社労士コラム

令和3年度 働くパパママ育休取得応援事業

2021.05.10.

東京都では、育児中の従業員の就業継続、
また、男性従業員の育児休業取得を応援する企業に対し、
奨励金を支給する事業を行っています。

奨励金には以下2種類があり、申請期間は令和3年4月1日~令和4年3月31日です。
(1)働くママコース・・・都内中小企業への奨励金定額125万円
(2)働くパパコース・・・都内企業への奨励金最大300万円

(1)働くママコース 
従業員に1年以上の育児休業を取得させ、育児中の雇用を継続する環境整備を行った企業を支援します。
男性従業員も対象となりますが、後述する(2)働くパパコースとの併給はできません。

具体的な対象企業は、
①都内に本社または事業所を置き、
②1年以上の育児休業から原職に復帰し、復帰後3か月以上継続雇用されている都内在勤の従業員がいる
③中小企業(常時雇用する従業員が2名以上300人以下)等
です。

また、雇用を継続する環境整備としては、
①育児・介護休業法に定める取組を上回る以下のいずれかの制度を、令和3年4月1日以降に就業規則に定め届け出ること
 ア 育児休業等期間の延長
 イ 育児休業等延長期間の延長
 ウ 看護休暇の取得日数上乗せ  
 エ 時間単位の看護休暇導入(中抜けを認めるもの)
 オ 育児による短時間勤務制制度の利用年数の延長
②育児休業中の従業員に対して、復帰支援の面談を1回以上実施すること
 および復帰に向けた社内情報・資料提供を定期的に実施すること

以上の2点が求められます。

(2)働くパパコース
男性従業員に育児休業等を取得させ、育児参加を促進した企業を奨励します。

対象企業は、規模は問わず
連続15日以上の育児休業を取得した後、原職に復帰し復帰後3か月以上継続雇用されている都内在勤の男性従業員がいること、とされています。
こちらは、奨励金額が25万円(連続15日取得の場合)から
以降15日ごとに25万円が加算され、最高300万円(連続180日取得の場合)までとなります。

なお、常時雇用する従業員の数が300名以下の中小企業等に対しては、
以下の特例措置があります。

①子の出生後8週の期間に30日以上の育児休業を取得した場合は、奨励金に一律20万円を加算
②子の出生後8週の期間に初回の育児休業を取得した場合は、2回目以降の育児休業期間のうち1回分に限り、初回の育児休業期間と合算して申請が可能

ママコースもパパコースも、
復帰後3か月経過した翌日から2か月以内、または令和4年3月31日のいずれか早い日が申請期限となります。
ほか、細かい要件等ありますので、
申請を検討する場合は、早めに要綱やチェックリストをよく確認しましょう。

参考:東京都 TOKYOはたらくネット 働くパパママ育休取得応援事業について

(高村)

常時使用する労働者

2021.05.07.

労働者数により制度の適用が分かれるものがありますが、
「常時使用する労働者」や「常用労働者」というように表現が異なっていることがあります。
少し整理してみたいと思います。

【労働基準法】
常時10人以上の労働者を使用するときは就業規則を作成し、労働基準監督署に届出なければならないとされています。
この「常時10人以上」とは、一つの事業場に常態として10人以上の労働者が雇用されているかどうかで判断します。
パートやアルバイト等であっても一時的な雇入でなく、常態となっていれば労働者の人数に含めます。

【労働安全衛生法】
常時時使用する労働者の人数が50人以上の事業場に対して、衛生管理者や産業医などの選任を義務付けています。
この「常時使用する労働者」とは、常態として使用しているかどうかで判断され、パートやアルバイト等であっても
常態として使用している常態であれば労働者の人数に含めます。
一方、一般定期健康診断やストレスチェックの対象者はとなる「常時使用する労働者」は、
産業医や衛生管理者の選任の定義とは異なり、次のいずれの要件を満たす者をいいます。
①期間の定めのない労働契約により使用される者であること
(期間の定めのある労働契約の場合は、契約期間が1年以上である者ならびに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者、
 及び1年以上引き続き使用されている者を含む)であること
②1週間の所定労働時間数が、同じ事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること

【障害者雇用促進法】
民間企業の障害者の法定雇用率が令和3年3月1日から2.3%引上げられ、
従業員数43.5人以上の事業主が対象となります。
これは常用雇用労働者である従業員数43.5人以上対し、そのうちの1人が障害者であるという割合になります。
この「常用雇用労働者」とは、次のいずれかに該当する者のことです。
1週間の所定労働時間数か20時間以上であり、
①期間の定めなく雇用されている労働者
②期間を定めて雇用されている労働者であって、雇入れのときから1年を超えて引き続き雇用されることが見込まれる労働者、
 または過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者
(人数においては常用雇用労働者のうち「1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者」については0.5人とカウント)

法律の定義や解釈によって対象者は異なリますので、
法律ごとに定義を確認した上で対応が必要になります。
(菊沢)

産育休からの復帰者の有休残日数について

2021.04.30.

4月は産育休からの復帰者が比較的多い月でしたが
復帰者の有給休暇の残日数は確認済みでしょうか。

産休・育休中の期間は有給休暇の付与に関しては出勤したものとみなします
(労基法39条第10項)。
産育休中は有休利用の余地はありませんので時効消滅を除き
有休残日数が減る理由はありません。
一方で付与のタイミングは到来し継続勤務年数も増えますので、
復帰時には有休残日数が増えていることが通常です。
2歳までの育児休業も珍しくありませんので
2年分の付与日数全てが残日数になっていることも珍しくないでしょう。

育児期の社員は育児のために有休を使用する場面も予想されますので
有休残日数を心配していることも多いのではと思います。
トラブルとまではいかなくてもお互いに不快な思いをしないよう
有休残日数は確実に確認しておきたいです。

(藤代)

国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切り替え

2021.04.27.

「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」により
令和4年4月1日から、国民年金新規加入者への国民年金手帳の交付が廃止され
代わりに「基礎年金番号通知書」が交付されることとなっています。
既存の国民年金手帳を紛失、破損した際に再発行手続きを行う場合も
基礎年金番号を確認できる書類として、この通知書が交付されます。

現在、入社時に国民年金手帳の提出を義務付けている、
もしくは、そのまま預かって会社で保管しているような場合もあるかもしれません。
来年4月以降は国民年金手帳を持たない方も出てくることとなりますので
適切に案内する必要があるでしょう。

そもそも、会社が行う厚生年金保険、健康保険の手続きには
基本的にマイナンバーがあれば基礎年金番号は不要ですので
会社が社員の基礎年金番号を把握することは、必ずしも必要ではなくなってきています。

会社として必要な情報を整理したうえで、どのように社員から情報を収集し管理するのか、
運用を見直す機会になるかもしれません。

参考:厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」
   e-GOVパブリック・コメント

(高村)

給与から保険料等を控除するタイミングと退職時の注意点

2021.04.23.

今回は、給与から保険料等を控除(天引き)するタイミングをまとめました。

当月控除:雇用保険料、所得税、住民税
翌月控除:健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料

◆雇用保険料、所得税
4月支給額から雇用保険料・所得税を算出し、4月給与にて控除します。

◆住民税
4月納付額を4月給与にて控除します。
各月の納付額は、市区町村発行の「特別徴収税額の決定・変更通知書」から確認します。

◆健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料
3月分保険料を4月給与にて控除します。
各月の保険料額は、保険料額表から確認します。

ここで迷うのが、
退職の際に「健康保険・介護保険・厚生年金保険料」をどの月分まで控除するか
です。

◆月末退職の場合
退職月分の保険料まで控除します。
(例)4月30日退職→4月分まで控除

当月払の会社は、4月給与で2ヶ月分(3・4月分)の保険料を控除できます。
勤怠分(時間外手当等)を翌月支払う場合も、退職月に控除することをおすすめします。勤怠分だけでは支給額が少なく、控除できない可能性があるためです。

◆月の途中に退職の場合
退職月の前月分の保険料まで控除します。退職月分の保険料は発生しません。
(例)4月15日退職→3月分まで控除

当月払の会社は、4月給与で1ヶ月分(3月分)を控除します。

退職日により異なるのは、保険料を「資格を取得した月」から「資格を喪失した月の前月」分まで、月単位で納付するためです。
月末退職は、資格喪失日が翌月1日になるので、退職月に保険料が発生します。

どの月分まで控除するか迷ったときは、「資格喪失日はいつなのか」を考えてみると整理できると思います。

(山田)

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