社労士コラム

厚生年金保険

養育特例申出は提出期日に注意を

2022.07.01.

将来受け取る年金額は、標準報酬月額に基づいて計算されます。
標準報酬月額は給与に基づいて決定しますので、
給与が下がる→標準報酬月額が下がる→将来の年金額が下がる、
と連動するのが原則です。

特例として、給与低下が子どもが3歳までの間のことであれば
申出により将来の年金額に影響しないようにすることができます
(養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置)。

給与低下の理由は限定されませんので
時短勤務の場合だけでなく残業が減少した場合も対象になります。

この手続は子の養育開始以降可能です。
本人の申出により会社を経由して行いますが
本人のアクションが必要なことや、
すぐには影響がないことなどから、先延ばしにしている
と思われるケースが度々あります。

ですが、申出日よりも前の期間について
みなし措置が認められるのは申出日の前月までの2年間ですので
あまり先延ばしにしているとせっかくの措置が受けられない
ことになってしまいます。

給与が下がり標準報酬月額が下がるかどうかが不明でも
申出は行うことができますので、
早めに対処することがよいでしょう。

(藤代)

育児休業等期間中の社会保険料免除要件の改正

2022.06.02.

10月より育児休業等期間中の社会保険料免除要件が改正されます。

日本年金機構より、月額保険料と賞与保険料の免除要件の改正点と、
改正後の届出様式と届出時における留意点を解説したリーフレットが公開されました。
(日本年金機構 リーフレット) こちら

改めて改正内容は以下の2点です。
①月額保険料
育児休業等の開始月の末日が育児休業期間中である場合に加え、
当月中に14日以上育児休業等を取得した場合に免除
②賞与保険料
育児休業等を1ヶ月超(暦日で計算)取得した場合のみ免除

また、公開されたリーフレットより
改正後の届け出用紙に新たに追加された主な項目は下記のとおりです。

〈育児休業等取得日数〉
育児休業等の開始年月日と終了年月日の翌日が同月内である場合、
育児休業等の日数を記載
※土日等の休日など労務に服さない日も含め、14日以上の日数が必要
※同月内に複数回の育児休業等を取得する場合は、合算した日数を記載

〈就労予定日数〉
出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に労働者と事業主の間で
事前に調整して就業を行う場合、その日数を記載
※就労予定日数は育児休業等の日数に算入されない

なお、同月内に複数回に分けて育児休業等を取得する場合、
その月に取得する最後の育児休業等の届け出時にまとめて届け出をすることが可能です。
(育児休業等の終了後1月以内に申出書を提出する場合には、遅延理由書の添付不要)

育児休業中の社会保険料の控除の仕組みが複雑になるため、施行までに手続きから給与計算の流れまでを整理しておきましょう。
(菊沢)

令和4年10月~短時間労働者に対する社会保険の適用拡大

2022.05.20.

パートやアルバイトで勤務している従業員は
1週間の所定労働時間、および1ヶ月の所定労働日数が一般従業員と比較して3/4以上となる場合(3/4基準と呼びます)、
健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。

平成28年10月に被保険者の適用拡大が図られ、
3/4基準を満たさなくても、特定適用事業所に勤務していれば、
一定の要件を満たすことで、健康保険、厚生年金保険の被保険者となることとなりました
(短時間労働者と呼びます)。

これが、令和4年10月以降
さらに適用拡大されることとなっていますので、概要をご紹介します。

まず、特定適用事業所とは
これまでは、「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所」とされていたところ、
改正後は「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所」となります。

また、短時間労働者となる「一定の要件」は、これまで、以下の4つとされていました。
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと
このうち、2.の「雇用期間が1年以上見込まれること」が、
改正後は 「雇用期間が2カ月を超えて見込まれること(通常の被保険者と同じ)」となります。

対象となる従業員は、令和4年10月以降、被保険者資格取得届の提出が必要ですので、
改正後の特定適用事業所に該当する場合などは、
対象者を早めに確認し、手続きの準備を行う必要があります。

また、要件に該当すれば自動的に被保険者となりますので、
対象となる従業員は基本的に拒むことができません。
保険料の控除が始まり、不満に感じることもあるかもしれませんので、
事前に十分な説明を行うことも重要となります。

なお、令和6年10月以降には
特定適用事業所の要件が「被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時50人を超える事業所」となり
さらに適用拡大される予定です。

参考:日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

(高村)

公的年金シミュレーターの試験運用開始

2022.05.06.

厚生労働省が開発した、年金額を簡単に試算できるツール「公的年金シミュレーター」の試験運用が4月25日から開始されています。

生年月日と働き方・暮らし方を入力することで、将来受給できる年金額を試算することができるサービスで、スマートフォンやタブレット、パソコンから利用できます。
ねんきん定期便(2022年4月以降発行のもの)には、二次元コードが記載されており、読み取ると生年月日を入力するだけで、現在の加入状況(加入制度、被保険者種別、標準報酬等)が60歳まで継続すると仮定して試算された年金額が表示されます。

働き方・暮らし方は最大5つまで登録でき、将来、働き方が変わった場合のシミュレーションも可能です。また、就労完了年齢や受給開始年齢をプラスしたりマイナスしたりすることで、グラフで表示された年金見込額が増減するため、受給額がイメージしやすくなっています。

事前登録が不要なため、気軽に利用できるツールとなっています。
ただし、年金制度の仕組みを簡略化して試算されるため、試算結果は実際の年金額と必ずしも一致しません。より詳細な試算は、事前登録が必要ですが「ねんきんネット」を利用するよう案内されています。

今後、利用者の意見を基に改善され、本格実施が開始される予定です。

スマホで簡単に年金額試算「公的年金シミュレーター」を4月25日から試験運用を開始します!

(山田)

老齢厚生年金額の在職定時改定制度が導入されます

2022.02.24.

令和4年4月より、老齢厚生年金に在職定時改定制度が導入されます。

これまで、在職中に支払った保険料は
退職等により被保険者の資格を喪失しないと、年金額に反映されませんでした。
今後は、65歳以上で在職中の老齢厚生年金受給者に対し、毎年10月に年金額の改定が行われ
それまで支払った保険料分の年金が上乗せして支給されるようになります。

令和3年4月の高年齢者雇用安定法の改正により、
70歳までの就業機会の確保等が努力義務化されたこともあり、
今後さらに増えるであろう65歳以上の就業者にとっては、
ひとつのモチベーションとなり得るのではないでしょうか。

また、老齢基礎年金、老齢厚生年金の受給開始年齢の選択幅が
現状の60~70歳から、60~75歳へ拡大するなど
令和4年4月以降、高年齢者を対象とした制度の改正がいくつか施行されます。
60歳以上の労働者が就業している事業所では
一度確認しておくのがよいでしょう。

参考:厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました

(高村)

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