康課題を抱える労働者が安心して相談でき、職場で適切な配慮を受けられる環境づくりが示されています。事業者や人事労務担当者、産業保健スタッフ向けの研修や、産業保健総合支援センター(さんぽセンター)などの相談窓口の活用も紹介されています。

全国労働衛生週間をきっかけに、一人ひとりが心身ともに健康に働き続けられる職場環境について改めて考える機会にしてはいかがでしょうか。こうした取組は、企業にとって大切な労働衛生対策の一つです。

(小林)

 
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