社労士コラム

厚生年金保険

短時間労働者の社会保険加入拡大

2026.01.30.

短時間労働者の社会保険の加入について、
現在は、以下の4つの要件を満たす必要があります。
①所定内賃金が月額8万8千円以上であること
②週所定労働時間が20時間以上であること
③2か月を超える雇用見込みがあること
④学生でないこと
※厚生年金保険の被保険者が51人以上の企業

しかし、令和7年度の地域別最低賃金が1,016円を超えたことにより、
週20時間以上働く学生でない方は、月額賃金が8万8千円以上となるため、
2026年10月に、この8万8千円以上という賃金要件(いわゆる106万円の壁)
が撤廃される予定となり、社会保険加入となる短時間労働者の要件は、②~④のみとなります。

企業規模について、現在は厚生年金保険の被保険者が
51人以上の企業となっておりますが、
以下のスケジュールで拡大予定で、最終的にはすべての企業で
短時間労働者は社会保険に加入することとなります。

令和9(2027)年10月〜:36人以上の企業
令和11(2029)年10月〜:21人以上の企業
令和14(2032)年10月〜:11人以上の企業
令和17(2035)年10月〜:すべての企業

これまで社会保険料負担のなかった
アルバイト・パートにも保険料負担が発生するので、
対象者の確認等の準備をしておくとよいと思います。

参考:
・短時間労働者の社会保険加入拡大のポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf
・社会保険適用拡大ガイドブック
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kouseinenkin.files/jigyounushi_guidebook.pdf

(斎藤)

2026年4月スタート「子ども・子育て支援金」制度

2026.01.09.

子ども・子育て支援金制度は、令和6年に成立した
「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」により、
子育て世帯を支える新しい分かち合い・連帯の仕組みとして創設されました。

この支援金は、児童手当や保育支援などの子育て支援施策の財源として活用される予定です。
2026年4月分から、医療保険料とあわせて従業員と事業主による労使折半で
所得に応じた徴収が始まります。

こども家庭庁の試算によれば、
被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)加入の場合、
2026年度の負担額は、
年収200万円で月額約192円~年収1,000万円で月額約959円が見込まれています。
【算出方法】
標準報酬月額×支援金率
(2026年度の支援金率:0.23%)

《参考》こども家庭庁 子ども子育て支援金制度について
このほか、FAQが公表されています。
Q:支援金は独身税なの?
A:独身の方、子育てを終えられた方、高齢者の方を含むすべての世代、また企業からも拠出いただき、子育てをみんなで支えあう仕組みです。子育て世帯の方も支援金を拠出することとされています。

Q:ボーナスからも支援金が徴収されるの?
A:ボーナスからも支援金が徴収されます。これは、健康保険制度や厚生年金保険制度と同様です。

Q:育児期間中は支援金が免除されるの?
A:企業の従業員については、医療保険料や厚生年金保険料と同様に支援金も免除されます。

子ども・子育て支援金は企業・従業員双方に影響する制度です。
今後さらに具体的なことが示されると考えられますが、
給与計算システムや社内説明の準備を進めておくことが重要です。
(菊沢)

協会けんぽ給付金の電子申請が開始します。

2025.12.12.

2026年1月より、協会けんぽへの給付金申請が、
電子申請できるサービスが開始されます。

従来、協会けんぽへ紙を郵送して手続きをしていた、
傷病手当金や出産手当金などの給付金申請が、
電子申請の対象となります。
対象の申請はこちらからご確認できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/

サービス開始後は、「協会けんぽホームページ」または「けんぽアプリ」から、
被保険者・被扶養者・社会保険労務士が電子申請の利用が可能で、
申請情報を入力して必要な添付書類を電子ファイルでアップロードする流れです。

申請後は、審査中・返戻などの進捗を本人が確認できるので、
会社を通した進捗確認の負担がなくなるメリットがあります。

また、協会けんぽは「けんぽアプリ」の開始も予定しており、
このアプリで電子申請が利用可能になります。
「けんぽアプリ」では、今まで会社経由で行っていた健康情報や健診案内の発信を
今後は被保険者にアプリ経由で直接発信していく構想となるようです。

協会けんぽDXについて
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai137kai/2025091009.pdf

(斎藤)

退職後の年金手続きについて

2025.10.10.

退職後の年金手続きは、退職後の状況(再就職する、扶養に入る等)や退職者の年齢によって異なります。
退職者から退職後の手続きについて問合せを受けることもあると思いますので、年齢別に手続きをご案内します。

①60歳未満
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
原則、厚生年金保険に加入します。
手続きは、再就職先の会社が行います。

●扶養家族になる場合
国民年金に加入し、第3号被保険者となります。
手続きは、家族が勤務する会社が行います。

●上記に該当しない場合
国民年金に加入し、第1号被保険者となります。
手続きは、ご本人または世帯主が住所地の市区役所にて行います。「マイナポータル」からマイナンバーカードを利用して、電子申請することも可能です。

②60~64歳
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
原則、厚生年金保険に加入します。
厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受給する場合は、支給額が調整される場合があります。さらに、雇用保険法の高年齢雇用継続給付を受ける場合は、老齢厚生年金の一部(最高で標準報酬月額の4%)が支給停止されます。

●上記に該当しない場合
原則、手続きはありません。
65歳になる前に年金を受け取りたい場合は、繰上げ受給の請求を行います。ただし、ハローワークで求職の申込みをしたときは、失業給付の受給有無に関係なく、一定期間は老齢厚生年金が全額支給停止されます。
※受給資格期間が10年未満の場合と満額(40年間保険料納付分)の老齢基礎年金が受けられない場合は、国民年金の任意加入が可能です。手続きは、ご本人が住所地の市区役所か年金事務所にて行います。

③65歳以上
●厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合
70歳未満の場合は原則、厚生年金保険に加入します。70歳以上の場合は70歳以上被用者に該当しますが、被保険者ではないため保険料負担はありません。手続きはいずれも、再就職先の会社が行います。
老齢厚生年金を受給する場合は、支給額が調整される場合があります。

●上記に該当しない場合
年金を受け取りたいタイミングで、自宅に送付されている「年金請求書」を年金事務所(加入期間がすべて国民年金第1号のみの場合は住所地の市区役所)へ提出します。
75歳まで繰下げ受給が可能なため、繰り下げる場合は手続きはありません。
※受給資格期間が10年未満の場合のみ、国民年金の特例任意加入が可能です。手続きは、ご本人が住所地の市区役所か年金事務所にて行います。

日本年金機構からは、退職者向けに年金手続き等を説明したパンフレットが公開されています。
退職後の年金手続きガイド

退職後の健康保険手続きは、こちらの過去のコラムをご覧ください。

(山田)

仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

2025.08.22.

育児・介護休業法の改正により、令和7年4月から事業主には、社員の仕事と介護の両立支援の実施が義務付けられています。

その中の次の3点について、厚生労働省から実務的な支援ツールが公表されています。
・介護離職防止のための雇用環境整備
・両立支援制度等の早期(40歳)の情報提供
・介護に直面した労働者への個別の制度周知・意向確認
企業・有識者等のヒアリングや研究会の議論等を基に、取り組みの意義や各取り組みのポイント、具体的な対応方法がまとめられています。
早期の情報提供用の配布資料や相談を受けた際の面談シート等のツールも用意されていて、自社用にカスタマイズして使用することができます。
これから準備する場合だけでなく、自社の取り組みの見直し用としても、利用可能です。

なお、弊所では雇用環境整備の選択措置(研修の実施、相談窓口の設置、事例の収集・提供、利用促進に関する方針の周知)の1つである研修や、介護に直面した労働者への個別説明・意向確認を行う介護支援面談サービスを行っています。

企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール

(山田)

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