「厚生年金保険」一覧

随時改定 通勤手当を定期代支給から実費支給へ変更した場合

2021-01-15

テレワークの導入にあたり、通勤手当の支払い方法について、定期代の支給を止めて、
勤務日数に応じた実費支給へ変更する事業主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この場合、変更した月から数えて4ヶ月目に、社会保険の随時改定に該当する可能性があります。

随時改定を行う要件の1つに「昇給や降給等の固定的賃金の変動または賃金(給与)体系の変更」
があり、通勤手当も固定的賃金に含まれます。

通勤手当の変動というと、通勤経路変更や運賃改定等がありますが、定期代支給から実費支給へ
変更した場合もあてはまります。

随時改定に該当した場合は、月額変更届の届出が必要です。

変更した場合はメモを残したりタスクリストに追加しておく等、4ヶ月後に確認を忘れないよう
対策しておくことをお勧めします。

なお、実費支給へ変更後は、毎月の出勤日数に応じて通勤手当が変動しますが、この変動は
固定的賃金の変動にはあたりません。
ただし、実費支給から再び定期代支給へ変更した場合は、固定的賃金の変動にあたります。

その他、随時改定の基本事項については2020-05-12のコラムをご覧ください。

(山田)

新型コロナウィルスの影響による標準報酬月額の特例改定の期間が延長されました

2020-10-08

以前にこのコラム内でも
新型コロナウイルス感染症の影響による休業により報酬が著しく下がった場合に、
通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から標準報酬月額の改定を可能としている旨をお知らせしておりました。

当初、対象期間(急減月)は令和2年4月から7月までの間とされていましたが
「令和2年8月から12月までの間」の休業についても対象とされることになりました。

延長後の特例の対象は、以下の2パターンとされており、それぞれ申請ができる条件が異なります。
申請期間は、令和2年10月5日~令和3年3月1日です。

①令和2年8月から12月までの間に新たに休業により報酬が著しく下がった方の特例
(急減月の翌月を改定月として標準報酬月額を改定)
条件
1.新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより、令和2年8月から12月までの間に、報酬が著しく下がった月が生じた
2.著しく報酬が下がった月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がった
3.特例措置による改定内容に本人が書面により同意している

②令和2年4月または5月に休業により著しく報酬が下がり特例改定を受けている方の特例
(8月の報酬の総額を基礎として算定した標準報酬月額により、定時決定の保険者算定として決定)
条件
1.新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより、令和2年4月または5月に報酬が著しく下がり、5月または6月に特例改定を受けた
2.8月に支払われた報酬の総額(1か月分)による標準報酬月額が、9月の定時決定で決定された標準報酬月額に比べて2等級以上下がった
3.特例改定による改定内容に本人が書面により同意している

①については、これまでの特例と同じ条件で期間が変更された内容となりますが、
②については今回新設されており、定時決定(算定)が8月の報酬のみで決定できる点が特徴です。

①、②のどちらの条件で申請するかによって、申請書の様式が異なっているので注意が必要です。
また、休業から回復した場合は、回復した月1か月分の報酬総額が、特例により決定された標準報酬月額と比較して2等級以上上がっていれば、
その翌月を改定月とした標準報酬月額の改定を行う必要があります。
こちらも、専用の申請書が準備されています。

今回も同様に、留意事項として
「届出に当たっては、被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となる」点があげられています。
単に保険料が下がるだけでなく、将来の年金額、手当金関係への影響も十分説明したうえで、本人からの同意を得る必要があります。

参考:日本年金機構「【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定の延長等のご案内」

(高村)

厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

2020-09-17

令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限が、
第31等級:62万円(報酬月額605,000円以上)から
第32等級:65万円(報酬月額635,000円以上)に、変更になりました。

改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主に対しては、
令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」が発送されることとなっています。
(特別な手続きは不要です)

この改定により、令和2年9月に適用される標準報酬月額と実際に被保険者が受けている報酬との間に大きな乖離が生じるケースにおいては、
事業主からの届出により、標準報酬月額の特例的な改定を行うことができる場合があります。

具体的には、

①従前(定時決定)の標準報酬月額が62万円(報酬月額635,000円未満)であったところ、
5月に昇給(固定的賃金の変動)があり、3ヶ月の平均報酬月額が635,000円以上となった
→8月時点で随時改定には該当しないため、従前の報酬月額により9月以降の標準報酬月額は62万円と決定
※9月の月額変更(62万円→65万円)を届け出ることができます

②従前(定時決定)の標準報酬月額が62万円(報酬月額635,000円以上)であったところ
5月または6月に降給(固定的賃金の変動)があり、3ヶ月の平均報酬月額が605,000円以上635,000未満となった
→8月時点で随時改定には該当しないため、従前の報酬月額により9月以降の標準報酬月額は65万円と決定
※9月の月額変更(65万円→62万円)を届け出ることができます

のようなケースが考えられます。
なお、届出は紙媒体のみとなります。

まもなく通知書が発送されることとなりますが、
適切に処理できるよう、事前に社内の対象者を確認するなど、準備をすすめておくのが望ましいでしょう。

参考
日本年金機構 厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定

(高村)

標準報酬月額の特例改定について

2020-08-04

新型コロナウイルス感染症の影響により
休業した被保険者で、休業により著しく報酬が下がった場合に
一定の条件に該当する場合は、健康保険・厚生年金保険料の
標準報酬月額を、通常の方法(報酬が下がった4ヶ月目に改定)によらず
特例により翌月から改定可能となりました。

条件は下記のとおりです。
①事業主が新型コロナウイルス感染症の影響により休業(時間単位を含む)をさせたことにより、
 令和2年4月~7月の間に報酬が著しく低下した月があること
②著しく報酬が低下した月に支払われた報酬の総額(1ヶ月分)がこれまでの標準報酬月額に
 比べて2等級以上下がっていること
 ※固定的賃金(基本給等)の変動がない場合も対象となります。
③この特例措置による改定内容に本人が書面により事前に同意していること

申請は一人1回のみで、受付期間は令和3年2月1日までです。
また、申請時には事業主の申立書の添付が必要となります。

日本年金機構 【事業主の皆様へ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定のご案内

この特例改定により保険料が下がりますが、
改定後の標準報酬月額に基づき傷病手当、出産手当金及び年金額が算出されますので、
本人に十分理解してもらったうえでの同意を得ておく必要があります。

給与が減ったにもかかわらず、社会保険料を払い続けるのは、
金銭面だけではなく気分的にも負担が大きいはずです。
それぞれの状況や考え方にもよりますが、
給付金の受給額や将来の年金額の計算に響くなどのデメリットを
納得できているのであれば、活用してみてもよいのではないでしょうか。
(菊沢)

社会保険及び労働保険 出向者の取り扱い

2020-06-12

出向者についての社会保険・労働保険の取り扱いは、
保険の種類によって違いがあります。

そもそも出向とは、自社との雇用契約はそのままで
他の企業において勤務させるものであり、自社との
雇用契約を終了させて他の企業で新たに雇用契約を
締結する転籍とは区別されます。
転籍は、転職のときのように新しい会社と雇用関係を
結ぶことになるため、社会保険・労働保険の取り扱いについて
複雑な問題は生じませんので、ここでは、出向元と出向先両方
との雇用関係が生じる出向のケースについてみてみましょう。

●社会保険(健康保険・厚生年金保険)・・・基本的に賃金を支払う側で適用

出向元及び出向先それぞれと雇用関係があり、どちらか一方を
選択して適用することになりますが、実務上では賃金を支払う
側でその支払う賃金に基づいて保険料を納付します。
   
●労災保険・・・出向先で適用

現実に労務を提供するのは出向先なので、出向先の事業内容に
基づく保険料率で保険料を納付します。
実務上注意する点は、出向先で保険料申告の手続きをする際には、
出向元から支払われる賃金があればその金額も合計して保険料を
算出することです。

●雇用保険・・・生計を維持するために必要な主たる賃金を払っている側で適用

2つの雇用関係を有することになるため、支払う賃金額が多い方で
適用となり、その支払う賃金に基づいて保険料を納付します。
従って、出向先で支払われる賃金が多い場合には、出向元で資格喪失、
出向先では資格取得の手続き行うことが必要です。
従たる賃金を支払う側では適用されず、従たる賃金を合算して保険料を
算出する必要もありません。

社会保険や労災保険の手続きでは、出向元、出向先とで賃金データの
共有が必要となる場合がありますので、漏れのないように行いましょう。

(金子)

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