電子申請の義務化
2020年4月から、大企業について特定の電子申請が義務化されます。
大企業の定義は資本金1億円超で、
他の法令と異なり業種や従業員数は関係ありません。
特定の電子申請、は次のとおりです。
(1)健康保険・厚生年金保険
・算定基礎届
・月額変更届
・賞与支払届
(2)労働保険
・年度更新に関する申告書
(3)雇用保険
・資格取得届
・資格喪失届
・高年齢継続給付申請
・育児休業給付申請
このうち、ほとんどが国の機関に提出する手続きで義務化前の現在でも電子申請は多く利用されていますが、
組合管掌の健康保険についてはそうではありません。
健康保険組合は電子申請に対応していることは少なく、どのように提出することになるのか、
現時点(2019年8月)でも具体的な情報はなく確認を続けなくてはいけない状況です。
(藤代)
産前産後休業期間中の保険料免除
厚生年金保険、健康保険には、産前産後休業期間中の保険料免除制度があります。
産前産後休業期間とは、産前42日(多胎は98日)、産後56日のうち、
妊娠出産を理由として労務に従事しなかった期間をいいます。
また、出産日は産前休業期間に含みます。
休業期間中に、事業主が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所へ提出することで、
休業開始月~休業終了日の翌日が属する月の前月 までの保険料が、事業主分、被保険者分ともに免除されます。
(例:1月23日~4月30日まで休業した場合、
1月~4月(休業終了日の翌日5月1日が属する月の前月)分の保険料が免除)
免除された期間も被保険者資格に変更はなく、
厚生年金保険においては、保険料を納めた期間として
将来の年金額に反映されることとなります。
「産前産後休業取得者申出書」は出産前でも出産後でも提出できますが、
出産前に提出する場合、
出産予定日を基準とした休業期間を申請します。
ここでいう出産予定日とは自然分娩の場合の予定日のことで
帝王切開など計画分娩を行う予定の日ではないので、注意が必要です。
また、予定日当日に出産した場合を除き、産後「産前産後休業取得者変更届」を提出し、
実際の出産日を基準とした休業期間を届け出る必要があります。
出産後に提出する場合、
予定日と実際の出産日を両方記載するので届出が1回で済みますが
産後休業期間中に確実に提出できるよう準備が必要です。
また、申し出た休業期間より前に休業を終了した場合は、
「産前産後休業取得者終了届」を提出する必要があります。
引き続き育児休業を取得する場合は、同様に休業期間中の保険料免除制度があります。
こちらも別途、申請が必要です。
従業員から妊娠の連絡を受けた際は、
あらかじめ必要な手続きとタイミングを整理しておくのがよいでしょう。
(高村)