社労士コラム

精神障害の労災認定基準

2023.09.08.

令和5年9月、精神障害の労災認定基準が改正されました。

精神障害の労災保険給付請求件数は年々増加してきており、審査の迅速化や効率化を図る必要性が生じ、今回の改正となったようです。
基本的な認定要件と改正された点を確認します。

【精神障害の労災認定要件】(下記①~③いずれも満たす場合)
認知基準の対象となる精神障害を発病していること
  疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回改訂版(「ICD-10」)第Ⅴ章
  「精神及び行動の障害」に分類される精神障害であって
   器質性のもの及び有害物質に起因するものを除きます。
  また、心身症は認定基準対象の精神障害に含まれません。
認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること  
   ・発病前概ね6ヶ月の間に起きた業務による出来事を
    「業務による心理的負荷評価表」にあてはめて判断します。   
   ◇こちらのリンク◇後半の別表1に、心理的負荷評価表がございます。
  ・「業務による心理的負荷評価表」による「特別な出来事」に該当する
   業務起因の出来事があれば心理的負荷の総合評価を「強」とし
   それ以外の出来事についてはこの表の「具体的出来事」に当てはめ
   総合評価します。
業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

【今回改正された点】
1️⃣業務による心理的負荷評価表の見直し
  ・具体的出来事にカスタマーハラスメントや
   感染症等の病気や事故の危険性が高い業務への従事を追加など
  ・パワハラ6類型全ての具体例、性的指向・性自認に関する精神的攻撃等を
   含むことや、一部しか示されていなかった具体例を明記
2️⃣精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
  ・悪化前おおむね6ヶ月以内に「特別な出来事」がなくとも
   「業務による強い心理的負荷」により悪化した場合、悪化部分について認定可能に
3️⃣医学意見の収集方法を効率化
  ・専門医3名の合議により決定していた事案について
   特に困難なものを除き1名の意見で決定できるよう変更

「業務による心理的負荷評価表」の具体例が増えました。この表をひと通り確認すると参考になります。

(前田)

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