社労士コラム

2社目の資金移動業者が指定されました(給与のデジタル払い)

2024.12.20.

今年8月にPayPay株式会社が初めて指定されたのに続き、
12月13日に株式会社リクルートMUFGビジネス社が指定されました。
同日時点でさらに2社が審査中です。

2023年4月に給与のデジタル払いのための法的な整備がされてから
1年以上が経過し、デジタル払いに欠かせない指定資金移動業者が
複数となりました。

給与のデジタル払いは、
従業員にとっては選択肢が広がりますのでメリットと言える一方で、
会社にとっては手続きや振込処理の面でハードルが高いのではと
考えていましたが、指定資金移動業者による具体的なサービスの内容も
確認できるようになりました。

振込処理では、全銀協フォーマットで対応可能です。
従業員が、指定資金移動業者が提供する口座情報を用意し会社に申し出る、
という銀行口座の場合と同様に取り扱えるようです。
資金移動業者からは振込手数料や利用条件などの情報も提供されていますので
導入のメリット・デメリットなど具体的に検討できる段になってきたように思います。

本コラムでは給与のデジタル払いについて、制度概要についても取り上げています。
こちら

(藤代)

有料職業紹介事業者の平均手数料率実績公開の義務化

2024.12.13.

職業安定法の改正の省令及び指針の改正により、
有料職業紹介を行う事業者は令和7年4月より、
職種ごとの平均手数料率の実績(令和6年度分実績から)を
「人材サービス総合サイト」に公開することが義務となります。
以前より手数料に関する事項は公開することとなっておりましたが、
今回の改正により、職種ごとの実績を掲載することが必要になります。

平均手数料率の計算方法等は下記リーフレットをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001342637.pdf

なお、この改正は、職業紹介業の見える化を図ることが背景にあり、
求人企業は、人材サービス総合サイトで紹介会社の手数料実績を
職種ごとに確認することができるようになります。
現在でも人材サービス総合サイトでは、
紹介手数料や短期退職者の返金制度の有無が公開されていますので、
採用の際に使用する紹介会社を選ぶ際には参考になると思います。
また、紹介会社の利用で、料金や違約金のトラブルになるケースもあり、
労働局がリーフレットを出しておりますので、
利用する際には契約内容を確認しておくとよいです。
https://www.mhlw.go.jp/content/001342637.pdf

(斎藤)

離職票がマイナポータルで受け取れるようになります

2024.12.06.

これまで、離職票は離職者の手元に届くまでに
いったん事業主を経由する必要がありましたが、
2025年1月から、離職票を個人のマイナポータルで
受け取れるようになる、という告知がありました。

マイナポータルで受け取るには
• あらかじめマイナンバーをハローワークに登録していること
• マイナンバーカードを取得し、マイナポータルの利用手続きを行うこと
• 事業所が電子申請により雇用保険の離職手続きを行うこと
が必要とされています。

マイナポータルで離職票を受け取ろうとする場合は
あらかじめ、マイナポータルで
マイナンバーがハローワークに登録されているか、
確認しておくとスムーズです。
もし、会社名や被保険者番号が表示されない場合は
マイナンバーが登録されていない状態ですので、
事業所を通じて、個人番号届を提出いただく必要があります。
また、もし前職名が表示されるような場合は
マイナンバーが前職の被保険者番号と紐づいていますので
前職と現職の被保険者番号を統一する手続きを行うことで、対応可能です。

事業主が電子申請を行う必要がありますが、
会社は郵送等の事務が軽減され、
離職者は離職票が早く手元に届くことが利点と言えそうです。

厚生労働省リーフレット:2025年1月から、「離職票」をマイナポータルで受け取れるようになります!

(高村)

マイナンバー連携による養育特例の添付書類省略

2024.11.29.

マイナンバーを活用した行政機関間の情報連携の本格運用が開始され、一部の手続きで戸籍関係情報の書類提出が省略できるようになりました。その中の1つに、養育特例(養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置)があります。

養育特例は、3歳未満の子の養育期間中に社会保険の標準報酬月額が低下した場合であっても、将来受け取る年金額には影響しない(該当の子を養育する前の標準報酬月額に基づいた年金額を受け取ることができる)制度です。

養育特例が適用されるためには、会社が被保険者からの申出を受けて、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を日本年金機構へ提出する必要があります。

添付書類は原則、「戸籍謄(抄)本または戸籍記載事項証明書」と「住民票の写し」が必要ですが、次の①②どちらも満たす場合は添付書類の省略が可能となります(省略した場合、審査完了までに1ヶ月程度期間を要する場合があります)。
①被保険者と養育する子に日本の戸籍があること
②被保険者と養育する子のマイナンバーを申出書に記載すること
※今までは、住民票の写しのみ省略可能でしたが、令和6年11月1日からはどちらも省略可能となりました。

手続きの詳細は、日本年金機構のホームページからご確認いただけます。
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

(山田)

「第20回 社会保障審議会年金部会」の資料公表

2024.11.21.

厚生労働省から、令和6年11月15日開催の「第20回 社会保障審議会年金部会」の資料が公表されました。

今回の議事は、
(1)被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応について
(2)脱退一時金について
です。

社会保険の適用拡大については、今年10月に従業員数50人超の企業等に適用拡大されたところですが、
以下の要件の撤廃について議論すべきとしています。
・労働時間要件(週所定労働時間20時間以上)
 雇用保険の加入要件の拡大(週10時間以上)に伴い要件引き下げや撤廃すべき
・賃金要件(月額8.8万円以上(年収106万円以上))
 就業調整できない程度の水準まで要件引き下げや撤廃すべき
・企業規模要件(50人超)
 勤務先の企業規模や業種によって被用者保険の適用の有無があることは不合理なため、要件撤廃すべき

また、被用者保険の保険料は原則として労使折半ですが、
被用者保険の適用に伴う保険料負担の発生や
手取り収入の減少を回避するために就業調整を行う層に対し、
従業員と事業主との合意に基づき、
事業主が被保険者の保険料負担を軽減し、
事業主負担の割合を増加させることを認める特例の制度の導入案が示されましたが、
大企業しか負担が増やせないなどとの意見があったようです。

今後も議論を続け、年末までに改革案の方向性をまとめる予定とされ、来年の通常国会に年金改革関連法案を提出を目指すとされています。 
影響が大きいと考えられるので動向を注目したいと思います。

第20回 社会保障審議会年金部会 資料
(菊沢)

エキップオリジナルサービス
給与計算改善コンサルティング
RECRUIT
給与計算の最強チェックリスト
濱田京子著 出版書籍
濱田京子コラム
社労士コラム

お電話でのお問い合わせ

03-5422-6550

受付時間: 平日 9:00 〜 17:00

メールでのお問い合わせ